ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使はRIAノーヴォスチ(6月22日付)のインタビューに応じ、20日と21日にカザフスタンの首都アスタナで開催されたアスタナ20会議(ロシア、シリア、トルコ、イラン外務副大臣級会合)について、シリア、トルコ、イランは、ロシアが提示したシリアとトルコの関係正常化にかかる行程表(ロードマップ)の概念について概ね同意しており、ロシアから草案を受け取っていると述べた。
ラヴレンティフ特使は以下の通り述べた。
関係正常化プロセスを進めるためのロードマップの概念については、すべての当事者がおおむね同意し、意見や提案を表明した。今後はこれを体系化して調整する必要がある。
もっとも重要なのは、このプロセスが前進しているということだ。これは進歩的なプロセスだ。遅らせることはできない。この点についてみなが同意した。
4ヵ国外務大臣会談の後、ロシア側は更なる承認に向けて草案の作成に着手し…、草案は利害関係者に手渡された。トルコ、ダマスカス、イラン側はそれを持っている。
ロードマップを策定するという構想自体は採用されている。だが、それ(ロードマップ)は、ロシア側が提案した当初の草案とは異なるものになる可能性がある。
一方、国連主催による制憲委員会に関して、スイスのジュネーブの開催地は「消滅」しつつあると述べた。
ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使は、ロジ面での困難に加えて、ロシアに対する西側諸国の制裁によって、ジュネーブでのロシアの活動が制限されていることが理由だと指摘、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表もそのことに同意していると付言した。
また、カザフスタンのカナト・トゥミシュ外務副大臣が21日にアスタナ会議を今次ラウンド(アスタナ20会議)をもって最終ラウンドとすることを提案したことについては、次回(以降の)ラウンドがアスタナ以外の場所で開催されることが真意だとしてうえで、カザフスタン側の政治的意図については詮索しないと述べた。
このほか、シリアに違法に駐留を続ける米軍について以下の通り述べた。
米国がシリア北東部と、長らく違法占領を続けているタンフ(国境通行所一帯地域)で部隊を増援しているとの情報がある。
この措置はおそらくはダマスカスに対する米国の強硬姿勢から来るもので、ワシントンはシリアの安定を揺るがそうとしているのだろう。
AFP, June 22, 2023、ANHA, June 22, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 22, 2023、Reuters, June 22, 2023、RIA Novosti, June 22, 2023、SANA, June 22, 2023、SOHR, June 22, 2023などをもとに作成。
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