トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのソチでのヴラジーミル・プーチン大統領との首脳会談を終え、帰国する機内で記者団の取材に応じ、そのなかでダイル・ザウル軍事評議会とアラブ系部族の蜂起について「愛国的行為」と評価、彼らがダイル・ザウル県の土地の真の所有者だとしたうえで、クルディスタン労働者党(PKK)、民主統一党(PYD)、人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍にこれらの土地を保有する権利はないと非難した。
エルドアン大統領は、「テロリスト(PKK、PYD、YPG、シリア民主軍のこと)は、シリア東部のダイル・ザウル県の石油を支配するため、虐殺が行われないままにはしないだろう」、「トルコはこの問題にかかわっている関係国に必要な警告を行った」と述べた。
ダイル・ザウル軍事評議会とアラブ系部族の蜂起について、プーチン大統領と意見を交わしたかとの問いに対しては、アラブ系部族がPKKとYPGに対して一致団結しているとだけ手短に話したと答えたうえで、米国がテロ組織に供与した武器がこの地域の流血、イラクとシリアの領土保全を反故にするために用いられていると非難した。
一方、シリア政府との関係については、現地の現状に即して行動すべきだとしたうえで、「アサド体制は(シリアとトルコの関係正常化に関して)トルコ、イラン、ロシアが定めた枠内で講じられている措置を後追いしている」と指摘、現実の流れに害をもたらすような振る舞いをしないことが重要だと強調した。
アナトリア通信(9月5日付)、イェニ・シャファク(9月5日付)が伝えた。
AFP, September 5, 2023、Anadolu Ajansı, September 5, 2023、ANHA, September 5, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2023、‘Inab Baladi, September 5, 2023、Reuters, September 5, 2023、SANA, September 5, 2023、SOHR, September 5, 2023、Yeni Safak, September 5, 2023などをもとに作成。
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