米国家安全保障会議のケイトリン・ヘイデン報道官は、バラク・オバマ政権がシリアの「穏健」な反体制勢力への教練や装備供与のため、5億ドル規模の支援に乗り出す方針を明らかにし、米議会に予算の承認を求めていると述べた。
具体的な装備供与の内容については明らかにはしなかった。
オバマ大統領は5月の外交演説で、レバノン、ヨルダン、トルコ、イラクでの「テロとの戦い」を支援するための50億ドルの基金を設立すると表明し、シリアの「穏健」な反体制勢力への軍事支援はこのなかから支出される。
ヘイデン報道官は「危機の軍事的解決はない。ワシントンは戦闘地域に米軍を派遣しない…。(「穏健」な反体制勢力への軍事支援は)シリア人が、政権の攻撃から身を守り、混乱のなかに安住の地を見出しているイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のような組織を退けるための支援に向けた措置」と述べた。
しかし、オバマ大統領はカナダのCBS(6月21日付、http://www.cbsnews.com/news/obama-notion-that-syrian-opposition-could-overthrow-assad-a-fantasy/)のインタビューで、シリア情勢に関してアサド政権を倒すことができる「穏健な反体制派」は存在しないとしたうえで、彼らへの武器供与の可能性が「幻想」だ述べていた。
また米国が「穏健な」反体制武装集団として想定している自由シリア軍参謀委員会は、6月に前線司令官9人が共同声明を出し、辞任すると発表、またダーイシュのイラクでの攻勢を受けて、東部戦線(ダイル・ザウル県)元司令官らがダーイシュと共闘、ダイル・ザウル県の軍事評議会もダーイシュに「忠誠」を近い、「穏健」ではなくなっている。
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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班は深夜(26日)、「首班権限と公共の利益に基づき、組織上の理由により」、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)の解散とバシール・アブドゥルイラーフ参謀長の解任を発表した。
トゥウマ首班はまた「シリア国内で活動するすべての革命勢力に対して、1ヶ月以内に軍事防衛評議会の結成と参謀委員会の包括的再編」を行うよう要請した。
またトゥウマ首班は、解任したバシール参謀長に代えて、アーディル・イスマーイール准将を暫定参謀長に任命した。
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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班により、自由シリア軍参謀委員会アブドゥルイラーフ・バシール参謀長の後任の暫定参謀長に任命されたアーディル・イスマーイール准将は、アラビー・ジャディード(6月26日付)に対して、自身が暫定参謀長に任命されたことを知らなかったと述べた。
al-‘Arabi al-Jadid, June 27, 2014、ARA News, June 27, 2014、al-Hayat, June 28, 2014、Kull-na Shuraka’, June 27, 2014などをもとに作成。
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