ロシアのラヴロフ外務大臣はデミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談「「穏健な反体制派」を自認する者はヌスラ戦線支配地域から撤退し、テロとの関係を絶たねばならない」(2016年5月3日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はロシアを訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

ラブロフ外務大臣は会談後、米国・ロシアがスイスの首都ジュネーブにアレッポ市での停戦違反を監視するための合同センター設置の設置に向けて最終協議を行っていることを明らかにする一方、デミストゥラ国連特別代表は、シリア国内の停戦が危機的状況にあると述べ、その再構築や人道状況改善の必要を強調した。

ラブロフ外務大臣によると、米国とロシアの軍幹部はアレッポ市での停戦違反監視を目的とする合同センターをジュネーブに設置することで合意に近づいており、「おそらく数時間内に」合意に達するだろうと述べた。

しかし、ラブロフ外務大臣はアレッポ市での戦闘停止に関して「停戦は、国連安保理決議に従い、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そして両組織と関係を持つ者を含むべきでない」と述べ、米国側に対して、「穏健な反体制派」がヌスラ戦線との完全絶縁を宣言する必要がある旨警告してきたことを明らかにした。

これに関して、ラブロフ外務大臣は「いまだに実施されていないそのこと(ヌスラ戦線との絶縁)の保証を我々は得た。「穏健な反体制派」を自認する者は…ヌスラ戦線が支配する地域から撤退し、テロとの関係を絶たねばならない」と述べた。

一方、ラブロフ外務大臣は、リヤド最高交渉委員会に関して「非建設的な態度をとっている…。すべての当事者は、前提条件を課し、国連安保理決議に違反するこうした姿勢に異議を唱えるべき」と述べた。

Naharnet, May 3, 2016

Naharnet, May 3, 2016

AFP, May 3, 2016、AP, May 3, 2016、ARA News, May 3, 2016、Champress, May 3, 2016、al-Hayat, May 4, 2016、Iraqi News, May 3, 2016、Kull-na Shuraka’, May 3, 2016、al-Mada Press, May 3, 2016、Naharnet, May 3, 2016、NNA, May 3, 2016、Reuters, May 3, 2016、SANA, May 3, 2016、UPI, May 3, 2016などをもとに作成。

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