外務在外居住者省はグワイラーン刑務所の襲撃・脱獄事件をめぐってシリア民主軍と米国を厳しく非難(2022年1月22日)

外務在外居住者省は、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)の襲撃・脱獄事件に関する声明を出し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と米国を厳しく非難した。

声明の骨子は以下の通り:

ダーイシュとシリア民主軍は過去数日にわたって、ハサカ県の民間人虐殺、インフラ破壊という罪を犯した。米占領部隊、とりわけ航空機がこの攻撃に野蛮なかたちで参加し、老人、子供、女性など無実の民間人が犠牲となった。

数千世帯がシリアの国家が掌握している地域内に安全な場所を求めて避難し、米国や西側諸国がシリアに非道徳的な一方的制裁を科しているにもかかわらず、避難場所、薬、飲料水、暖房、支援物資を提供された。

シリア民主軍は、工業高校を含むハサカ県の多くの学校を占拠し、生徒を追放し、刑務所として流用している。また、ハサカ市内の経済、行政関連機関、病院、クリニックなどの医療機関を占拠しているが、米軍戦闘機とシリア民主軍の犯罪者どもはこれらの施設を容赦なく破壊した。

「テロとの戦い」はメディアでのプロパガンダでも、偽りのスタンスでもない。

シリア・アラブ軍とその同盟者たちは、「テロとの戦い」を通じて、シリアの国土の大部分を犯罪から解放し、テロリストと協力しているのが米国とその手先のヌスラ戦線(現在のシャーム解放機構)などのテロ民兵であることを証明した。彼らは、米国やトルコの指示に従って、シリアなどこの地域の国々に治安と安定をもたらそうとしている市民の意思に反した行動をとっている。

シリア・アラブ共和国は、改めて、米軍とトルコ軍の撤退を要求し、米国とシリア民主軍の行為が戦争犯罪、人道に対する犯罪のレベルに達しているとみなす。

国連の人道関連機関、そのほかの人道関連機関に、避難を余儀なくされた住民への緊急支援を求める。

国連安保理に、シリア北東部において無垢の民間人を守り、国際の平和と安全を維持するための責任を果たすよう求める。

SANA(1月22日付)が伝えた。

AFP, January 22, 2022、ANHA, January 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2022、Reuters, January 22, 2022、SANA, January 22, 2022、SOHR, January 22, 2022などをもとに作成。

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