マッケンジー米中央軍(CENTCOM)司令官:「米軍がどのくらいシリアにとどまるか分からない」、「ロシアにシリアでの状況を悪化させようとする計画がある証拠はない」(2022年3月18日)

ケネス・マッケンジー米中央軍(CENTCOM)司令官は記者会見で、シリア領内に違法駐留を続けている米軍部隊に関して「どのくらいシリアにとどまるか分からない」と述べた。

マッケンジー司令官は「私には分からない。最終的に、それは、現地の情勢に基づいて、米国の国家指導部の政策決定によってなされるだろう…。人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を支援してダーイシュ(イスラーム国)を完全に敗北させることが米国の主たる任務だ」と述べた。

一方、シリア情勢をめぐるロシアとの関係については、米国がウクライナを支援していることに対抗して、ロシアにシリアでの状況を悪化させようとする計画がある証拠はないとの見方を示した。

マッケンジー司令官は「彼らにはそうした計画がおそらくあると思う。ただ、そう思っているだけで、そうすることを選ぶかは分からない…。ロシアがイラクやシリアの事態を悪化させる意志があるという証拠はない。だが、もちろん、我々はそのような事態が発生した場合に備えて準備している」と述べた。

アナトリア通信(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2022、Anadolu Ajansı, March 19, 2022、ANHA, March 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2022、Reuters, March 19, 2022、SANA, March 19, 2022、SOHR, March 19, 2022などをもとに作成。

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プライス米国務省報道官はアサド大統領によるUAEへの電撃訪問に関して「深く失望し、当惑している」と表明(2022年3月18日)

ネッド・プライス米国務省報道官は、アサド大統領によるUAEへの電撃訪問に関して、「バッシャール・アサドをあからさまに正当化しようとする試みに深く失望し、当惑している。彼は無数のシリア人を殺し、苦しめ、戦前のシリアの人口の半数以上を追放し、15万人以上のシリア人の男性、女性、子供たちを恣意的拘禁と失踪の責任を負っている」と述べた。

AP(3月18日付)が伝えた。

AFP, March 19, 2022、ANHA, March 19, 2022、AP, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2022、Reuters, March 19, 2022、SANA, March 19, 2022、SOHR, March 19, 2022などをもとに作成。

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アサド大統領がUAEを電撃訪問、ムハンマド・ビン・ラーシド副大統領、ムハンマド・ビン・ザーイド・アブダビ皇太子と会談(2022年3月18日)

アサド大統領はUAE(アラブ首長国連邦)を電撃訪問した。

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アサド大統領一行は、ドバイ国際空港でマンスール・ビン・ザーイド副首相の出迎えを受けた後、ドバイのマルムーム地区にあるムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥームUAE副大統領兼首相(ドバイ首長国首長)と別荘を訪問した。

会談で、ムハンマド・ビン・ラーシド副大統領は、シリアUAEの友好関係の一環として実現したアサド大統領一行の訪問に歓迎の意を表し、シリアとその国民に対して全土での治安と安定の回復への願いを伝えた。

会談では、二国間関係全般、経済、投資、通商などにおける二国間協力拡大の展望について意見が交わされた。

会談には、UAE側から、ハムダーン・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム・ドバイ首長国皇太子、マクトゥーム・ビン・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム・ドバイ首長国副首長兼副首相兼財務大臣、マンスール・ビン・ザーイド・ビン・アール・ナヒヤーンUAE副首相兼大統領府担当国務大臣、ムハンマド・ビン・アブドゥッラー・カルカーウィー内閣担当国務大臣、アンワル・ビン・ムハンマド・カルカーシュUAE大統領外交顧問、アリー・ビン・ハマード・シャーミスィー国家安全保障最高評議会事務副長、タラール・ハミード・バールフール・フラースィー・ドバイ首長国国家安全機構総局長が、シリア側から、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、マンスール・アッザーム大統領府担当国務大臣、バッシャール・ジャアファリー外務在外居住者副大臣が同席した。

https://youtu.be/Weh_VsSC3yE



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アサド大統領は続いてアブダビに移動し、カスル・シャーティウ(海岸宮殿)でUAE軍副司令官のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン・アブダビ首長国皇太子と会談した。

