ダマスカス郊外県アシュラフィーヤト・サフナーヤー市で、シャルア移行期政権の国防省予備部隊とドゥルーズ派からなる地元の武装グループが激しく交戦、40人あまり死傷:スワイダー県でもドゥルーズ派が標的に(2025年4月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市および周辺一帯で、アフマド・シャルア移行期政権の国防省予備部隊とドゥルーズ派からなる地元の武装グループが29日夜から30日未明にかけて激しい戦闘を続けた。

戦闘激化を受けて、内務省総合治安局が外出禁止令を発出した。

これにより、双方合わせて22人(うち16人が国防省予備部隊兵士・内務省総合治安局隊員、6人がドゥルーズ派住民)が死亡、15人あまりが負傷した。

また、内務省総合治安局は大規模な捜索活動を実施し、40人あまりの住民を逮捕、連行した。

一方、SANAは、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市にある内務省総合治安局の検問所が29日晩に法律違反者のグループの襲撃を受けて、隊員3人が負傷したと伝えた。

また、別のグループが同市の農地に展開し、民間の車輌や内務省総合治安局の車輌に向けて発砲し、6人が死亡、複数が負傷した。

保健省広報局によると、法律違反者のグループの襲撃による死者は11人、負傷者多数に上った。

これに対して、内務省総合治安局はアシュラフィーヤト・サフナーヤー市一帯に増援部隊を派遣し、すべての街区に展開、多数を逮捕した。




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スワイダー県では、シリア人権監視団スワイダー24によると、国防省予備部隊、内務省総合治安局がダウル村に対して、無人航空機などで攻撃を加え、ドゥルーズ派の宗徒3人が負傷した。

これと前後して、ブラーク村に近い、首都ダマスカスとスワイダー県を結ぶ街道で、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市の住民を守るために同市に向かっていた地元武装集団の車列が武装グループの要撃を受けて、若者多数が死亡した。

戦闘では、車列を襲撃した武装グループのメンバー少なくとも8人も死亡した。

また、アフマド・シャルア移行期政権を支持する武装グループが、ドゥルーズ派が住むラッサース村と大スワラ村の民家を襲撃した。

さらに、国防省所属の第40師団の部隊が内務省総合治安局の部隊とともに、大スワラ村内に展開した。

一方、SANAによると、法律違反者のグループがスワイダー県とダルアー県を結ぶ高速道路近くで内務省総合治安局を襲撃、2人を殺害した。

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SANAによると、ダマスカス郊外県、スワイダー県、ダルアー県、クナイトラ県の各知事と地元の名士らが会合を開き、ジャルマーナー市やアシュラフィーヤト・サフナーヤー市での戦闘を収束させるための原則合意を交わした。

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