国連安全保障理事会はイドリブ県で活動する新興のアル=カーイダ系組織のタウヒード・ワ・ジハード大隊をISIL(ダーイシュ)およびアルカイダ制裁委員会が指定する制裁対象個人・団体に指定、米国防省も同組織をSDGTに指定(2022年3月7日)

国連安全保障理事会は報道声明(SC/14822)を出し、イドリブ県で活動する新興のアル=カーイダ系組織のタウヒード・ワ・ジハード大隊を、国連安保理決議第1267号(1999年)、第1989号(2011年)、第2253号(2015年)に基づき、ISIL(ダーイシュ)およびアルカイダ制裁委員会が指定する制裁対象個人・団体に追加することを決定したと発表した。

これを受け、米国務省も報道声明を出し、タウヒード・ワ・ジハード大隊を特別指定国際テロリスト(SDGT)に指定したと発表した。

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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国防隊のキリスト教徒司令官がロシア軍を支援するためウクライナに戦闘員を派遣する用意があると表明(2022年3月7日)

『クドス・アラビー』(3月7日付)は、国防隊のキリスト教徒司令官がロシア軍を支援するため、ウクライナに戦闘員を派遣する用意があると表明した。

シリア人ジャーナリストのハマーム・イーサー氏によると、ウクライナへの戦闘員派遣の意思を表明したのはハマー県スカイラビーヤ郡で国防隊の司令官を務めているナービル・アブドゥッラー氏。

アブドゥッラー氏と彼が指揮する部隊は、ロシアから多大な支援を受け、対人ミサイル、暗視装置、地雷・爆発物探知機などを入手していたという。

アブドゥッラー氏自身はロシアとの密接な関係を隠し立てせず、これまでに度々モスクワを訪問している。

シリアの複数の軍事筋によると、スカイラビーヤ郡の国防隊は、ロシア軍とともにハマー県、イドリブ県での反体制派との戦闘や、シリアの中部砂漠地帯でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に参加している。

3月5日には、アブドゥッラー氏がフェイスブックの自身のアカウント(https://www.facebook.com/profile.php?id=100034240956360)で、ロシア軍士官と撮った写真を公開している。

この写真には、「ウォロディミル・ゼレンスキー」が書かれたブタも映っている。

このブタはその後殺され、ロシア軍士官に振る舞われたようだという。

なお、『イズベスチヤ』(3月7日付)は、ロシア軍がスカイラビーヤ市とムハルダ市に人道支援を搬入、これに対してアブドゥッラー氏らがロシア国民とロシア軍との連帯を表明する集会を行う様子が報じた。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=679980666486626&id=100034240956360https%3A%2F%2Fiz.ru%2F1301896%2F2022-03-07%2Fv-sirii-proshli-massovye-aktcii-v-podderzhku-spetcoperatcii-rossii%3Futm_source%3Dyxnews&utm_medium=desktop&fbclid=IwAR3sgL9tGCRGXaGSJ_gLcAfEswKnMnHoDgb7ixrJTnFkTZr6pa8lwZybHfg

AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、al-Quds al-‘Arabi, March 7, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。

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『ウォールストリート・ジャーナル』は「ロシア政府が市街戦の経験が豊富なシリア人を募集している」と伝える(2022年3月7日)

『ウォールストリート・ジャーナル』(3月7日付)は、複数の米政府当局者の話として、ウクライナ都市部に向けてロシア軍が進軍を続けるなか、ロシア政府が市街戦の経験が豊富なシリア人を募集していると伝えた。

米政府の分析によれば、ロシアは数日前からシリア国内で戦闘員を募集。

シリア人は市街戦の知識が豊富なことから、首都キエフ陥落を支え、ウクライナ政府に決定的な打撃を加えると期待されている、と4人の米政府当局者らは述べている。

現時点で何人のシリア人が参加しているかは明らかではないが、一部はすでにロシア入りし、戦闘に加わる準備を進めていると政府当局者の1人は述べている。

ロシア政府は、200~300米ドルの報酬と引き換えに、6カ月間の契約でウクライナで戦う人員を募集しているという。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022、The Wall Street Journal, March 7, 2022などをもとに作成。

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シリアの首都ダマスカスの各所にロシアのプーチン大統領のポスターが貼られ、ウクライナでのロシアの特別軍事作戦への支持表明(2022年3月7日)

『シャルク・アウサト』(3月7日付)は、シリアの首都ダマスカスの各所にロシアのヴラジーミル・プーチン大統領のポスターが貼られ、ウクライナでのロシアの特別軍事作戦への支持を表明されていると伝えた。

ポスターはダマスカス県・ダマスカス郊外県工業会議所が貼ったもので、プーチン大統領の写真とともに、「ロシアの勝利を」、「我々はロシアと共にある」、「我々はロシアを支持する」、「真実は高く、真実に勝るものはない」といったスローガンが書かれているという。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、al-Sharq al-Awsat, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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兵站物資を積んだ米主導の有志連合の貨物車輌など約40輌からなる車列がM2ブラッドレー歩兵戦闘車4輌の護衛を受けて、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2022年3月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、兵站物資を積んだ米主導の有志連合の貨物車輌など約40輌からなる車列がM2ブラッドレー歩兵戦闘車4輌の護衛を受けて、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ルマイラーン町方面に向かった。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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トルコの支援を受けるシリア国民軍所属のムウタスィム旅団がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村近郊のシリア軍第4師団の拠点を砲撃し、兵士5人負傷(2022年3月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受けるシリア国民軍所属のムウタスィム旅団が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村近郊のシリア軍第4師団の拠点を砲撃し、兵士5人が負傷した。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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正体不明の武装集団がダイル・ザウル県シュハイル村から政府支配のバクラス村をロケット弾で攻撃し、シリア軍兵士複数人負傷(2022年3月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸のシュハイル村から、正体不明の武装集団がシリア政府の支配下にある西岸のバクラス村をロケット弾で攻撃し、シリア軍兵士複数人が負傷した。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯し、首都ダマスカスにミサイル攻撃、民間人2人が死亡(2022年3月7日)

