大統領府は声明を出し、ルガンスク、ドネツク両共和国の独立を承認(2022年2月22日)

大統領府は声明を出し、シリアがルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の独立を承認したとのメディアの報道についてコメントを発表した。

声明の内容は以下の通り。

各メディアは、シリアがルガンスク共和国およびドネツク共和国を承認したと報じた。

シリア・アラブ共和国大統領府は、ドミトリー・サーブリン連邦議会下院(ドゥーマ)議員(ロシア・シリア友好委員会代表)を団長とし、ドネツク共和国代表も参加するロシアの議員使節団が、今回の事態進展の2か月前の2021年12月21日にダマスカスを訪問した際に、バッシャール・アサド大統領が、ドネツク共和国を承認するとのシリア側の意欲を示し、同国との関係構築開始について合意を交わしていたことを明らかにしたい。

シリア・アラブ共和国のこの姿勢は、ウクライナ危機が米国を筆頭とする西側諸国によってもたらされた問題で、諸国民を分断し、ロシアの国家安全保障を脅かそうとするものだとの確信に基づいている。また、西側の政策に対抗することが、覇権に抗うすべての諸国民にとっての共通の持続的利益につながり、シリアはあらゆる可能な手段をもって対抗しなければならないとの確固たる原則に立脚している。

シリアは、ルガンスク、ドネツク両共和国との共通の利益、相互互恵の枠組みのなかで、両国との関係構築、関係強化のために取り組む用意があることを確認する。

シリア・アラブ共和国大統領府

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ロシアを訪問中のファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、首都モスクワでのヴァルダイ国際討論クラブの会合で講演を行い、ロシアによるルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国の独立承認について、国際の平和、国際法、国連憲章、平和な国際関係を守る措置だとして支持を表明した。

ミクダード外務在外居住者大臣は、2月21日のヴラジーミル・プーチン大統領による両国の独立承認が「西側諸国、そしてこれらの国々が長らく行ってきた脅迫への対抗の分岐点」としたうえで、「欧米諸国は世界各地を侵略し、テロを支援し、力、欺瞞、圧力を駆使し、こうした方法をとる者を民主的で自由だとみなす一方で、こうした方法への服従を拒否する者を民主主義や自由の敵とみなしている」と非難した。

SANA(2月22日付)が伝えた。

AFP, February 22, 2022、ANHA, February 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2022、Reuters, February 22, 2022、SANA, February 22, 2022、SOHR, February 22, 2022などをもとに作成。

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