シャームの暁運動はアレッポ県ナイラブ・キャンプ上空でのシリア軍ヘリコプター撃墜(26日)に関して声明を出し、「科学・軍事研究分野における多大な努力の結果…、(シャームの暁運動)司令官および専門家は、自家製の対空ミサイルの開発に成功し、実験を終え、ナイラブ航空基地空でシリア軍ヘリコプター1機を撃墜」したと発表した。
『ニューヨーク・タイムズ』(7月25日付、http://www.nytimes.com/2014/07/26/world/middleeast/a-syrian-rebel-advance-off-the-battlefield-a-longer-lasting-rechargeable-battery-for-the-sa-7b-a-shoulder-fired-missile-system.html?_r=0)は、離反士官が、携帯式の地対空ミサイルを発射するための充電式バッテリーを開発したと報じていた。
このバッテリーは、中国、北朝鮮、パキスタンなどで1960年代末に生産された旧ソ連製のSA-7B、ストレラ2に対応可能だという。
バッテリーを開発したというアブー・バッラー氏は、シリア空軍の元少佐で、カタールでの反体制武装集団の教練に2度参加、またこれまでに自家製のミサイル・システムを使用して、シリア軍航空機2機を撃墜しているという。
なお、この報道に先立ち、ハマー県ムーリク市一帯で活動するシャームの鷹旅団は7月21日にビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=ngC-GRSjikk)を出し、コンピュータ制御の無人狙撃装置を開発したと発表、その写真を公開していた。
しかし『ハヤート』(7月28日付)は、こうした発表の一方で、米国が使用に同意していない対空ミサイル20基がシリア国内に持ち込まれ、うち15基はシリア北部に配備されたと複数の消息筋が指摘していると報じた。
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アレッポ県で活動するイスラーム戦線は声明を出し、戦線所属の全武装集団を解体し、アブドゥルアズィーズ・サラーマ司令官の指揮下に統一組織として再編すると発表した。
同声明によると、イスラーム戦線に所属するシャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ氏)、シャーム自由人イスラーム運動(ハッサーン・アッブード氏)、タウヒード旅団、イスラーム軍(ザフラーン・アッルーシュ氏)は、これまでの組織名を名乗ることを止め、イスラーム戦線として活動するのだという。
AFP, July 27, 2014、AP, July 27, 2014、ARA News, July 27, 2014、Champress, July 27, 2014、al-Hayat, July 28, 2014、Kull-na Shuraka’, July 27, 2014、al-Mada Press, July 27, 2014、Naharnet, July 27, 2014、The New York Times, July 25, 2014、NNA, July 27, 2014、Reuters, July 27, 2014、SANA, July 27, 2014、UPI, July 27, 2014などをもとに作成。
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