SANA(3月7日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午前5時頃、レバノンの首都ベイルート南方の領空を侵犯し、シリアの首都ダマスカス一帯の複数カ所に向けてミサイルを発射、シリア軍防空部隊がそのほとんどを撃破したが、民間人2人が死亡、若干の物的被害が出たと伝えた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/714757439907336

https://www.facebook.com/watch/?v=852023496196061

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/714786013237812






SANA(3月7日付)によると、犠牲者が出たのは、ダマスカス郊外県ダーヒヤト・ハラスター町一帯。

ダーヒヤト・ハラスター町のムハンマド・イスマーイール町長はSANAの記者の取材に対して、イスラエル軍戦闘機が発射したミサイルのうち1発によって、大理石工場1棟が全壊したと述べた。

また、工業地区にある別の大理石工場10棟も甚大な被害を受けたほか、住民の車多数、公共施設、インフラ、電力会社ビルなどの建物複数棟が被害を受けたと付言した。

そのうえで、ダマスカス郊外県知事、工業地区局長、ダーヒヤト・ハラスター町議会、タッル市議会、手工業委員会によって被害状況を調査するための委員会が設置されたことを明らかにした。

一方、攻撃によって破壊された工場の一つを経営するハーリド・シャフルール氏は「イスラエル軍が民間の工業地区を狙い、生産地域を破壊し、そこで働く労働者の生活の糧を奪おうとした」としたうえで、「シリアの指導者、国民、軍と共に労働、生産、シリア経済の復興を続けることを躊躇しない」と強調した。

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シリア人権監視団によると、このミサイル攻撃で、ダマスカス国際空港近くの武器弾薬庫が狙われ、2人が死亡、6人が負傷した。

死亡した2人のうち1人は、ダルアー県出身で親イランの地元民兵のメンバー1人。

もう1人は、シリア人か否かなども含めて身元の詳細は不明。

負傷した6人は「イランの民兵」のメンバーで、首都ダマスカスの病院に搬送された。

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イランのセパーフ・ニュース(3月8日)は、イラン・イスラーム革命防衛隊のゴドス軍団の士官2人(エフサーン・カルバラーイー大佐、モルタザー・サイード・ネジャード大佐)がダマスカス国際空港近くの拠点で死亡したと発表した。

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この攻撃に関して、外務在外居住者省は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)が犯罪を犯した数時間後にイスラエルが住宅地を攻撃したことは、両者が緊密且つ直接連携している真実を示していると批判した。

声明の内容は以下の通り。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3214599695493802

イスラエルが今日、2022年3月7日の早朝にダマスカス郊外県の住宅地複数カ所に対して新たな攻撃を行ってことは偶然ではない。2022年3月6日、すなわちこの攻撃の数時間前、ダーイシュは、帰路についていたシリア・アラブ軍の英雄たちを殺害するという犯罪を行った。テロリスト・ダーイシュとイスラエルの今回の攻撃は、この二つの犯罪者の間に緊密且つ調節の連携が行われている真実を示している。

シリア・アラブ共和国はシリアに対して再三にわたり執拗に繰り返される攻撃がもたらす影響、人命、インフラに対する甚大な損失、さらには子供や女性といった民間人に与える恐怖について警告してきた。

シオニスト政体とダーイシュは国際社会で起きている出来事に乗じて、自らの残忍な攻撃を隠蔽している。だが、それによって虚偽が真実になることはなく、イスラエルとダーイシュが、国際社会において白日のもとに晒されている両者共通の目標を実現するために行っていることをこの世界が誤認することもない。

国際司法、国際の平和と安定をめぐる問題に対処する国連の役割を信じて、シリア・アラブ共和国は国連、とりわけ安全保障理事会が責任を果たし、この深刻な危機に二重基準で対処し、国際法と国連憲章を無視して、こうした攻撃を支持し、犯罪者を養護する一部当事国に奉仕することがないよう要請する。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、Sepah News , March 8, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、ラッカ県、アレッポ県で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年3月7日)

SANA(3月7日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市スポーツ・サロン、ラッカ県のサブハ町、アレッポ県ダイル・ハーフィル市、タッル・アラン町に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県アブー・ハマーム市でシリア民主軍の蛮行、財産没収・略奪、拉致・誘拐に抗議するデモが行われ、参加した住民がシリア民主軍の退去を求める(2022年3月7日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月7日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアブー・ハマーム市で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の蛮行、財産没収・略奪、拉致・誘拐に抗議するデモが行われ、参加した住民がシリア民主軍の退去を求めた。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で59人、北・東シリア自治局支配地域で7人(2022年3月7日)

保健省は政府支配地域で新たに59人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者180人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、3月7日現在のシリア国内での感染者数は計55,085人、うち死亡したのは3,099人、回復したのは48,447人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/263130742661576

 

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が完治したと発表した。

これにより、3月2日現在のシリア国内での感染者数は計38,489人、うち死亡したのは1,564人、回復したのは2,562人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性4人、女性3人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市1人、カーミシュリー市1人、マーリキーヤ(ダイリーク)市1人、ラッカ県のラッカ市1人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1803847189805210

AFP, March 7, 2022、ACU, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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