シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」で、新たに2人の新型コロナウイルス感染者確認(2020年7月10日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月10日付)やシリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」で、新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認された。

感染が確認されたのは、小児外科医のナースィル・ムフリフ医師と口腔外科医のムハンマド・ビータール医師。

いずれもバーブ・ハワー国境通行所の病院に勤務していた。

9日に感染が確認された神経外科医のアイマン・サーイフ医師と合わせて、「解放区」(バーブ・ハワー国境通行所)での感染者数は3人となった。

3人はいずれも、トルコに滞在中に感染したと思われる。

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これを受け、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」でモスクなどの管理を行う宗教問題局は、バーブ・ハワー国境通行所の病院で新型コロナウイルス感染者が確認されたことを受けて声明を出し、「解放区」のモスクでの金曜日の午後の礼拝を中止するとともに、平日の昼と午後の集団礼拝については、各自が礼拝用の絨毯を持参して行い、礼拝時間も10分に短縮することを決定した。

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バーブ・ハワー国境通行所の病院で隔離された医療スタッフ、患者、職員のうち2人が脱走し、カフル・アルーク村の国内避難民(IDPs)方面に向かったが、関係当局に拘束された。

脱走した2人はいずれも男性で、1人は55歳、もう1人は37歳。

AFP, July 10, 2020、ANHA, July 10, 2020、AP, July 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2020、Reuters, July 10, 2020、SANA, July 10, 2020、SOHR, July 10, 2020、UPI, July 10, 2020などをもとに作成。

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