『ハヤート』(12月12日付)によると、サウジアラビアの首都リヤドでの反体制派合同会合(8~10日)で新設されたシリア政府との交渉にあたる反体制派統一代表団の人選を行うための最高交渉委員会に、ビジネスマンのワリード・ズウビー氏が加わり、委員メンバーが34人となった。
最高交渉委員会メンバーは、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動のラビーブ・ナッハース氏を除く33人がリヤドで「シリアの友連絡グループ」を構成する米英仏などの高官と会談し、合同会合での閉幕声明の内容やシリア政府との今後の交渉の方針などについて意見を交わしたという。
「シリアの友連絡グループ」代表はまた、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーズ代表とも会談し、合同会合の結果などについて意見を交わした。
アブドゥルアズィーズ代表はこの会談で、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党やロシアで活動する変革解放人民戦線の代表が不参加に対処すべきだと述べたという。
『ハヤート』(12月11日付)は、シリア政府との交渉にあたる反体制派統一代表団の人選を行うための委員会が30人から構成され、その内訳は、反体制武装集団メンバー10人、シリア革命反体制勢力国民連立メンバー9人、民主的変革諸勢力国民調整委員会メンバー5人、無所属6人と報じていた。
だが、『ハヤート』(12月12日付)によると、最高交渉委員会メンバーは、反体制武装集団メンバー11人、シリア革命反体制勢力国民連立メンバー9人、民主的変革諸勢力国民調整委員会メンバー5人、無所属9人だという。
なお、リヤドでの合同会議の議長を務めたサウジアラビアの湾岸研究センター代表のアブドズルアズィーズ・サクル氏は10日、合同会合を総会に、またシリア政府との交渉にあたる反体制派統一代表団の人選を行うための最高交渉委員会を執行部に改組して常設機関化し、リヤドに本部を設置することを提言している。
しかし、トルコのイスタンブールで活動し、欧米諸国から「シリア国民の唯一の正統な代表」としての地位を付与されているシリア革命反体制勢力国民連立は、リヤドでの合同会合の常設機関化が、自らに代わる「代表」組織になることを懸念しているという。
AFP, December 11, 2015、AP, December 11, 2015、ARA News, December 11, 2015、Champress, December 11, 2015、al-Hayat, December 12, 2015、Iraqi News, December 11, 2015、Kull-na Shuraka’, December 11, 2015、al-Mada Press, December 11, 2015、Naharnet, December 11, 2015、NNA, December 11, 2015、Reuters, December 11, 2015、SANA, December 11, 2015、UPI, December 11, 2015などをもとに作成。
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