ロシア軍は、ラッカ県アイン・イーサー市一帯からの撤退を拒否するシリア民主軍への対抗措置として、同市とハサカ県タッル・タムル町近郊の基地から突如撤退(2021年2月21日)

シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(2月22日付)、マヤーディーン(2月21日付)、ニダー・フラート(2月21日付)などによると、ロシア軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県とハサカ県内に設置していた基地2カ所から撤退した。

ロシア軍が撤退したのは、ラッカ県のアイン・イーサー市とハサカ県タッル・タムル町近郊の畜産牛センターに設置されていた基地。

ロシアとシリア政府が、トルコ占領下のいわゆる「平和の泉」地域に隣接するラッカ県のM4高速道路沿線のマアラク村、ジャフバル村、サイダー村、ムシャイリファ村、アイン・イーサー国内避難民(IDPs)キャンプをシリア政府に引き渡すよう求めたことを、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が拒否し続けていることを受けた対抗措置。

アイン・イーサー市の基地に駐留していたロシア軍部隊は、ラッカ県タッル・サマン村の基地に、畜産牛センターに駐留していた部隊は、ハサカ県カーミシュリー市にそれぞれ撤退したという。

AFP, February 21, 2021、ANHA, February 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2021、Nida’ al-Furat, February 21, 2021、Qanat al-Mayadin, February 21, 2021、Reuters, February 21, 2021、SANA, February 21, 2021、SOHR, February 21, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.