英国のシンクタンク「宗教地政学センター」(the Centre on Religion and Geopolitics)は、ジハード主義者(いわゆるイスラーム過激派)の約25%が、穏健なイスラーム主義組織のムスリム同胞団によって勧誘されているとする研究結果を発表した。
宗教地政学センターはダーイシュの離反者などから入手したデーターの分析を行うシンクタンク。
「Milestones to Militancy」と題された報告書(http://tonyblairfaithfoundation.org/sites/default/files/Milestones-to-Militancy.pdf)のなかで、同センターは、1980年代にアフガニスタンでの戦闘に参加したムジャーヒディーンや、シリア国内でシャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)に参加した戦闘員のなかから100人をサンプルとして選び、ジハード主義者となった動機や移動経路などを分析、アル=カーイダの前指導者のウサーマ・ビン・ラーディン氏をはじめとするそのほとんどがシャリーアについての十分な知識を持たないまま、戦闘地域に潜入していたとが判明したと発表した。
また戦闘員の51%が、戦地に潜入する以前はムスリム同胞団をはじめとする穏健なイスラーム主義組織に所属しており、同胞団から輩出されたジハード主義者のだけで調査対象者の25%に達していることを明らかにした。
AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、Telegraph, April 22, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。
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