外務在外居住者省は、シリア民主軍と米国の石油会社が石油採掘にかかる契約を結んだことを非難(2020年8月2日)

外務在外居住者省公式筋は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と米国の石油会社がシリア領内での石油採掘にかかる契約を結んだことをもっとも激しい表現で非難した。

**

米共和党のリンゼ・グラム上院議員は7月31日、議会で米国の石油企業1社が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官と北・東シリア自治局内の油田開発にかかる合意を締結したと述べた。

また、議会に出席していたマイク・ポンペオ国務長官も、この方針を支援すると答弁した。

合意は、デルタ・クレセント・エネルギー社がシリア民主軍と交わしたもので、石油精製施設2カ所の建設を骨子とする。

北・東シリア自治局支配地域で産出される石油は、これまでシリア政府支配地域に移送され、精製されていたが、精製施設が新設されれば、シリア政府を通さずに石油の消費が可能となる。

なお、米国は現在、シーザー・シリア市民保護法や諸処の大統領令によって、シリアの石油部門に対する経済制裁を科しているため、合意を発効するには、国務省と財務省の同意が必要となる。

『シャルク・アウサト』(8月1日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2020、ANHA, August 2, 2020、AP, August 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2020、Reuters, August 2, 2020、SANA, August 2, 2020、al-Sharq al-Awsat, August 1, 2020、SOHR, August 2, 2020、UPI, August 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.