バアス党中央指導部書記長を務めるアサド大統領は党の思想家、学術関係者らとの対話会合に出席(2024年2月22日)

バアス党中央指導部書記長を務めるアサド大統領は、党の思想家、学術関係者らと会談し、シリアの将来におけるバアス党の政治、国民、経済、社会といったレベルでの役割、党のイデオロギーと活動の間に存在する乖離、現在実施されている党選挙、バアス党員が党の体制内において臨む変革について対話を行った。



対話は、国民、党、そして思想やアイデンティティにかかわるテーマから始められ、変革に必要な包括的ヴィジョン、深淵な対話を通じたヴィジョンの構築、さらには統合的なヴィジョンの一環をなすことがなければ価値を持ち得ない措置とはどのようなものかなどが主に議論された。

出席者は、「現在実施されている党の選挙が抜本的改革、あるいは人材の一新を経なければ実施し得ないものなのか?」といった問いを提起、アサド大統領に選挙の成功を図る基準としては何があるか、どの段階でバアス党の選挙が政治・思想的に成功したと言うことができるのかを質問した。

これに対して、アサド大統領は以下のように答えた。

選挙においてもっとも重要なのが当選者の名前ではなく、より広範な参加をもたらし得るかにある。つまり、そうすることで、選挙結果は大多数の決意や希望を反映することになる。これが選挙の本質だ。
選挙に参加するという目的は達成された。より重要なのは、我々が選挙の経験を今度どのように反映させるかにある。
我々は、現状を鑑みても優れた選挙制度を確立できた。我々は選挙の参加を実現した。一方、選挙の経験は、一連の発展プロセスの一部に過ぎない。そこでの成功は多くの基準に関わっており、そのなかには、大多数の意見を表すような参加がどの程度後半に行われたのかといった点もある。今日党内で行われているこの対話も選挙プロセスの成功を示す基準の一つだ。

これに対して、一部の出席者からは、党内の構造が上意下達に限定されており、支持基盤や所属党員への対応という点で欠陥があるとの評価する者もいた。

アサド大統領はこうした評価に同意しつつ、党のすべてのレベルの間での対話を通じて、決定事項を共有し、それによって大多数を代表する全体の意見を作り出すべきだと提案、活力ある党は量ではなく質を追求し、党員増だけでなく、支持基盤の拡大にも関心を持つものだと指摘した。

また、党と政権の関係について議論が映ると、アサド大統領は以下の通り述べた。

党と行政府との関係は、党が与党として策定する政策や方針によって定めら、政府がこうした政策の実施に責任を負う。党の包括的ヴィジョンを作り出すことは、党の思想、活動の仕組み、組織構造を作り出すことでもあり、党が行政府そのものへの関与を回避し、政策を策定し、政策実施を監督する役割に集中することで、より良い結果がもたらされてきた。

対話では、アイデンティティを標的とした闘いのなかで、党がこれをどのように守るためにどのような役割を果たすのか、西側が自らのソフトパワーを通じて確立しようとしているリベラリズムや思想的覇権主義などシリア社会の課題にどう対処するのかなどが議論された。

SANA(2月22日付)が伝えた。



AFP, February 22, 2024、ANHA, February 22, 2024、‘Inab Baladi, February 22, 2024、Reuters, February 22, 2024、SANA, February 22, 2024、SOHR, February 22, 2024などをもとに作成。

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