アル=カーイダ系組織からなるファトフ軍、イドリブ県での進軍を続ける、ダマスカス郊外県で住民がイスラーム軍に抗議するデモを実施(2015年5月29日)

イドリブ県では、シリア人権監視団などによると、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍が、アリーハー市西部のムウタリム村、アウラム・ジャウズ村、カフルシャラーヤー村、ムハムバル村、カイヤーサート検問所、ブサンクール村、フライカ村一帯を制圧した。

アウラム・ジャウラ村は、アレッポ市とラタキア県を結ぶ街道と、アリーハー市とザーウィヤ山を結ぶ街道が交わる交通の要衝。

これに対して、シリア軍は、ファトフ軍によって制圧されたイドリブ市郊外一帯を空爆した。

一方、SANA(5月29日付)によると、ナフラ村、ラーミー村、カフルナジュド村、カフルミード村、バサーミス村、ナビー・アイユーブ村、サラーリーフ村、タッラト・ガザール村、マルイヤーン村、アブー・ズフール町一帯、ハリージャーン村、イブリーン村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、タマーニア町で、シリア軍が空爆を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月29日付)は、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で対立を強める西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と、アル=カーイダ系組織と「自由シリア軍」からなる「ラッビーカ・ウフターフ」の和解に向け、第16歩兵師団、「命じられるがままに進め」連合が仲介を開始したと伝えた。

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ダルアー県では、SANA(5月29日付)によると、ダルアー市アッバースィーイーン地区、ハマーディーン地区、難民キャンプ地区、ダム街道南部、カフルシャムス町南部、タファス市・ヌアイマ村街道で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(5月29日付)によると、東グータ地方の住民が、イスラーム軍に抗議するデモを行った。

デモは、イスラーム軍が住民数十人をダーイシュ(イスラーム国)メンバーだとして拘束、そのうちの24人を処刑したことに抗議するものだという。

一方、SANA(5月29日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区の国防隊拠点を狙った爆弾テロが発生し、隊員6人が死亡、10人が負傷した。

AFP, May 29, 2015、AP, May 29, 2015、ARA News, May 29, 2015、Champress, May 29, 2015、al-Hayat, May 30, 2015、May 31, 2015、Iraqi News, May 29, 2015、Kull-na Shuraka’, May 29, 2015、al-Mada Press, May 29, 2015、Naharnet, May 29, 2015、NNA, May 29, 2015、Reuters, May 29, 2015、SANA, May 29, 2015、UPI, May 29, 2015などをもとに作成。

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