国連西アジア経済社会委員会(ESCWA)は一方的制裁がシリア国民への基本的サービスや人道支援の提供が阻害されていると指摘(2024年7月12日)

国連西アジア経済社会委員会(ESCWA)は、「シリア・アラブ共和国に対する一方的な強制措置のダイナミクスと意図しない効果」と題された報告書(/ESCWA/CL3.SEP/2023/TP.8)のなかで、制裁がシリア国民への基本的サービスや人道支援の提供が阻害されていると指摘した。

報告書は「シリアの未来のための国民アジェンダ」(NAFS、ディーナー・ムルヒム代表)が作成したもの。

報告書によると、ESCWAは、シリア在住者1,142人(うち45人が回答を拒否)を対象に世論調査を実施した。

それによると、自分たちの生活が制裁の影響を受けていると答えた回答者は92%、これに対して、受けていないと答えたのは8%だけだった。

また、自分たちの生活に悪影響を与える制裁を支持するかとの問いには、66%が支持しないと答えた。

制裁を支持すると答えた回答者のなかにも、自分たちの生活に悪影響を与えていると回答した者が散見された。

報告書はそのうえで、制裁による意図せぬ結果に対処するため、人道支援団体を含む関係者との対話を継続すること、• 制裁の有効性を監視し、改善を提案するための監視メカニズムを確立することなどを提言した。

SANA(7月12日付)、イナブ・バラディー(7月12日付)などが伝えた。

AFP, July 12, 2024、ANHA, July 12, 2024、‘Inab Baladi, July 12, 2024、Reuters, July 12, 2024、SANA, July 12, 2024、SOHR, July 12, 2024などをもとに作成。

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