シリアのアル=カーイダと目され、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)の軍事・治安権限を掌握するシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者の最新の映像がテレグラムを通じて公開された。
「シャイフ・アビー・ムハンマド・ジャウラーニーのシリア革命メディア関係者との会談の一コマ」と題された13分強の映像のなかで、ジャウラーニー指導者は「例えば、アレッポ県での作戦を開始すれば、我々を助けることはできる」と述べ、トルコの支援を受ける反体制派に対して共闘を呼びかけた。
また「我々の利益のため、敵を分散させ、新たな戦端を開こう」、「イドリブ県を守るため武器をとろう」と唱導した。
アレッポ県北部では、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダの系譜を汲むシャーム自由人イスラーム運動、そして「ユーフラテスの盾」作戦司令室、「オリーブの枝」作戦司令室として糾合していた諸々の武装集団が、トルコの支援を受けて国民軍の名で再編され、同地におけるトルコの実質占領を支えている。
一方、緊張緩和地帯において、トルコ軍の支援を受けてきた国民解放戦線は、シャーム解放機構との抗争に敗れ、2019年1月に主力がアレッポ県北部に退去したものの、多くの部隊が残留しており、4月30日にシリア・ロシア軍の攻撃が激化して以降は、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、イッザ軍、さらには興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室と事実上共闘し、シリア軍に対峙している。
https://www.youtube.com/watch?v=XzCe3fVJqJw
AFP, May 17, 2019、ANHA, May 17, 2019、AP, May 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2019、al-Hayat, May 18, 2019、Reuters, May 17, 2019、SANA, May 17, 2019、SOHR, May 17, 2019、UPI, May 17, 2019などをもとに作成。
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