「反体制派」は無人戦闘機を使用してシリア軍拠点に対する初の爆撃を実施したと発表し、着弾地点で砂埃があがる映像を公開(2016年9月2日)

ハマー県では、『ハヤート』(9月3日付)によると、県北西部のマアルダス村南部郊外一帯で、ジュンド・アクサー機構、イッザ軍、ナスル軍などからなる反体制武装集団が「マルワーン・ハディード」の戦いと銘打ってシリア軍と戦闘を続けた。

シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカフルズィーター市内の病院を空爆し、同病院が利用不能となったほか、ラターミナ町、ラトミーン村、マアーン村一帯で反体制武装集団に対して空爆を実施した。

一方、SANA(9月2日付)によると、シリア軍がマアルダス村、スーラーン市、ズラーキーヤート村、アトシャーン村、ラターミナ町、カフルズィーター市、ザアタル丘、カウカブ村・スーラーン市街道、タイバト・イマーム市・ハルファーヤー市・ラターミナ町街道一帯でファトフ軍の拠点に対して空爆を実施した。

**

ジュンド・アクサー機構は、マアルダス村戦線での戦闘でシリア軍および親政権民兵に対して無人航空機を使用して、反体制武装集団として初となる空爆を実施したと発表、その映像をユーチューブ(https://youtu.be/hOi7SYoHYbo)を通じて公開した。

使用された爆弾の大きさ、装填された爆発物質の量は不明だが、映像では着弾地点で小さな砂埃があがる様子が確認できる。

Youtube, September 2, 2016

Youtube, September 2, 2016

Youtube, September 2, 2016

Youtube, September 2, 2016

**

また、イッザ軍は「ロシアのヘリコプター」を米国製のTOW地対地ミサイルで撃墜したと発表、その映像をユーチューブ(https://youtu.be/y8YIjFKTMUk)を通じて公開した。

シリア人権監視団によると、イッザ軍がヘリコプターを撃墜したのはハッターブ村近郊で、クッルナー・シュラカー(9月2日付)によると、ヘリコプターに乗っていたシリア軍士官2人が死亡したという。

なお、撃墜されたヘリコプターはロシア製ではなくフランス製のSA341(ガゼル)。

Youtube, September 2, 2016

Youtube, September 2, 2016

**

このほか、シャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、同運動に所属するフサイン・ブン・アリー旅団、アジュナード・シャーム旅団、アリー末裔旅団、カーディスィーヤ旅団を「強化旅団」として統合し、ハマー県北西部に派遣すると発表した。

AFP, September 2, 2016、AP, September 2, 2016、ARA News, September 2, 2016、Champress, September 2, 2016、al-Hayat, September 3, 2016、Iraqi News, September 2, 2016、Kull-na Shuraka’, September 2, 2016、al-Mada Press, September 2, 2016、Naharnet, September 2, 2016、NNA, September 2, 2016、Reuters, September 2, 2016、SANA, September 2, 2016、UPI, September 2, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.