アラビー・ジャディード:ロシアがワグナー・グループの砲兵と民兵組織「ダーイシュ・ハンター」の戦闘員多数とシリアからウクライナに転戦(2022年3月8日)

アラビー・ジャディード(3月8日付)は、シリアの反体制派を監視追跡する部隊に勤務する複数筋の話として、ロシアがワグナー・グループの傭兵と民兵組織「ダーイシュ(イスラーム国)・ハンター(サーイドゥー・ダワーイシュ)」の戦闘員多数とシリアからウクライナに転戦させたと伝えた。

同筋によると、ロシアはこの15日間で、ヒムス県タドムル市東の第3石油ステーション(T3)周辺の油田地帯、同県東部のシャーイル油田、ダイル・ザウル県の油田地帯に展開していたファンゲル、の戦闘員約500人を、ウクライナでの戦闘に参加させるため、ラタキア県のフマイミーム航空基地からイリューシンII-76輸送機でロシア領内に移送した。

https://twitter.com/Najdat567/status/1499012996756127744

これに加えて、ロシアは「ダーイシュ・ハンター」の戦闘員約300人も、シリア中部の砂漠地帯から撤退させたという。

「ダーイシュ・ハンター」は2017年にロシア軍とワグナー・グループの監督のもとに結成された民兵で、兵力は約1,500人、そのほとんどがロシア人で、一部シリアの沿岸地方出身者も参加している。

タドムル市、ヒムス県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯でロシア軍とともにダーイシュに対する「テロとの戦い」に参加、その後はロシア軍に油田地帯の防衛任務を任されていたという。

また、一部はリビアに派遣され、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍を支援する任務にあたっていた。

同筋によると、ウクライナでの任務完了後は、シリアに帰国し油田防衛の任務に再びあたる予定だという。

その一方、同筋は、ロシア軍が親政権民兵をウクライナでの戦闘、とりわけ市街戦に参加させるために募集しているとする一部報道を否定した。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-‘Arabi al-Jadid, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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スプートニク通信:イドリブ県、アレッポ県からアル=カーイダ系組織の戦闘員ら450人がトルコ経由でウクライナ入り(2022年3月8日)

スプートニク通信(アラビア語版、3月7日付)は、イドリブ県からアラブ諸国および外国籍の戦闘員ら450人が、3日程前にシリアを出国し、トルコを経由して、ロシア軍に対する戦闘に参加するためにウクライナ入りしたと伝えた。

ウクライナに到着した戦闘員の親族らのはなしによると、シャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の複数の司令官が先週初め、トルキスタン・イスラーム党、アンサール・タウヒード、フッラース・ディーン機構の司令官らと複数回にわたり会合を開き、トルキスタン・イスラーム党、アンサール・タウヒード、フッラース・ディーン機構に所属する一部外国人戦闘員がトルコ経由でウクライナに入ることを認める合意を交わした。

複数筋の話によると、イドリブ県からウクライナ入りした外国人戦闘員の数は現在のところ150人あまりで、ベルギー、フランス、中国、モロッコ、チュニジア、チェチェン、英国出身者がほとんど。

加えて、イドリブ県やアレッポ県の複数地域からシャーム解放機構、アンサール・タウヒード、シャーム軍団を含む国民解放戦線のメンバーら300人も派遣されたという。

このうち、シャーム解放機構のメンバーは、組織の幹部らとの間に問題を抱え、監禁やハッド刑といった厳しい嫌がらせに直面していた者たち。

ウクライナへの派遣は幹部とメンバーがの双方にとって関係を修復する好機と捉えられているという。

450人の戦闘員は3月3日に3回に分けてイドリブ県のヒルバト・ジャウズ村からトルコ領内に入り、トルコの諜報機関に所属すると思われる複数の監督者によって統轄され、3月6日夜にウクライナに移送されたという。

ウクライナに派遣される戦闘員には、シリア人で月1,200~1,500ドルの報酬を与えられるという。

外国人戦闘員の報酬額は定かではないという。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022、Sputnik News, March 8, 2022などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ラタキア県を砲撃(2022年3月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バーラ村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ国境に近いサルマダー市では、シャーム解放機構の総合治安機関がカフルサジュナ村出身のメディア活動家とその妻を拘束した。

