ロシアのルスヴェスナ(2月19日付)によると、シリア政府とトルコは、ロシア軍の仲介により、アイン・イーサー市(シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配)近郊に位置するトルコ占領下のラッカ県のシャルカラーク穀物サイロで貯蔵されている穀物をシリア政府の支配地域に移送することを合意した。
合意を受けて、貨物トラック4輌がロシア軍の護衛を受けてはトルコ軍の支援を受ける国民軍によって掌握されているシャルカラーク穀物サイロに派遣され、貯蔵されている穀物のうち、約400トンを移送した。
合意はシリア国民のニーズに応えるのが目的だという。
イナブ・バラディー(2月19日付)によると、北・東シリア自治局は、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯およびハサカ県ラアス・アイン市一帯がトルコの占領下に入る前の2019年に、シャルカラーク穀物サイロに小麦1万6000トンと大麦2万5000トンを貯蔵していたという。
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一方、シリア人権監視団は、北・東シリア自治局の貨物車輌8輌がロシア軍の護衛を受けて、穀物を搬出したと発表した。
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また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月19日付)によると、国民軍の司令官の一人ユースフ・ハンムード少佐は声明を出し、「根拠がない」と否定した。
AFP, February 19, 2021、ANHA, February 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2021、‘Inab Baladi, February 19, 2021、Reuters, February 19, 2021、Rus Vesna, February 18, 2021、SANA, February 19, 2021、SOHR, February 19, 2021などをもとに作成。
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