G7外務大臣会合共同声明はシリア情勢についても言及(2023年4月18日)

G7外務大臣会合が4月16日~18日に長野県軽井沢町で開催され、最終日の18日に共同声明が発表された。

共同声明では、シリア情勢に関して以下のような姿勢が示された。

シリアにおいて、我々は引き続き、国連安保理決議第2254号と整合的な、包摂的で国連が仲介する政治プロセスに強くコミットしている。我々は、国際社会が国連特使を引き続き支援する必要性を強調する。我々は、国連安保理決議第2254号に沿った政治的解決に向けた真正かつ揺るぎない進展があった後にのみ、国際社会は復興支援を検討できることを改めて表明する。我々は、シリアの人々に対する進行中の残虐行為を非難する。我々は、化学兵器の使用並びに適用可能な国際人道法及び国際人権法を含む国際法の違反に責任がある者の責任を追及することに強くコミットしている。我々は、シリア政府に対し、国連安保理決議第2118号の下での義務を遵守するよう引き続き強く求める。我々はまた、適切な場合には、早期復旧支援を含むあらゆる必要な手段を通じてシリアの人々を支援するという、我々の継続的なコミットメントを確認する。我々は、特に範囲や規模において代替の無い国連によるクロスボーダー支援を通じ、支援を必要とする全てのシリア人への完全で妨げられない人道アクセスを求める。

我々は、恐ろしい2月の地震の被害を受けたトルコ及びシリアの人々と連帯するとともに、この大災害が及ぼした影響に取り組む我々の支援を引き続き行う計画である。人道支援はまた、それを必要とするすべての人々に、安全で、妨げられることなく、可能な限り効率的に届けられることが極めて重要である。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアのファイサル外務大臣がシリアを公式訪問し、アサド大統領と会談(2023年4月18日)

サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン・ビン・アブドゥッラー外務大臣がシリアを公式訪問し、アサド大統領と会談し、二国間関係、アラブ世界、国際社会の政治問題について意見を交わした。

https://youtu.be/s47dWasDHmc




https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/pfbid0jz5NdqG2vXYCz4m3nBuGrTMqSP7M4w8QUWgn1vy3f3JeMoLURaBYWtFgAf3tmkkRl

サウジアラビアの閣僚がシリアを訪問するのは、2011年3月に「アラブの春」が波及し、同年11月にシリアがアラブ連盟の加盟資格一時停止処分を受けて以降初めて。

ファイサル外務大臣は、シリア国民のさらなる安全と安定に対するサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・スウード国王、ムハンマド・ビン・サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・スウード首相(皇太子)の願いを伝えた。

これに対して、アサド大統領は、サルマーン国王、ムハンマド皇太子への挨拶の言葉を伝えるとともに、アラブ人を団結させる同胞意識は、アラブ諸国の絆をもっとも深く表す深淵なものだと強調した。

また、シリアとサウジアラビアの関係が健全であることは、あるべき自然な状態で、その関係は両国の長年にわたる歴史的なかかわりの深さに基づいており、両国だけでなく、アラブ諸国、中東地域の利益につながると述べた。

そのうえで、アラブの友愛的な役割がシリア国民を支援し、シリアに対する戦争によるあらゆる影響を乗り越え、事態を安定化させ、シリアの全領土を開放するうえで必要だと付言した。

アサド大統領は、国際情勢の変化のなかで、さまざまな分野でアラブ人民の利益を増進させるため、アラブ諸国間の協力をこれまで以上に必要なものとなっているとの見方を示した。

SANA(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

チュニジアを訪問中のミクダード外務在外居住者大臣はサイード大統領、アンマール外務在外居住者大臣と個別に会談(2023年4月18日)

チュニジアを訪問中のファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、カイス・サイード大統領、ナビール・アンマール外務在外居住者大臣と個別に会談した。

サイード大統領との会談で、ミクダード外務在外居住者大臣は、トルコ・シリア大地震に際してのチュニジアの指導部、政府、国民からの支援について、シリア、チュニジア両国民の深淵な絆を反映しているとするアサド大統領の謝意、イード・アル=フィトルの祝辞を伝えた。

ミクダード外務在外居住者大臣はまた、二国間関係の回復と、シリアでの「テロとの戦い」におけるチュニジアの支援と支持の姿勢に安堵と感謝の意を示すとともに、両国関係の強化が両国およびその国民の利益にとって重要だと強調した。

