ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者会見で、イドリブ県に進入したトルコ軍部隊をシリア軍が砲撃し、多数が死傷したことに関して、「遺憾ながら、現段階で、トルコ側はイドリブ県の問題を根本的に解決するための取り組みの一部を遵守できていない」と批判した。
ラブロフ外務大臣は「トルコは、政治プロセスの一環として、トルコに協力し、シリア政府と対話する準備があるシリアの武装反体制諸派を、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)と分けることができていない」としたうえで、「トルコ軍がイドリブ県に展開し、シリア軍と交戦しているとの情報があり、我々は事態を中止している」と付言した。
一方、3日のシリア軍によるトルコ軍への砲撃については「トルコ軍はイドリブ県の緊張緩和地帯内の拠点複数カ所に事前通告なく入ったため、我々はシリア軍にそのことを通知できなかった。そのために(シリア軍による)砲撃が行われ、それに対する(トルコ軍の)報復が行われた」と述べた。
RT(2月4日付)が伝えた。
AFP, February 4, 2020、ANHA, February 4, 2020、AP, February 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2020、Reuters, February 4, 2020、RT, February 4, 2020、SANA, February 4, 2020、SOHR, February 4, 2020、UPI, February 4, 2020などをもとに作成。
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