OCHAは今年初となる境界経由(クロス・ライン)の人道支援を行い、政府支配地からシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に人道支援物資を搬入(2023年1月8日)

イドリブ県では、国際連合人道問題調整事務所(OCHA)のシリア事務所がツイッターのアカウント(https://twitter.com/OCHA_Syria/)を通じて発表したところによると、人道支援物資を積んだ車列が、国連安保理決議第2575号、第2642号が定める境界経由(クロス・ライン)の人道支援の一環として、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市方面から、M4高速道路沿線のタルナバ村の通行所を経由して、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」内に入った。

シリア人権監視団などによると、車列は18輌の貨物車輌からなる。

クロス・ラインでの人道支援が行われるのは2023年に入って初めて。

車列の移動に際して、シャーム解放機構の部隊がサラーキブ市とイドリブ市を結ぶ街道、M4高速道路のサラーキブ市・アリーハー市区間に多数展開し、厳戒態勢が敷かれた。

AFP, January 8, 2023、ANHA, January 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2023、Reuters, January 8, 2023、SANA, January 8, 2023、SOHR, January 8, 2023などをもとに作成。

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