シリア政府寄りのアウカート・シャーム通信(8月16日付)は、シリア政府とクルディスタン労働者党(PKK)がハサカ県のカーミシュリー市でロシアの仲介のもとに会合を行ったと伝えた。
人民防衛隊(YPG)の複数の情報筋によると、会合には、アリー・サーリフ国防副大臣とPKK幹部のサブリ・オクらが出席、北・東シリア自治局における軍事・治安措置の調整が図られたという。
これにより、PKK側はカーミシュリー市近郊のナアマトリー村、同市南東部の国際幹線道路一帯へのシリア軍部隊の展開を認める一方、シリア政府側は、トルコが米国に身柄引き渡しを要求したとされるPKKや民主統一党(PYD)の幹部の身の安全の保障を約束したという。
また、両者の信頼醸成の一環として、YPG戦闘員の負傷者約700人が首都ダマスカスの病院で治療するため、空路で搬送されたという。
両者の再接近は、米国とトルコがシリア北東部に「安全地帯」を設置するための合同作戦センター開設に合意したことを受けたものだという。
AFP, August 17, 2019、ANHA, August 17, 2019、AP, August 17, 2019、Awqat al-Sham, August 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2019、Reuters, August 17, 2019、SANA, August 17, 2019、SOHR, August 17, 2019、UPI, August 17, 2019などをもとに作成。
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