ドゥラル・シャーミーヤ(9月19日付)は、17日のロシア・トルコ首脳会談で交わされたイドリブ県での非武装地帯設置にかかる合意に関して、複数のメディアが全文(正文はロシア語と英語)を公開したと伝え、そのアラビア語訳を掲載した。
同サイトによると、合意は以下10項目からなる。
1. イドリブ県の緊張緩和地帯を維持し、トルコの監視所を強化、活動を継続させる。
2. ロシアは、イドリブ県に対する軍事作戦や攻撃の実施を回避し、現状を維持するために必要なあらゆる措置を講じる。
3. 幅15~20キロからなる非武装地帯を設置する。
4. 非武装地帯の境界線については、継続協議をもって画定する。
5. 10月15日までに非武装地帯内からすべての過激なテロ集団を排除する。
6. 10月10日までに非武装地帯から当事者は保有するすべての戦車、多連装ロケット砲、大砲、迫撃砲を撤去する。
7. トルコ軍部隊とロシア軍憲兵隊は、非武装地帯において無人航空機を使用して、連携パトロールを実施し、監視活動に取り組む。合わせて、両部隊は、地元住民や物資の自由な移動を保障し、通商経済活動再開のために活動する。
8. 2018年末までにM4(アレッポ市・ラタキア市間)とM5(アレッポ市・ハマー市間)の街道の輸送ルートを再開する。
9. イドリブ県の緊張緩和地帯内での停戦を持続させるための措置を講じる。そのために、イラン・ロシア・トルコの合同調整センターの任務を強化する。
10. ロシアとトルコは改めて、シリア国内であらゆるかたちでテロと戦う決意を確認する。
AFP, September 19, 2018、ANHA, September 19, 2018、AP, September 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2018、al-Hayat, September 20, 2018、Reuters, September 19, 2018、SANA, September 19, 2018、UPI, September 19, 2018などをもとに作成。
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