シリア国内の暴力(2014年8月1日)

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(8月2日付)によると、反体制活動家がSNSを通じてアルバイン市で停戦合意案を発表した。

停戦案は、反体制活動家による重火器・中火器の引き渡し、身柄投降者の身柄の自由、アルバイン市の生活の再建、違反者・指名手配者の身柄引渡・釈放に関する委員会設置、治安維持を目的とした反体制活動家による軽火器携帯、アルバイン市入り口のシリア軍への引き渡し、警察署、市庁の再建、治安当局による逮捕者釈放と反体制活動家による拉致者解放など、を骨子とする。

またシリア人権監視団によると、サクバー市、カフルバトナー町、ドゥーマー市、ハムーリーヤ市、ザマルカー町を軍が空爆し、子供1人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(8月1日付)によると、カラムーン地方無人地帯(マシュラファ村郊外)、ザバダーニー市、ダーライヤー市、ムライハ市周辺、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、マガッル・ミール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ドゥーマー殉教者大隊旅団、イスラーム軍、ジュンドッラー、ハビーブ・ムスタファー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、マアッルザーフ町、カフハーナ村、ラターミナ町を軍が空爆し、子供3人を含む住民多数が死亡した。

またハマー市郊外のマジュダル検問所、ヒクマ学校検問所一帯で、軍とジハード主義武装集団が交戦し、軍が「樽爆弾」を投下した。

なおラターミナ町への軍の空爆に関して、反体制活動家は軍が毒ガスを使用したと主張した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハイダリーヤ地区のヌール・モスク近くを軍が「樽爆弾」で空爆、またハムダーニーヤ地区(軍事アカデミー周辺、ヒクマ学校一帯)、ダーヒヤト・アサド地区、ラーシディーン地区で、軍、国防隊が、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー大隊などと交戦した。

一方、SANA(8月1日付)によると、ハーン・アサル村、ハンダラート・キャンプ、ハイヤーン町、カフルナーハー村、ダーラト・イッザ市、ハナースィル市郊外、アウラム・クブラー町、カフルダーイル村、アレッポ市シャッアール地区、カルム・ジャバル地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月1日付)によると、アトマーン村、ダルアー市バジャービジャ地区、ヨルダン街道周辺、ビラール・ハバシー・モスク周辺などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月1日付)によると、ダフラト・シューリー村、バイト・ジン村、ハラシュ・アブー・シャッター村近郊、ハズラジーヤ村、ラスム・アクラア村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月1日付)によると、サムアリール村、タッルドゥー市、ワアル村、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、1日晩、シャームの民のヌスラ戦線の「イドリブ地方アミール」を名乗るヤアクーブ・ウマル氏が乗った車に仕掛けられた爆弾がハーン・スブル村の自宅近くで爆発し、ウマル氏が死亡、同乗していた息子2人が負傷した。

一方、SANA(8月1日付)によると、リーハーニーヤ村、マルイヤーン村、ドゥーサ村、バザーブール村、タラフ村、ハミーディーヤ村、サルミーン市、ビンニシュ市、シュグル村、ハッルーズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 1, 2014、AP, August 1, 2014、ARA News, August 1, 2014、Champress, August 1, 2014、al-Hayat, August 2, 2014、August 3, 3014、Kull-na Shuraka’, August 1, 2014、al-Mada Press, August 1, 2014、Naharnet, August 1, 2014、NNA, August 1, 2014、Reuters, August 1, 2014、SANA, August 1, 2014、UPI, August 1, 2014などをもとに作成。

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