シャーム解放機構のジャウラーニー指導者がイドリブ県ザーウィヤ山地方で住民、名士、反体制派代表と会談(2020年5月31日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者はイドリブ県ザーウィヤ山地方のジューズィフ村で住民や名士と懇談し、近くアサド政権との大規模な戦いが行われることになると述べた。

ジャウラーニー指導者は、2019年8月にシリア軍によって奪われたハマー県ムーリク市に関して、シャーム解放機構がシリア軍に同地を明け渡したとの一部非難を否定、「アサド体制は、戦闘なくしては1インチたりとも撤退はしないだろう」と述べた。

また、2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での非武装地帯設置合意に従って、シリア軍がムーリク市から撤退する可能性はあるかとの問いに対して、「政権は合意を履行しない」と述べた。

ジャウラーニー指導者はまた、シャーム解放機構の代表とともに、ザーウィヤ山で活動を続けるシャームの鷹旅団やシャーム自由人イスラーム運動の代表者との会合に出席し、ハマー県ガーブ平原やザーウィヤ山で想定される大規模戦闘への対応について検討した。

なお、シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣のシューラー総評議会は30日、「解放区」の住民に対して、シリア軍との戦いに備えて各地の作戦司令室を支援するよう呼びかけていた。

AFP, May 31, 2020、ANHA, May 31, 2020、AP, May 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2020、Reuters, May 31, 2020、SANA, May 31, 2020、SOHR, May 31, 2020、UPI, May 31, 2020などをもとに作成。

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