さらに、シリアとアラブ諸国、友好国との連絡の成果、すべてのアラブ諸国がその正当な大義を防衛するために努力を結集することが重要だとするアサド大統領の姿勢を説明、現下のシリアにとってもっとも基本的な関心が、アラブ諸国の取り組みの統合とアラブ諸国関係の改善を通じて、その大義を維持し、内政干渉を拒否することになると述べた。

これに対して、サイード大統領は、両国間の発展、シリアのさらなる発展と反映を願うとともに、シリアでの「テロとの戦い」の成果に言及、シリア情勢の進捗やシリアとアラブ諸国の緊張緩和に安堵の意を示した。

また、アラブ諸国が直面する課題に対処するうえで立場を統一することが重要だと述べるとともに、チュニジアが、すべてのアラブ諸国の主権、独立の防衛、アラブ諸国間関係の修復を支持していると表明した。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/pfbid0WX7amKWaK5YGrFgk1mrSEbusgYxc4tzjXCXhazSjCJVQBGJ6MeM1EZdnxyZEEkmzl

アンマ―ル外務大臣との会談では、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣に同行した使節団との拡大会合の後、共同声明が発表された。

共同声明では、以下の点が確認された。

  • 両国共通の関心事であるさまざまな二国間の問題についての協議と連携を強化するため、両国間の連絡を密に行うこと。
  • 両国経済関係の再開に取り組むこと。
  • 領事、人道分野での協力を強化し、合同領事委員会を早急に発足させること。
  • 治安分野での協力、とりわけテロ、組織犯罪、人身売買撲滅において協力を強化すること。
  • シリアのアラブ世界への復帰とアラブ連盟における役割の回復を支持するチュニジアの姿勢を確認し、シリアの安全と安定が地域全体の安全と安定を支えることを強調。
  • イスラエルによるシリア領内への再三にわたる侵害行為に関して、チュニジアがシリアと全面的に連隊し、ゴラン高原回復という合法的な権利と占領地への全土における主権回復を支持すること。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/pfbid02b5wx2oUz26468WicWzwsXKn76pnB1jBHLn5hxnUxzSYpdoP1RPA4L6qy7RdFFtvFl

**

SANA(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2023年4月18日)

ラッカ県では、ANHA(4月18日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のジャフバル村、タイバ村、ディブス村、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局はシリア危機解決に向けた9つのイニシアチブを発表(2023年4月18日)

北・東シリア自治局は世論向け声明を出し、シリア危機解決に向けた9つのイニシアチブを発表した。

「シリア危機解決に向けた自治局のイニシアチブ」と題された声明は、アブドゥルハーミド・マフバーシュ執行評議会共同議長がラッカ県のラッカ市にある執行評議会ビルの前で読み上げた。

 

声明では、シリア危機が解決に至らない主な理由として、(1)シリア危機への正しい分析と診断が欠如していたこと、(2)平和的・民主的な解決プログラムが案出されなかったこと、(3)シリアのすべての活動的な勢力が対話プロセスにに参加せず、外から押し付けられた解決策に固執してきたこと、という3つを上げたうえで、危機解決に向けて、以下9つのイニシアチブを提起した。

