大統領選挙に立候補して敗れたマフムード・マルイー氏はPYDが支配地域へのシリア軍の展開に同意したと主張(2021年11月23日)

シリア政府支配地域内で活動する反体制派組織で、6月の大統領選挙に立候補して敗れたマフムード・マルイー氏が指導するシリア民主戦線が、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)の使節団と首都ダマスカスで会見し、PYDが北・東シリア自治局の支配地域へのシリア軍の展開に同意したと伝えた。

『ワタン』(11月23日付)が伝えた。

マルイー氏によると、会見に参加したPYDメンバーは、マズルーム・ユースフ氏、ムスタファー・ダルウィーシュ氏、アブドゥルカーディル・ムハンマド氏、ムハンマド・アバシュ氏の4人。

いずれも首都ダマスカス在住で、組織の幹部ではない。

会談のなかで、PYD使節団は、シリアの統一と独立の維持、主権の尊重、そしてシリア民主軍支配地位へのシリア軍の展開、暗礁に乗り上げている問題の解決を前提として、ダマスカスと対話を行う準備ができていると述べたという。

なお、シリア民主戦線は、PYDの幹部の1人アルダール・ハリール氏が11月3日に、シリア政府との対話、北・東シリア自治局の支配地域内の油田地帯の引き渡しへの意思を示して以降、PYDと連絡を撮り続けていたという。

AFP, November 23, 2021、ANHA, November 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 23, 2021、Reuters, November 23, 2021、SANA, November 23, 2021、SOHR, November 23, 2021、al-Watan, November 23, 2021などをもとに作成。

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