シリア国内の暴力:シリア軍がアドラー市奪還に向けて攻勢(2014年9月20日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アドラー市、タッル・クルディー町一帯をシリア軍が11回にわたって激しく空爆した。

またザマルカー町およびその周辺をシリア軍が3度にわたって空爆たほか、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダルーシャー村、ダイル・マーキル町郊外(クナイトラ県ダナージー農場方面)、ザバダーニー市を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(9月20日付)によると、シリア軍がイスラーム軍などによって占拠されているアドラー市旧市街に対する大規模軍事作戦を開始し、同市を包囲し、同市に向けて進軍、「テロ集団」が拠点としていた施設複数カ所、地下トンネル、武器弾薬庫などを制圧した。

またシリア軍は、タッル・サワーン、ザマールカー市、ドゥーマー市、アイン・タルマー渓谷、ハーン・シャイフ・キャンプ、ドゥッハーニーヤ町、ハラスター市、カースィミーヤ町・バハーリーヤ村間の農場、アルサール市郊外無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区をシリア軍が空爆した。

一方、シリア軍は、SANA(9月20日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区・サールーフ地区間の幹線道路をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、女性1人と子供1人を含む5人が死亡した。

またバドル殉教者旅団がアシュラフィーヤ地区のシリア軍拠点に向かって迫撃砲を発射し、同区一帯で散発的に戦闘した。

さらにザフラー協会地区にもシリア軍が「樽爆弾」を投下、またシリア軍、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員が同地区およびハンダラート・キャンプ一帯でアンサール・ディーン戦線などからなる武装集団と交戦した。

アンサール・ディーン旅団は、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)、シャーム・イスラーム運動、シャームの暁イスラーム運動、ハドラー大隊からなる。

一方、SANA(9月20日付)によると、アウラム・クブラー町、ICARDA、バナーン町、ハーン・アサル村、カブターン・ジャバル村、カフルウバイド村、マスカナ市、ラフヤー村、アレッポ市カルーム・アズィーザ地区、シャイフ・サイード地区、アーミリーヤ地区、カースティールー地区、ミンタール地区、シャイフ・ハドル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、オリエント・ネット(9月20日付)によると、シリア軍がカニーヤ村にある反体制勢力の野戦病院を空爆した。

空爆はこれが5回目で、この野戦病院は反体制勢力が運営する野戦病院のなかでは最大規模だという。

一方、SANA(9月20日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ビンニシュ市近郊、カニーヤ村周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月20日付)によると、アトマーン村、ヒルバト・ガザーラ町周辺、ダイル・アダス村、ブスル・ハリール市南部、インヒル市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(9月20日付)によると、ムーリク市各所、ヒルバト・マサーフィナ村、サジュナ村、カフルズィーター市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員多数を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月20日付)によると、マスアダ村、ウンム・シャルシューフ村、タイバ村、ザアフラーナ村、ラスタン市、ワーディー・ミール村、ラスム・ハミーダ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 20, 2014、AP, September 20, 2014、ARA News, September 20, 2014、Champress, September 20, 2014、al-Hayat, September 21, 2014、Kull-na Shuraka’, September 20, 2014、al-Mada Press, September 20, 2014、Naharnet, September 20, 2014、NNA, September 20, 2014、Orient Net, September 20, 2014、Reuters, September 20, 2014、SANA, September 20, 2014、UPI, September 20, 2014などをもとに作成。

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