会談では、ムハンマド・ビン・ザーイド皇太子が、アサド大統領の公式訪問について、両国がさまざまな分野で友好的な協議と連携を続けたいという共通の思いのなかで実現したとしたうえで、シリアがアラブ安全保障の主柱をなしており、それゆえにシリアの領土の一体性と安定に対するUAEの支持の姿勢は確固たるものだと述べた。

ムハンマド・ビン・ザーイド皇太子はまた、シリア領内に違法に駐留するすべての外国部隊が撤退する必要があると強調、UAEが両国民の期待を実現するためにさまざまな分野でシリアとの協力を強化したいと表明した。

これに対して、アサド大統領は、UAEは国際社会における諸問題に対して行ってきたバランスのとれた政策ゆえに、重要な役割を果たす国家だと評価、世界が長期的に見て不安定化への道を進むなか、中東地域を防衛するために、自らの原理原則、主権、国民の利益を守り続けなければならないと強調した。

アサド大統領とムハンマド・ビン・ザーイド皇太子は、両国の互恵的な利益を実現し、地域の安全保障と安定の強化に貢献するための、両国の協力関係や連携のありようを協議するとともに、両国にとっての関心事である中東および国際社会の問題や情勢変化に対する見方や姿勢について意見を交わした。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、マンスール・アッザーム大統領府担当国務大臣、バッシャール・ジャアファリー外務在外居住者副大臣が同席した。

https://youtu.be/wL1QWcz0Qfk



SANA(3月18日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/335682685264718

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/335786025254384

AFP, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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政府支配地、反体制派支配地、トルコ占領地、北・東シリア自治局支配地で体制打倒を求めるデモ:トルコ占領地でのデモでは参加した武装集団どうしが撃ち合いに(2022年3月18日)

ダルアー県では、シリア政府の支配下にあるダルアー市ダルアー・バラド地区、タファス市、ブスラー・シャーム市で「シリア革命」(2011年3月11日)開始後に軍の発砲で最初の犠牲者(若者2人)が出たとされる2011年3月18日から11年が経ったのに合わせて抗議デモが行われ、体制打倒、自由と正義の実現、逮捕者の釈放を訴えた。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332558703877417

https://www.facebook.com/watch/?v=294547052795327

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332595490540405

一方、東カラク村では、住民1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるガラーニージュ市、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるシュハイル村、アブリーハ村で同様の抗議デモが行われた。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332657443867543

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るカフルタハーリーム町、ダーナー市、サルマダー市、イドリブ市でも同様の抗議デモが行われた。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332604310539523

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332627647203856

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332656383867649

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332679830531971

一方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村、フライフィル村、ファッティーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団やMMC(3月18日付)によると、トルコの占領下にあるマーリア市、バーブ市、アターリブ市で同様の抗議デモが行われた。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332574373875850

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332632430536711

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332857147180906

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332743723858915

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332648510535103

このうちマーリア市でのデモには、トルコのイスタンブルに拠点を置くシリア革命反体制勢力国民連立の代表ら、同連立の傘下組織でトルコのガジアンテップに拠点を置く暫定内閣幹部、さらにはシリア国民軍所属組織の司令官らが参加した。

だが、デモの最中、シリア国民軍所属組織の司令官に同行していた護衛どうしが口論の末に撃ち合いとなり、司令官らが現場から避難した。

撃ち合いとなったのは、ハムザ師団のサイフ・アブー・バクル司令官に同行していた護衛とシャーム戦線のアブー・アフマド・ヌール司令官に同行していた護衛。

シャーム戦線のヌール司令官が演説で、参列している司令官らの名前を読み上げた際、アブー・バクル司令官の名前を読み飛ばしたことに腹を立てたハムザ師団側の護衛がシャーム戦線側の護衛に詰め寄り、口論の末、撃ち合いとなったという。

