イスラエル軍戦闘機がスワイダー県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、ハマー県、ダマスカス県を相次いで爆撃(2025年5月2日)

スワイダー県では、SANAシリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機がスワイダー市南西のカナーキル村を爆撃し、住民4人が死亡した。


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ダマスカス郊外県では、SANAシリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が4日夜、ハラスター市一帯を爆撃した。

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ダルアー県では、SANAシリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が4日夜、ムーサビーン村一帯(ミサイル大隊基地)を爆撃した。

イスラエル軍戦闘機はまた、イズラア市一帯(戦車部隊の集結地点)に対しても爆撃を加えた。

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ハマー県では、SANAシリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が4日夜、シャトハ町一帯(訓練用兵舎)を爆撃し、住民4人が負傷した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍はハムル丘を爆撃した。

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ダマスカス県では、ムラースィルーン(Syrian Reporters)によると、イスラエル軍戦闘機がカシオン山に対してミサイル2発で爆撃を行った。

また、シリア人権監視団によると、カシオン山以外にも、バルザ区が爆撃を受けた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍がシャアラ山の防空大隊基地を爆撃した。

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シリア人権監視団によると、爆撃は今年に入って最大規模で、その数は20回以上に及んだ。

なお、2025年に入って以降のイスラエル軍のシリア領内への攻撃は52回、うち航空攻撃が44回、地上攻撃が8回、武器弾薬庫、指揮所、拠点、車輌など79ヵ所の標的が破壊され、33人が死亡した。

死傷者の内訳は以下の通り。

アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊(新シリア軍)兵士:9人死亡、13人負傷
武器を携帯していた民間人:22人死亡
身元不明者(レバノン人):2人

県別の爆撃回数は以下の通り。

アレッポ県:7回
ダマスカス県・ダマスカス郊外県:15回
スワイダー県4回
ヒムス県:8回
クナイトラ県:5回
ダルアー県:7回
タルトゥース県:1回
ラタキア県:2回
ハマー県:2回

県別の地上攻撃は以下の通り。

ダルアー県:4回
ダマスカス郊外県:1回
クナイトラ県:3回

なお、アサド政権が崩壊した2024年12月8日以降、イスラエル軍によるシリア領内への爆撃は500回あまりに上っている。

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