2014年3月29日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がフリータ市、ラアス・マアッラ町を空爆する一方、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともにシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と両市周辺で交戦した。

またダーライヤー市、ジャイルード市、バフア村およびその周辺、バイト・ナーイム村などを軍が空爆・砲撃した。

SANA(3月29日付)によると、軍は、ヤブルード市郊外のラアス・マアッラ町、フリータ市を制圧、同地の治安と安定を回復した。

またバスィーマ町、シャイフーニーヤ村、ドゥーマー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(3月30日付)に「たとえフリータとラアス・マアッラを制圧したとしても」、軍がカラムーン地方の数十キロにおよぶ対レバノン国境を完全に掌握することは不可能だと指摘した。

NNA(3月29日付)によると、これを受け、レバノン領内(ベカーア県バアルベック軍アルサール村一帯)にシリア人避難民約700人が流入した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市を軍が「樽爆弾」で空爆し、女性4人を含む7人が死亡した。

一方、SANA(3月29日付)によると、ダルアー市マンシヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カサブ町郊外のガマーム村、第45監視塔周辺を軍が砲撃する一方、カサブ町周辺で、国防隊とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

この戦闘で、士官1人を含むシリア軍兵士4と、ジハード主義武装集団の戦闘員2人が死亡したという。

一方、SANA(3月29日付)によると、カビール山などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市東部の武器庫前の検問所で、軍と反体制武装集団が交戦、軍の兵士複数が死傷した。

一方、SANA(3月29日付)によると、ビンニシュ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カースティールー地区、アンジャーラ村を軍が砲撃・空爆した。

またクッルナー・シュラカー(3月29日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区で、共和国護衛隊第419大隊のクサイ・ムハンマド司令官(准将)が反体制武装集団との戦闘で戦死した。

一方、SANA(3月29日付)によると、アレッポ市ハミーディーヤ地区、サッド・アリー地区、バニー・ザイド地区、ハナーヌー地区、ライラムーン地区、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ラスム・アッブード村、フライターン市、カフルハムラ村、アターリブ市、マンスーラ村、マアーッラト・アルティーク村、カフルダーイル村、バッラース村、アナダーン市、シュハイヒナ村、アンジャーラ村、ハンダラート・キャンプ、バービース村、ワディーヒー村、マンスーラ村、カフルナーハー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月29日付)によると、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、サウラ村、ハウラ地方、バイト・カサワート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(3月29日付)によると、ハッジャ村郊外、カフルシャムス町・アウサジュ村街道、ダワーヤ・スグラー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 29, 2014、AP, March 29, 2014、ARA News, March 29, 2014、Champress, March 29, 2014、al-Hayat, March 30, 2014、Iraqinews.com, March 29, 2014、Kull-na Shuraka’, March 29, 2014、Naharnet, March 29, 2014、NNA, March 29, 2014、Reuters, March 29, 2014、SANA, March 29, 2014、UPI, March 29, 2014などをもとに作成。

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