なお、マーリア市のデモには、このほかにもムウタスィム旅団のアブー・アッバース司令官、暫定内閣のアブドゥー・ムスタファー首班、シリア革命反体制勢力国民連立のサーリム・ムスラト代表、暫定内閣のアブドゥルハキーム・ミスリー経済大臣らが参加した。

AFP, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、MMC, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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レバノンのベカーア県ヘルメル郡にシリアとを結ぶ新たな国境通行所開設(2022年3月18日)

レバノンのアリー・ハミーヤ公共事業運輸大臣(ヒズブッラー指名Iはシリアとの国境に新たな通行所を設置したと発表した。

新たな国境通行所は、ベカーア県ヘルメル郡のマトリバ村とシリアのヒムス県を結ぶもので、出入国の円滑化と混雑緩和が期待される。

マヤーディーン(3月18日付)などが伝えた

AFP, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、Qanat al-Mayadin, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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米占領地内にあるルクバーン・キャンプのIDPsが生活難を逃れて政府支配地に(2022年3月18日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米国の占領下にあるタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内で孤立しているルクバーン・キャンプに身を寄せていた国内避難民(IDPs)4世帯が生活難を逃れるために、政府支配地に脱出した。

一方、アイン・フラート(3月18日付)によると、55キロ地帯一帯にシリア軍が設置している監視拠点の近くで17日晩、シリア軍の車輌2輌がダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装グループの要撃を受け、複数の兵士が死傷した。

 

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプで火災が発生し、子供1人が死亡、3人が火傷を負った。

AFP, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、‘Ayn al-Furat, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県北部を砲撃(2022年3月18日)

ハサカ県では、SANA(3月18日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のヒルバト・シャイール村、クブール・ガラージナ村、アッブーシュ村、タッル・タムル町近郊の村々を砲撃した。

AFP, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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カーミシュリー市近郊のラヒーヤト・サウダ村とターミナト・ラヒーヤ村の住民が米軍装甲車の進行を阻止(2022年3月18日)

ハサカ県では、SANA(3月18日付)、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市近郊のラヒーヤト・サウダ村とターミナト・ラヒーヤ村の住民がシリア軍とともに、村を通過してカーミシュリー市に向かおうとした米軍装甲車の車列の進行を阻止、これを退却させた。

AFP, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で26人、北・東シリア自治局支配地域で2人(2022年3月18日)

保健省は政府支配地域で新たに26人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者278人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、3月18日現在のシリア国内での感染者数は計55,514人、うち死亡したのは3,124人、回復したのは50,846人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/270801211894529

 

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が完治したと発表した。

これにより、3月18日現在のシリア国内での感染者数は計38,539人、うち死亡したのは1,567人、回復したのは2,565人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性1人、女性1人。

また地域の内訳は、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市1人、マンビジュ市1人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1811815012341761

AFP, March 18, 2022、ACU, March 18, 2022、ANHA, March 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2022、Reuters, March 18, 2022、SANA, March 18, 2022、SOHR, March 18, 2022などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県、トルコ占領下のアレッポ県北部で「シリア革命」11周年を祝うデモ(2022年3月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るタルマーニーン村、サルキーン市、ジスル・シュグール市で「シリア革命」11周年(3月15日)を祝うデモを行い、体制打倒、領土の一体性、国民統合を訴えた。

デモ参加者はまた、体制打倒なくして避難民の帰還、殺戮停止はないと主唱した。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1331956817270939

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1332145887252032

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アレッポ県では、MMC(3月17日付)によると、トルコの占領下にあるスーラーン(スーラーン・アアザーズ)町、アターリブ市でも同様のデモが行われた。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1331438647322756

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1331388903994397

 

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市で市議会議長が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

AFP, March 17, 2022、ANHA, March 17, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2022、MMC, March 17, 2022、Reuters, March 17, 2022、SANA, March 17, 2022、SOHR, March 17, 2022などをもとに作成。

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