ジェフリー米国務省シリア問題担当特使がイドリブ県の戦況への対応を協議するためトルコに派遣される(2020年2月11日)

アナトリア通信(2月11日付)によると、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が、イドリブ県の戦況への対応についてトルコ側と協議するため、トルコの首都アンカラに派遣された。

アンカラに到着したジェフリー特使は、シリア軍の攻撃を厳しく非難するとともに、同盟国であるトルコと密に連絡を取り続けると強調、「私はトルコ政府とともに現状を評価するためにアンカラにやって来た。我々はトルコを最大限支援したい。なぜなら、トルコ軍は米国の同盟者であり、イドリブ県で体制(シリア)とロシアがもたらす危機に直面しているからだ」と述べた。

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マイク・ポンペオ米国務長官は報道向け声明を出し、イドリブ県でのシリア軍の攻撃で死亡したトルコ軍兵士の遺族に弔意を示した。

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NATO(北大西洋条約機構)のヤンス・ストルテンベルグ事務総長はブリュッセルで予定されている加盟国国防大臣会合に先立って、シリア情勢について言及、「イドリブ県での攻撃を非難する。アサド体制とロシアに攻撃を停止するよう至急呼びかけたい」と述べた。

一方、ケイ・ベイリー・ハッチソン米NATO常駐代表は「我々はトルコがシリアで行っている措置すべてに同意はしていないが、ロシアによって支援されたシリアによるこの攻撃は限度を超えている」と非難、「我々はこの事態においてトルコを支援することを断固たる意志をもって検討している・我々はロシアにアサドへの支援を止め、シリアでの和平合意に向けて前進する可能性を創り出すよう求める」と述べた。

AFP, February 11, 2020、Anadolu Ajansı, February 11, 2020、ANHA, February 11, 2020、AP, February 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2020、Reuters, February 11, 2020、SANA, February 11, 2020、SOHR, February 11, 2020、UPI, February 11, 2020などをもとに作成。

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