イラクの動き(2014年6月10日)

マダー・プレス(6月10日付)は、ニナワ県治安筋の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は治安部隊と交戦の末、モスル市の国際空港、ガズラーニー軍事基地を制圧、またイラク軍部隊の撤退を受けモスル市南部のカイヤーラ空軍基地を制圧した。

またダーイシュは、テロ容疑でモスル市内の刑務所・拘置所に3カ所を制圧し、収監・拘置されていた約3,000人を解放した。

一方、ドーアン・ニュース(6月10日付)は、トルコ高官の話として、モスル市でトルコ人貨物車輌運転手28人がダーイシュに拉致されたと報じた。

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キルクーク県スライマーン・ベク地区のムハンマド・バヤーティー地区長はマダー・プレス(6月10日付)に、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員数十人が同地区に潜入し、警察官数名を殺害、同地区を制圧したことを明らかにした。

またキルクーク県警察によると、フワイジャ郡、ザーブ地区、リヤード地区、アッバースィー地区、ラシャード地区などから治安部隊が撤退し、ダーイシュが同地を制圧したほか、シャルカート郡のクナイトラ村、フマイサート村、シャイフ・ハマド村、カンウース村、マシュハド村、スライマーン村も制圧した。

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マダー・プレス(6月10日付)は、サラーフッディーン県軍消息筋の話として、ダウル郡にあるイラク軍兵舎をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃し、士官1人と兵士1人が殺害されたと報じた。

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マダー・プレス(6月10日付)は、内務省筋の話として、首都バグダード西部のアブー・グライブ郡ザイダーン村で軍とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦したと報じた。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるモスル市の制圧に関して「深刻な懸念を感じている」と述べ、イラク政府への支援を行うとの意思を示した。

AFP, June 10, 2014、AP, June 10, 2014、ARA News, June 10, 2014、Champress, June 10, 2014、Dogan Haber Ajansi, June 10, 2014、al-Hayat, June 11, 2014、Kull-na Shuraka’, June 10, 2014、al-Mada Press, June 10, 2014、Naharnet, June 10, 2014、NNA, June 10, 2014、Reuters, June 10, 2014、SANA, June 10, 2014、UPI, June 10, 2014などをもとに作成。

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