拘束された活動家は人道支援活動にも携わっていたが、拘束の理由は不明。

 

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。

 

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町でシリア政府との和解に応じたスンナ青年旅団の元メンバー2人が何者かによって銃で撃たれて死亡した。

またジャースィム市でもシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団のメンバー1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡したほか、住民1人も銃で撃たれて死亡した。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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アスマー・アフラス大統領夫人は世界女性デー(3月7日)に合わせて、首都ダマスカスのヒジャーズ駅に特設された「シリア人女性の製品」市場を訪問(2022年3月8日)

アスマー・アフラス大統領夫人は、世界女性デー(3月7日)に合わせて、首都ダマスカスのヒジャーズ駅に特設された「シリア人女性の製品」市場を訪問した。

アスマー夫人は、女性たちが制作したアクセサリーを鑑賞し、女性たちと制作に至った経緯、作り方、仕事を行う上での障害などについて意見を交わした。

アスマー夫人が会場で女性たちに次のように述べた。

あなたたちと今日共にできることを誇りに思います。私たちは、自分たち、そして世界全体にとって困難で厳しい状況に身を置いているのは、ご存知の通りです。この状況は私たちの人間的な生活のあらゆる側面に影響を及ぼしました。あらゆる部門、あらゆる分野がその被害を受けました。なかでも労働部門はもっとも深刻な影響を受けました。私たちは労働部門が、周囲でのどんな揺れ、混乱、変化に対してもどれほど敏感であるかを知っています。周囲が単なる揺れではなく、震災を被って、しかもこの震災がシリアに対する戦争によって始まり、世界全体に広がり、皆に被害をもたらしたとすれば、どうでしょうか。

私たちに意志、そして崇高な不屈の精神が必要で、それによってすべての部門やすべての分野、とりわけ生産部門に確実に及んでいるこの困難な課題のすべてを克服できるとしても、今述べたように、この部門が敏感だから、そうした意志や不屈の精神が必要なのではありません。生産というのは、多くの国、そして社会にとって、常時において自らを発展させることができ、非常時において必要最低限を保つことができる唯一の手段だからなのです。

こうした言葉は一般論できれいごとだと言う人もいるでしょう。しかし、私たちには具体的な何かが必要なのです。具体的な何かを目にしたい時、戦争に苦しみ、シリアで起きた以上の破壊が生じたにもかかわらず、自らを復興し、社会を再興できた他の国の経験に注目し、それを活用しなければなりません。経済が完全に崩壊したにもかかわらず、工場を再稼働させ、国産品を生産し、復興を実現した国の経験や実例があります。

きっと、みなさんの頭のなかにある問いは、私たちがどのように包囲を受けているなかで生産できるのかというものでしょう。答えは次のような自明のものです。生産しなければ、どうして包囲を解除できるのでしょうか。包囲の一部は国外からのもので、基本的な材料が届くのを阻止しています。間違いなく、一部の材料が現在、市場で不足することがあります。しかし、私たちはコストをかけてそれを克服しようとしています。包囲においてもっとも深刻なのは、国内にかかわる部分、すなわち生産が少ないことです。これは我々みなにかかわることです。確かに、これにはあなた方のような生産者、生産者でないみなさん、そして国家の協力が求められるのです。

国の政策は今日、中小規模のプロジェクトを支援、奨励するという点で明白です。それは、一部の人が言うように、戦争や包囲が理由ではなく、こうしたプロジェクトが大多数の国にとっての経済力とみなされているからです。強い大国であっても、弱い国であっても、豊かな国であっても、貧しい国であっても、こうしたプロジェクトは経済全般の基礎をなしており、より多くの雇用機会を創出し、大規模プロジェクトを補完します。さらに、中小規模のプロジェクトを支援するという国策は今日、最優先課題になっていて、昨年施行された法律によって実際に実施され始めました。中小規模プロジェクトへの融資を促すことを専門とする銀行も創設が認められました。この1年で、これらの銀行は5万近いプロジェクト、総額で610シリア・ポンド相当の融資を行いました。もちろん、融資は課題の一つにすぎず、登録、認可といった着工段階、あるいは着工後の段階にあるプロジェクトは別の課題にも直面しています。だから、今日、さまざまな政府系、非政府系の組織からなる専門のグループが、障害を取り除くための提案を行い、あなた方が行っているプロジェクトなどを支援、奨励し、持続、振興、発展を実現させようとしています。私たちはあなた方に非常に多くを期待してきました。

