『ワタン』によると、シリア・クルド国民評議会が声明を出し、アフマド・シャルア暫定大統領の就任に祝意を示すとともに、自由で公正な選挙実施に相応しい状況の創出、すべてのシリア人の権利を保障する憲法の起草、多元的で分権的な国家建設をめざすよう呼びかけた。
声明において、シリア・クルド国民評議会は、次のように表明した。
重大な局面において、シリア国民の苦難を終わらせ、安定を確立し、自由で公正な選挙を実施するための適切な環境を整えること、すべてのシリア国民の権利を保障し、言論の自由をはじめとする基本的自由を保護する憲法の起草が求められる。また、旧体制がもたらした専制と破壊の痕跡を取り除き、アフリーン、タッル・アブヤド、ラアス・アインの住民を含むすべての難民および国内避難民の安全かつ尊厳ある帰還を確保する必要がある。
この局面に成功をもたらすには、シリア国民を構成するすべての社会集団が参加できる包括的な政治プロセスの開始が不可欠であり、それにより民主主義の原則と人権の尊重が強化される。また、クルド人民に対する歴史的な不当な扱いを終わらせ、その民族的権利を憲法に明記することの重要性を強調する。これにより、愛国的パートナーシップが確立され、公正と平等が実現される。
政治プロセスに積極的に関与し、多元的かつ分権的なシリアの構築を目指す姿勢に基づき、シリア・クルド国民評議会は、現在の課題に対処する主要な方策として、対話と開かれた姿勢を採用し、暴力による解決を排し、平等な市民権と法の支配の原則に基づく体制の確立を推進するよう呼びかける。
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