シリア反体制勢力の動き(2014年6月11日)

自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)は、イラクのニナワ県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢を受けるかたちでインターネットを通じて声明を出し、「サウジアラビア、トルコ、カタール、UAE、ヨルダンを筆頭とする友好国に対して、テロリスト・ダーイシュに対抗するためにダイル・ザウル県で活動する武装大隊・旅団を支援することを求める」と発表した。

また声明で、最高軍事評議会は、「ダイル・ザウル県で活動する武装大隊・旅団がアサドの悪党とテロリスト・ダーイシュに対抗する一致団結して対抗する必要」があると訴えた。

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UP(6月11日付)は、ツイッターからの情報として、シャームの民の合同作戦司令室、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線が、アレッポ県マンビジュ市、バーブ市などからイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を放逐するための新たな作戦の開始を発表した、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のムハンマド・ハイイル・ワズィール氏(政治委員会メンバー)は、イラクのニナワ県、サラーフッディーン県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢に関して、「マーリキー政権は、シリア国民に戦争を行うアサド政権の基本的パートナーだ」としたうえで、マーリキー政権が「シリアに展開しているダーイシュの残党がイラク領に入ることを戦略的に保障している」と断じた。

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クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方のレバノン国境に近い無人地域で活動する反体制武装集団がビデオ声明を出し、「カラムーンの男たち」と称する新たな武装集団を結成した。

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クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、ダマスカス県南部のカダム区、タダームン区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で活動する「自由シリア軍」の武装集団とゴラン・トルクメン旅団が「トルキスターン・イスラーム党」を結成した。

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クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、シリア国内で反体制活動を続けるマイス・クライディー女史(スワイダー県出身、ドゥルーズ派)が、レバノン民主党(3月8日勢力)のタラール・アルスラーン党首とハルダ村(レバノン山地県アレイ郡)のアルスラーン邸で会談し、対イスラエル闘争、占領地解放などについて意見を交わした。

会談には同じく国内で活動する反体制活動家のニダール・サブア氏も同席した。

クライディー女史は5月に国内で反体制組織「国民行動救済戦線」の発足メンバー。

AFP, June 11, 2014、AP, June 11, 2014、ARA News, June 11, 2014、Champress, June 11, 2014、al-Hayat, June 12, 2014、Kull-na Shuraka’, June 11, 2014、al-Mada Press, June 11, 2014、Naharnet, June 11, 2014、NNA, June 11, 2014、Reuters, June 11, 2014、SANA, June 11, 2014、UPI, June 11, 2014などをもとに作成。

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