みなさんは、今日行われている展示会の名前は「生産するシリアの女性たち」なのに、私が話のなかで主に生産に焦点を当てていて、女性の役割について言及してなかったことに気づいたかもしれません。

しかし、実際のところ、労働や生産における女性の役割は真新しいことではないのです。20年前から行われていて、大きな影響力を持っています。女性の役割にとって新しく特別なこととは、私たちが現在置かれている状況に結びついてます。戦争を通じて、女性が犠牲者で弱者だというイメージが作り出されるなか、シリアの女性は男性とともに、戦い、抵抗し、生産に従事してきました。また、戦争の影響に抵抗する1人として自らを示すことができあした。戦争のなかで犠牲者となるのではなく、自らを変えていくことができる1人としてです。弱さではなく、強さの象徴として立ち現れたのです。

しかし、この力は無から生じたのではありません。偶然生じたのでもありません。この力は確固たる意志が必要です。そしてこの確固たる意志とは、真の愛国心以外によってはもたらされません。祖国と社会への誠実な帰属という意味での愛国心です。この帰属意識、そして意志こそが、私たちが今日、みなさんの顔に見ているものです。あなた方のプロジェクト、製品のなかに存在するものです。それは、あなた方に力と能力を与え、決定を下し、挑戦に成功することを可能としているものです。あなた方は、時間、財産、物資、自己の能力を、成功した革新的なプロジェクトや投資へと変えることができました。あなた方を祝福します。またシリアがあなた方を祝福しますように。




https://www.youtube.com/watch?v=qQMOpJ59o-4

SANA(3月8日付)が伝えた。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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ヒムス市のバアス大学内で学生や職員が米国や西側諸国の政策に対抗するロシアおよび同国民との連帯を表明するデモを実施(2022年3月8日)

ヒムス県では、SANA(3月8日付)によると、ヒムス市のバアス大学内で学生や職員が、米国や西側諸国の政策に対抗するロシアおよび同国民との連帯を表明するデモを行った。


デモ参加者は、シリアとロシアの国旗を掲げ、テロ、ナチズム、およびその支援者に対する両国の勝利を鼓舞した。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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「パレスチナ人民を支援しシオニストの計画に抵抗するシリア・アラブ人民委員会」がバアス革命記念日(3月8日)を記念してシンポジウムを開催(2022年3月8日)

ダマスカス県では、SANA(3月8日付)によると、マッザ区にあるダール・バアス(バアス会館)で、「パレスチナ人民を支援しシオニストの計画に抵抗するシリア・アラブ人民委員会」が、シリア国際クドス機構やパレスチナ諸派とともに、バアス革命記念日(3月8日)を記念して「3月革命と続く刷新」と銘打ったシンポジウムを開催した。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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ジャルマーナー市でイラク国民会合がシリアに在住するイラク人、パレスチナ人、イエメン人らとともにシリアのアラブ連盟への復帰を求めるデモ集会を実施(2022年3月8日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月8日付)によると、ジャルマーナー市でイラク国民会合がシリアに在住するイラク人、パレスチナ人、イエメン人らとともに、シリアのアラブ連盟への復帰を求めるデモ集会を実施した。


AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、ラッカ県、アレッポ県で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年3月8日)

SANA(3月8日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市スポーツ・サロン、ラッカ県のサブハ町、アレッポ県ダイル・ハーフィル市、タッル・アラン町に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で55人(2022年3月8日)

保健省は政府支配地域で新たに55人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者179人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、3月8日現在のシリア国内での感染者数は計55,102人、うち死亡したのは3,102人、回復したのは48,626人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/263714245936559

AFP, March 8, 2022、ACU, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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