ロイター通信:ロシアは18ヶ月に期間を限定した「立憲改革プロセス」(移行プロセス)をシリア政府に提案か?(2015年11月10日)

ロイター通信(11月10日付)は、14日にオーストリアの首都ウィーンで再開予定のシリア紛争に関する外相会議に向け、ロシアがシリア政府に対し、18ヶ月に期間を限定した立憲改革プロセスの開始と、その後の大統領選挙の前倒しを骨子とする案を受諾させようとしている、と伝えた。

8項目からなるとされるこの案では、「国民が選出するシリアの大統領は、軍の司令官としての役割を有し、特殊政務、外交政策を統括する」と明記されているという。

紛争解決に向けた政治プロセスに参加する反体制派に関しては、「統一代表団」を発足し、その人選に関してあらかじめ合意しなければならない、と明記しているという。

また「反体制派は、テロリストによる権力掌握を阻止し、シリアの主権、領土保全、そして政治的独立を維持するという目標、さらには国家の世俗的、民主的正確を保持するという理念を共有しなければならない」とも付言しているという。

しかし、これに関して、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は「この情報は現実を一致しない」と述べ、否定した。

AFP, November 10, 2015、AP, November 10, 2015、ARA News, November 10, 2015、Champress, November 10, 2015、al-Hayat, November 11, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相「安全保障のため、対シリア国境でアル=カーイダと特別な関係を築いている」(2015年11月9日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は訪問先のワシントンDCで、バラク・オバマ米大統領と会談し、シリア情勢への対応などについて意見を交わした。

米国の複数のメディアが伝えたところによると、会談ではシリアの将来についての議論に多くの時間が割かれ、ネタニヤフ首相はオバマ大統領に対して、ゴラン高原の境界地域におけるアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線とイスラエルとの「特別な関係」について理解を求めたという。

すなわち、会談のなかで、ネタニヤフ首相は「イスラエルは実際、ヌスラ戦線に属するシリア領内のグループと国境地帯で特別な関係を築いている…。この関係はイスラエルの安全を保障
するためで、ヌスラ戦線の能力を強化することではない」と述べたという。

ネタニヤフ首相はまた、オバマ大統領に対して、シリア紛争の政治的解決に向けた合意形成プロセスに、シリアのアサド政権を参加させるよう求めたという。

さらに、ネタニヤフ首相は「我々はシリア領内からの攻撃に対して寛容ではいられない。我々はイランがゴラン高原で我々に対する戦線を開くことを許さない。我々はシリアからレバノンへの武器の輸送を阻止する」と述べ、シリア情勢および対ヒズブッラー政策におけるイスラエルの「レッド・ライン」を示したという。

ARA News(11月11日付)などが伝えた。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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フランスのル・ドリアン国防大臣「フランス軍は8日晩、ダイル・ザウル県郊外にあるダーイシュ(イスラーム国)の石油配給地点を爆撃した」(2015年11月9日)

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン国防大臣は、訪問先のセネガルの首都ダカールで、「我々は昨日(8日)晩、シリアに介入し、イラク・シリア国境のダイル・ザウル県郊外にある石油配給地点を空爆した」ことを明らかにした。

『ハヤート』(11月10日付)などが伝えた。

AFP, November 11, 2015、AP, November 11, 2015、ARA News, November 11, 2015、Champress, November 11, 2015、al-Hayat, November 12, 2015、Iraqi News, November 11, 2015、Kull-na Shuraka’, November 11, 2015、al-Mada Press, November 11, 2015、Naharnet, November 11, 2015、NNA, November 11, 2015、Reuters, November 11, 2015、SANA, November 11, 2015、UPI, November 11, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍は過去3日間にシリア領内で137回の爆撃を実施(2015年11月9日)

ロシア国防省は、ロシア軍が過去3日間で137回出撃し、アレッポ県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ラタキア県、ラッカ県、ハマー県、ヒムス県で、ダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の施設448カ所を破壊したと発表した。