  1. 北・東シリア自治局は、シリアの領土の一体性と、国家統合の枠組みのなかでのみ問題解決が可能であることを確認し、シリア政府およびすべての政治的当事者と協議し、危機の解決に向けたイニシアチブを示し、解決策を見つけ出すため、会合と対話の用意がある。
  2. 民主的・社会的政策の欠如、シリアを構成する諸社会集団の特殊性や権利への承認欠如が危機の根本にあること、そしてすべての社会集団(宗派、集団)には特殊性、市民権、平等権があり、受容・尊重されるべき国民的共通性と特殊性が国民的な調和(ナスィージュ)を豊かなものにすることを踏まえ、シリア社会を構成するすべてのエスニック(アラブ人、クルド人、アッシリア人)・宗教集団の合法的権利を承認し、その集団としての権利を保護し、民主的価値やしくみを発展させ、民主的・多元的・分権的な行政体制を樹立するという信念のもとに、すべて集団が共有できる民主的解決策に至らねばならない。
  3. 北・東シリア地域において採用されている民主体制の試みによって、同地の諸人民が安全と安定のもと、それぞれの権利と自由を享受していることから、すべての人民は自治局を通じて自らの問題を解決できることが立証されており、女性の自由、環境保護などに基づいて、同地において採用されている社会民主的・環境的なモデルがシリア危機の解決にいたる基礎をなしていると信じている。
  4. 北・東シリア地域を含むシリア全域の経済的な資源(石油、ガス、農産物など)は公正に配分されねならず、シリア政府との対話や交渉を通じてすべての資源を共有する必要を再確認する。また、住民の基本的ニーズに対応するため、ヤアルビーヤ(ハサカ県)国境通行所を始めとする通行所をシリア政府の責任のもとに再開するべきである。
  5. シリアのすべての社会集団の難民、国内避難民(IDPs)が直面する問題や脅威を軽減、解消するため、自治局は彼らを受け入れる用意がある。
  6. ダーイシュ(イスラーム国)やその姉妹組織等に対する「テロとの戦い」を行い、シリア、地域、そして全世界からその脅威を排除する闘争や取り組みは続いており、北・東シリア自治局は世界に代わってこれらの組織を排除するための責任と犠牲を担っている。
  7. トルコ政府はシリアにおける危機を深刻化させ、その敵対的な行為は、地域の人口動態の改悪を目的としており、それによる人道的な悲劇、権利の侵害に沈黙することはできない。
  8. シリア危機の民主的平和的解決を進展させるため、アラブ諸国、国連、そしてシリアの問題にかかわるすべての外国勢力に、シリア政府、北・東シリア自治局、そして愛国的民主勢力が共有し得る解決策を探すのに資するための積極的で実効的な役割を果たすことを求める。
  9. シリアの統合と平和の枠組みのなかで危機を解決し、政治的解決策を発展・実施し、シリアの未来を築き、シリア国民の利益を守るため、北・東シリア自治局は、対話と未来に向けた合意に基づいて、すべての当時者に合理的な解決策を提起する明確は方法を持っている。このイニシアチブを愛国的な基礎のもとで提起し、みなにその参加と貢献を呼びかける。これは国連安保理決議第2254号をはじめとする諸決議と矛盾していない。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国連からの支援物資を積んだ貨物車輌26輌がバーブ・ハワー国境通行所を経由して、シャーム解放機構の支配地に入る(2023年4月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、国連からの支援物資を積んだ貨物車輌26輌が、バーブ・ハワー国境通行所を経由して、シャーム解放機構の支配地に入った。

支援物資は穀物約350トン、テント1500張強など。

これにより、トルコ・シリア大地震発生以降にトルコからバーブ・ハワー国境通行所を経由してシャーム解放機構の支配地に入った車輌の数は803輌、バーブ・サラーマ国境通行所、ラーイー村北の通行所、ハマーム村西の通行所(いずれもアレッポ県)を経由してトルコ占領地に入った車輌は308輌、合計で1111輌となった。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、アレッポ県でのシリア軍とシャーム解放機構の戦闘で、シリア軍兵士2人死亡(2023年4月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードがシリア政府の支配下にあるミラージャ村近郊でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

また、シャーム解放機構はシリア政府の支配下にあるジャッラーダ村一帯を砲撃した。

一方、シリア軍はシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、マアッルバリート村、マジュダリヤー村を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるカフルタアール村、カフル・アンマ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構がアウラム・クブラー町一帯を砲撃し、シリア軍兵士1人が死亡した。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クウェート外務省はサーリム外務大臣が近くシリアを公式訪問するとの一部報道を否定(2023年4月18日)

クウェート外務省はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/MOFAKuwait/)などを通じて声明を出し、サーリム・アブドゥッラー・ジャービル・スバーフ外務大臣が近くシリアの首都ダマスカスを公式訪問するとの一部報道を否定した。

https://twitter.com/MOFAKuwait/status/1648314241940635648

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国境なき医師団の支援物資を積んだ貨物機がダマスカス国際空港に到着(2023年4月18日)

国境なき医師団の支援物資を積んだ貨物機1機がダマスカス国際空港に到着した、と伝えた。

物資は、トルコ・シリア大地震の被災者を支援するためのもので、医療物資、救援物資、子供用のミルクなど約40トンからなり、ケニアからのアストラル・アビエーション(本社ナイロビ)の貨物機に積まれて、シリアに移送された。

シリア・アラブ赤新月社のハーリド・ハブーバーティー総裁によると、国境なき医師団からの物資提供は、地震発生以降で2回目だという。


**

シリア開発信託は、アレッポ県、ラタキア県、ハマー県、タルトゥース県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県で、トルコ・シリア大地震の被災者に対して食料パック5万個以上を配給した。

**

『アル=ワタン』オンライン版(アルワタン・オンライン、4月18日付)、SANA(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2023、ANHA, April 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2023、Alwatanonline, April 18, 2023、Reuters, April 18, 2023、SANA, April 18, 2023、SOHR, April 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.