バイデン米大統領はイドリブ県アティマ村近郊で空挺作戦でダーイシュのクラシー指導者を殺害したと発表(2022年2月3日)

ジョー・バイデン米大統領は2月2日未明にイドリブ県アティマ村近郊で米特殊部隊が行った空挺作戦について、以下のような報道声明を出した。

昨夜、私の指示で、米軍部隊がシリア北西部で米国民と我が国の同盟国を防衛するための対テロ作戦を実行し、世界をより安全な場所とした。我が武装部隊の技能と勇気のおかげで、我々はISIS(ダーイシュ(イスラーム国))の指導者はアブー・イブラーヒーム・ハーシミー・クラシーを戦場から排除した。すべての米国民がこの作戦によって安全を取り戻した。米国民に向けて今朝遅くに説明を行うつもりだ。神が我が部隊を守りますように。

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その後、バイデン大統領はホワイト・ハウスのルーズヴェルト・ルームで声明を発表した。

内容は以下の通り。

昨夜、私の命令を実行するかたちで、米軍部隊が世界にとって最大のテロの脅威を取り除くことに成功した。ハッジー・アブドゥッラーとして知られるISISの世界的指導者だ。

彼は、米国が対テロ作戦によって(アブー・バクル・)バグダーディーを殺害した後、2019年にISISの指導者となった。

以降、ISISは米国民、我々の同盟国、協力者、さらには中東、アフリカ、南アジアの数えきれない民間人を狙ってテロ作戦を指揮してきた。

ハッジー・アブドゥッラーはISIS関連のテロ・グループが社会に蛮行を行い、無垢の人々を殺害して、世界中に拡散するのを監督した。

彼は、ISISの戦闘員を収容するシリア北東部の刑務所に対して最近行われた野蛮な攻撃の責任者だった。この攻撃は我々の勇敢な協力者である(人民防衛隊(YPG)主体の)シリア民主軍によってすみやかに対処された。

彼は2014年のイラク北西部でのヤズィーディー教徒に対するジェノサイドを推し進める原動力だった。

我々は皆、凄惨な出来事を忘れていない。村々を一掃するような大量虐殺、数千という女性や少女が奴隷として売られ、レイプが武器として利用された。

我が部隊の勇敢さのおかげで、この恐るべきテロ指導者はもう存在はしない。

我が部隊は…正確に作戦を遂行した。私は国防総省に対して、民間人の死傷者を最小限に抑えるために可能な限りの予防策を講じるよう指示した。

このテロリストが子供を含む家族に自らを囲ませることを選んだのを知って、我々は爆撃で彼を狙うのではなく、我が国民にとってよりも大きなリスクを伴う特殊部隊の強襲を行うことを選択した。我々は民間人の犠牲者を最小限に抑えるためにこの選択を行った。

我々のチームは報告書を作成している段階だ。だが、我々が知っているのは、我々の部隊がテロリストを捕まえようと接近した際、彼が自暴自棄な臆病さから、自分の家族や建物内の他の人の生命を顧みず、(自爆用)のベストを身に着けるだけでなく、3階でこれを爆破させるという最後を選んだことだ。自分が犯した罪に対する正義を受け入れることなく、前任者と同じように家族の数名を道連れにした。

私は、信じられないほど挑戦的なこの任務を見事に遂行した米軍部隊の計り知れない勇気と技能、そして決意に感謝している。

我々の軍のメンバーは、この国にとって鋼のように固い背骨をなしており、我々の国と米国民、さらには我々の同盟国を安全に保つために、自らを危険に晒す準備が常にできている。

我々の軍のメンバーの家族にも感謝している。あなた方は、愛する人たち、すなわち兵士、船員、海兵隊員、特殊部隊と共に奉仕し、彼らがなすべきことを行うために必要な力と支援を彼らに与えている。

我々の軍のメンバーと家族へ。私たちは永遠に感謝している。あなたが我々ののためにしてくれたことに対して。我々ははあなた方に多くを負っている。ありがとう。

我々はまた、シリア民主軍との重要なパートナーシップにも支えられている。

私は、献身的な我々の諜報機関、国防総省、政府内の国家安全保障チームのメンバーに対して政府を通じて称賛したい。数カ月にわたる慎重かつ弛まぬ努力によって、この任務は成功した。

この作戦は、テロリストが世界のどこに隠れようと、その脅威を排除するべく米国が追い詰めることができることを示すものだ。

私には米国民をテロの脅威から防衛する決意があり、この国を防衛するために断固たる行動を取る。

また、我々は緊密なる同盟国や協力者、すなわちシリア民主軍、クルド人のペシュメルガを含むイラク治安部隊、世界規模の有志連合に参加する80カ国以上との協力を続ける。ISISに圧力をかけ続け、我々の故郷を防衛するために。

我々は警戒を続ける。我々は準備を続ける。

昨夜の作戦は、主要なテロ指導者を戦場から排除した。そして、世界中のテロリストに強いメッセージを送った。我々はお前たちを追跡し、見つけ出す。

繰り返しになるが、我々は今日も、米国民を安全に保ち、世界中の同盟国や協力者の安全を強化するための絶え間ない努力を続けている。

みなに感謝したい。神があなた方を祝福しますよう。神が我々の部隊を守ってくれように

私は今からニューヨークに向かう。時間が押している。時間をとってくれてありがとう。感謝する。

なお、バイデン米大統領、国防総省は、どのようにクラシー指導者の身元を特定したかについては明らかにしなかった。

AFP, February 3, 2022、ANHA, February 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2022、Reuters, February 3, 2022、SANA, February 3, 2022、SOHR, February 3, 2022などをもとに作成。

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