北・東シリア自治局渉外関係委員会は、ダーイシュによるグワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件をめぐってシリア民主軍と米国を非難した前日の外務在外居住者省声明に「滑稽でばかげている」と反論(2022年1月23日)

北・東シリア自治局の渉外関係委員会(外務省に相当)は声明を出し、シリア政府と北・東シリア自治局が共同統治するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)でのダーイシュ(イスラーム国)メンバーの襲撃・脱獄事件に関して1月22日に外務在外居住者省が出した声明を非難した。

声明の骨子は以下の通り:

10年間にわたるシリアの危機は深刻化し、複雑な様相を呈しており、シリアが苛まれている悲惨な人道、政治、経済状況の最大の責任はシリアの体制にある。

占領国トルコによって破壊とシリア国土の一部の占領が行われているなか、シリアで起きていることに対してより大きな責任を伴う政策が必要だったが、責任を果たそうとする姿勢を欠いていた。

我々は、シリアの体制がショーヴィニズムに満ちた非合理的な言説で、テロと戦うシリア民主軍を攻撃し、ハサカ市のグワイラーン刑務所での事件について、テロリストに対する抵抗を戦争犯罪だと述べている。2015年にテロリスト100人を前に体制とその軍が逃げ出した同じ場所を、その後人民防衛隊(YPG)と女性防衛隊(YPJ)が解放したにもかかわらずだ。

体制の外務省、ファイサル・ミクダードが行うこの手の発言は滑稽でばかげている。体制は今日シリアで何が起きているのか、10年にわたって行われた民間人に対する殺戮と強制移住について自問すべきだ。

ハサカ市はシリアの都市であるにもかかわらず、誰が同市をダーイシュから防衛してきたのかを忘れ、北・東シリア自治局との対話に体制が失敗したことを正当化するための手段としてダーイシュを利用しているようだ。

我々はこうした無責任な声明を非難する。

体制の外務省は、国連安保理、国連の場でトルコの行動、占領、その傭兵どもの行動を抑える責任を果たすべきだ。

我々は、体制が自らの殻から抜け出し、シリアでの出来事やその進展に対する自らの施政について慎重に考える必要があると言いたい。

ANHA(1月23日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2022、ANHA, January 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2022、Reuters, January 23, 2022、SANA, January 23, 2022、SOHR, January 23, 2022などをもとに作成。

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