米国はダーイシュなどの外国人戦闘員の本国送還を明記していない国連安保理決議案に拒否権を発動(2020年9月1日)

国連安保理で、ダーイシュ(イスラーム国)などのテロ組織に参加する外国人戦闘員の帰国にかかる安保理決議の採択が行われたが、米国が拒否権を発動し、廃案に追い込んだ。

米国以外の常任理事国4カ国と非常任理事国10カ国はいずれも賛成票を投じていた。

決議案はインドネシアが準備したもの。

ケリー・クラフト米国連代表大使は、決議案に関して「重要な最初のステップについても言及することに失敗している。出身国、あるいは国籍を有している国への送還だ…。米国はこうした意図的で皮肉めいた茶番には参加しない…。決議案は決議が存在しないよりもひどい」と述べ、拒否権を行使した。

ロイター通信(9月1日付)などが伝えた。

AFP, September 1, 2020、ANHA, September 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2020、Reuters, September 1, 2020、SANA, September 1, 2020、SOHR, September 1, 2020などをもとに作成。

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