シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にある北西部のいわゆる「解放区」が暫定内閣による通行所閉鎖で医薬品不足に(2020年5月4日)

シリア人権監視団は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にある北西部のいわゆる「解放区」が、医薬品不足に見舞われていると伝えた。

トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立の傘下組織)がシリア政府支配地域とを結ぶすべての通行所を閉鎖しているため。

これにより、降圧薬、アスピリン、子供用のサプリメント、肺炎治療用の薬などシリア製の医薬品の供給が停止しており、新型コロナウイルス感染症対策が充分に行えなくなっているという。

なお、シャーム解放機構は、4月30日にイドリブ県のマアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県のミズナーズ村を結ぶ街道に通行所を設置し、シリア政府支配地域との通商を試みたが、トルコや住民の反対により、5月1日にこれを閉鎖している。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

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