レバノン・イスラーム抵抗は午後6時9分、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、レバノン、シリア各地で発生したページャーを用いた一斉爆破攻撃に関するヒズブッラーの声明を発表した。
声明の内容は以下の通り。
2024年9月17日火曜日の午後3時30分頃、ヒズブッラーの各部隊および機関に勤務する複数のメンバーが所持していたメッセージ受信機、いわゆる「ページャー」が爆発した。この謎の爆発により、現在までに少女1人とその兄弟2人が犠牲となり、多数が重軽傷を負った。 ヒズブッラーの専門機関は現在、これらの同時爆発の原因を明らかにするため、広範な治安・科学調査を進めている。また、医療機関や保健機関は、レバノン各地の病院で負傷者の治療にあたっている。 我々は、エルサレムへの道を歩む殉教者たちの魂にアッラーの慈悲があることを願い、負傷者と被害者の早急な回復を祈っている。また、親愛なる人々に対して、一部勢力が心理戦の一環として広めようとしているデマや誤情報に注意するよう呼びかける。とりわけ、これは、シオニストの敵が、北部の情勢を変化させるなどと称して、脅迫めいた発言を行うのと並行した動きである。 さらに、抵抗運動はすべてのレベル、そして部隊において、レバノンとその不屈の人民を守るため、最高の準備態勢を維持していることを強調する。
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また、午後6時59分にも以下の声明を発表した。
すべての事実、現状、そして今日の午後に起こった卑劣な攻撃に関する情報を精査した結果、我々はこの犯罪的な攻撃について、敵イスラエルに全責任があると非難する。この攻撃は民間人にも被害を及ぼし、多くの殉教者と多数の負傷者を生じさせた。 我らが殉教者と負傷者は、ガザ地区とヨルダン川西岸で暮らす尊厳ある人々のために、エルサレムへの道を切り開かんとする我々の闘いと犠牲の象徴だ。我々は、勇敢なパレスチナ抵抗運動への支援と援助を惜しまない。この姿勢は我々にとって今も未来も誇りとなるものだ。 この卑劣で犯罪的な敵は、この卑劣な攻撃に対して必ず正当な報いを受けるだろう。それが予期した場所から、あるいは予期せぬ場所からかは分からないが、アッラーは我々の言葉の証人であらせられる。
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さらに、爆発で死亡したと見られるヒズブッラーのメンバー8人の氏名などを公開した。
8人のなかには、ヒズブッラーのメンバーで国民議会の議員(抵抗への忠誠ブロック)を務めるアリー・アンマール氏の息子のムハンマド・マフディー・アリー・アンマール氏も含まれている。
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一方、レバノン・イスラーム抵抗は以下の通り9月17日の戦果を発表した。
(時刻明示せず)アッバード陣地一帯を移動するイスラエル軍部隊を攻撃し、確実に損害を与える。
午前1時00分、アッバード陣地一帯でイスラエル軍部隊に対して地対地ミサイル1発で攻撃を行い、直接の損害を与える。
(時刻明示せず)レバノン南部に対する攻撃への報復として、イスラエル軍が使用するマナラ入植地の建物複数胸を攻撃し、直接の損害を与える。
午前11時00分、カランティーナー丘に集結するイスラエル軍を攻撃し、直接の損害を与える。
午後1時00分、ザウラ入植地の砲台複数ヵ所をロケット弾で攻撃し、直接の損害を与える。
(時刻明示せず)ブライダー村などに対する攻撃への報復として、ラモット・ナフタリ入植地の大631ゴラン旅団偵察部隊司令部を自爆型無人航空機複数機で攻撃し、標的に正確に損害を与える。
午後3時10分、ラーヒブ陣地を砲撃。
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イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、レバノンのヒズブッラーとの戦況について以下のような発表を行った。
午後2時3分、イスラエル軍はブライダー村地域にあるテロ・インフラでのヒズブッラーのテロリス複数人の活動を確認、イスラエル空軍が直ちにこれを攻撃し、3人を殲滅。イスラエル軍はまたレバノン南部の複数ヵ所を砲撃。
午後3時1分、上ガリラヤ地方で1時間ほど前に警報が発令され、多数のUAVがレバノンから飛来、一部は迎撃、一部はラモット・ナフタリ入植地に隣接する地域に落下。
AFP, September 17, 2024、ANHA, September 17, 2024、‘Inab Baladi, September 17, 2024、Qanat al-Manar September 17, 2024、Reuters, September 17, 2024、SANA, September 17, 2024、SOHR, September 17, 2024などをもとに作成。
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