ウクライナでの戦闘でシリア軍士官1人が志望したとの情報はフェイクニュース(2022年3月12日)

トルコで活動する反体制系NGOのタアッカドは、ウクライナ東部のドネツク市近郊での戦闘で、シリア軍の士官1人が死亡したとの情報がSNSやニュース・サイトで拡散されているとしたうえで、この情報がフェイクだと見方を示した。

ニュースは、メディア活動家のラフィーク・ルトフ氏がフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/Rafeql0utf/)を通じて発信したもので、反体制系サイトのカシオン通信がフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/QasiounAr/)などを通じて拡散した(この記事はその後削除)。

 

 

https://www.facebook.com/Rafeql0utf/posts/5511793232182523

しかし、タアッカドが調査した結果、公開された写真に映っているのは、ミクダード・フサイン・ハリールという名の中尉で、2015年10月15日に反体制派との戦闘で死亡した人物であることが判明した。

https://www.facebook.com/526623650791721/photos/a.527095967411156/846213102166106/?type=3

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:バアス大隊がウクライナでの戦闘への参加を希望する反体制武装集団元戦闘員や兵役を終えたシリア軍元兵士を勧誘(2022年3月12日)

シリア人権監視団は、複数筋から得た情報として、民兵組織の一つバアス大隊や、2018年にロシアの監督のもとにダマスカス県南方、ダマスカス郊外県東グータ地方などシリア政府との和解に応じた反体制武装集団の元司令官らが、ロシア軍とともに戦闘に参加するために、ウクライナに赴くよう、反体制武装集団の元戦闘員や兵役を終えたシリア軍の元兵士らを公然と勧誘していると発表した。

勧誘が行われているのは、ダマスカス県南方のバービッラー市、バイト・サフム市、東グータ地方のアイン・タルマー村、カフルバトナー町、ザマルカー町。

バアス大隊のメンバーらは、ウクライナに赴けば1,500~2,000米ドルの報酬が得られると宣伝し、希望者に対して、大隊の事務所、あるいは軍事情報局の代表者らに氏名を登録するよう呼び掛けている。

現在のところ、手続きは氏名の登録に限定されているが、政府支配地域における貧困を逃れようと多くの若者が登録を行っているという。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県マアーッラト・ナアサーン村一帯を砲撃(2022年3月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍国境警備隊がヒルバト・ジャウズ村方面からトルコ領内に密入国を試みたクーリーン村出身の19歳の若者を狙撃し殺害した。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がラッカ県アイン・イーサー市近郊のヒーシャ村を砲撃し、子供3人負傷(2022年3月12日)

ラッカ県では、ANHA(3月12日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のヒーシャ村を砲撃し、子供3人が負傷した。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

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スプートニク通信:シャーム解放機構支配下のイドリブ県アリーハー市に、猛毒ガス物質が持ち込まれ、改造ロケット弾7発の弾頭に装填される(2022年3月12日)

スプートニク通信(アラビア語版、3月12日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の支配下にあるイドリブ県アリーハー市にある同機構の本部の一つに、猛毒ガス物質が10日夜から11日未明にかけて持ち込まれ、改造ロケット弾7発の弾頭に装填された、と伝えた。

複数の独自筋によると、猛毒ガス物質は、トルコ国境に近いサルマダー市から三つのルートを経由して搬入され、その後、アリーハー市内の本部に併設されている保管庫でロケット弾に装填されたという。

また、猛毒ガス物質は、サルマダー市南西の農場で、フランス人とベルギー人の開発者が受け取り、同地でロケット弾に装填された。

猛毒ガス物資が何なのかは不明だが、塩素ガス、ないしはサリン・ガスである可能性が高く、今週になってトルコ領内から商用ルートを経由して持ち込まれたものと見られる。

ロケット弾の移送は、シャーム解放機構の司令官1人の監督のもと、飼料などに隠して農業用トラクターで行われたという。

また、アリーハー市への移送は、ロシア軍偵察機の監視の目をかいくぐるため、大雪に乗じて夜間に行われた。

改造ミサイルは近く、シリア軍による民間人への攻撃を偽装するために使用されるものと見られる。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022、Sputnik News, March 12, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、アレッポ県で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年3月12日)

SANA(3月12日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市スポーツ・サロン、アレッポ県ダイル・ハーフィル市、タッル・アラン町に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、ラッカ県、アレッポ県で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年3月13日)

SANA(3月13日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市スポーツ・サロン、ラッカ県のサブハ町、アレッポ県ダイル・ハーフィル市、タッル・アラン町に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられ、数十人が新たに手続きを済ませた。

AFP, March 13, 2022、ANHA, March 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2022、Reuters, March 13, 2022、SANA, March 13, 2022、SOHR, March 13, 2022などをもとに作成。

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タンクローリーなど24輌からなる米軍の車列がシリア国内で産出された石油をイラク領内に持ち出す(2022年3月12日)

ハサカ県では、SANA(3月12日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、タンクローリーなど24輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由して、シリア国内で産出された石油をイラク領内に持ち出した。

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また、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市南部郊外のハムダーニーヤ村、ハリーリー村、ラシーディーヤ村、ガルブ村、アッターラ村、アリーシャ村を強襲し、複数の住居を強制捜査、多数の住民を拘束、連行した。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)はまた、シャッダーディー市一帯でも強制捜査を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる40人余りを拘束した。

 

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さらに、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプでは、米軍のヘリコプターの航空支援を受けて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュのスリーパーセルを捜索するため強制捜査を実施した。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で41人(2022年3月12日)

保健省は政府支配地域で新たに41人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者418人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、3月12日現在のシリア国内での感染者数は計55,329人、うち死亡したのは3,114人、回復したのは49,569人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/266666102308040

AFP, March 12, 2022、ACU, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

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