ヒムス県では、カフルヌブーダ町でSu-24M戦闘爆撃機がシャームの民のヌスラ戦線の車輌工場を破壊した。

ラタキア県では、ダウ山で、ヌスラ戦線の迫撃拠点を破壊した。

アレッポ県では、東クワイリス町で、ヌスラ戦線のキャンプを破壊した。

イドリブ県では、ズィルバ村で、Su-34戦闘爆撃機がヌスラ戦線の司令拠点を破壊した。

ラッカ県では、ラッカ市郊外で、Su-34戦闘爆撃機がダーイシュの武器弾薬庫を破壊した。

ヒムス県では、マヒーン町で、ヌスラ戦線の武器弾薬庫を破壊した。

ダマスカス郊外県では、ムガール山近郊で、ダーイシュの武器弾薬庫を破壊した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 10, 2015、Kull-na Shuraka’, November 10, 2015、al-Mada Press, November 10, 2015、Naharnet, November 10, 2015、NNA, November 10, 2015、Reuters, November 10, 2015、SANA, November 10, 2015、UPI, November 10, 2015などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で15回の爆撃を実施(2015年11月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して31回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は15回、ハサカ市近郊(3回)、フール町近郊(6回)、ダイル・ザウル市近郊(6回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 10, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機は6~8日までの3日間で137回出撃し、448の標的を破壊する一方、シリア軍戦闘機は98回出撃し、反体制武装集団の司令拠点、車輌などを破壊(2015年11月9日)

SANA(11月9日付)によると、ロシア軍は11月6日から8日までの3日間で、137回の出撃を行い、アレッポ県、ダマスカス郊外県、イドリブ県、ラタキア県、ラッカ県、ヒムス県、ハマー県のテロ組織の標的448カ所を破壊した。

ロシア軍の空爆で破壊されたのは、司令拠点78カ所、武器燃料庫31カ所、車輌整備工場11カ所、爆弾製造工場6カ所、拠点・壕などの拠点60カ所。

一方、シリア・アラブ軍報道官は、シリア軍も11月6日から8日までの3日間で98回の出撃を行い、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ハマー県、アレッポ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ラッカ県のテロ組織拠点多数を破壊したと発表した。

シリア軍の空爆で破壊されたのは、ヒムス県カルヤタイン市、タルビーサ市、ダマスカス郊外県東グータ地方、イドリブ県ハーン・シャイフーン県にある反体制武装集団の壕・拠点5カ所と司令拠点3カ所、アレッポ県航空士官学校一帯、ヒムス県シャーイル・ガス採掘所、柑橘園一帯、ジュッブ・ジャッラーフ村東部に展開していた車輌10台、ハマー県カフルズィーター市、ラターミナ町の武器弾薬庫複数カ所、ダルアー県ダルアー市旧税関地区、アトマーン村一帯、ジュライン村東部などの拠点複数カ所と車輌9台。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市南部、ハマー県北部でシリア軍とアル=カーイダ系組織の攻防続く(2015年11月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部のタッル・ハースィル村を空爆する一方、ジハード主義武装集団はバンジーラ山でシリア軍戦車を破壊した。

またアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は、アレッポ市南部郊外のトゥライラート村(ハーディル村近郊)を、シリア軍と交戦の末に制圧した。

なおシャーム自由人イスラーム運動の司令官によると、この村の防衛にあたっていた戦闘員のほとんどは、イラク人民兵からなるアフル・ハック団のメンバーで、うち10人を殺害したという。

一方、クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、ジハード主義武装集団はタッル・マムー村を奪還した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部に位置するマアーン村一帯で、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団とシリア軍、国防隊が激しく交戦した。

マアーン村で双方が砲撃戦を行うなか、シリア軍はバドリーヤ村、ラターミナ町などに対しても空爆を行った。

これに対して、ジハード主義武装集団はムーリク市南部のアッブード検問所に対して重火器で攻撃を加えた。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、サルジャ村、サイヤード村でファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、反体制武装集団がタッル・サフル村および同村南部の穀物サイロを制圧した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、ダルアー市内で、南部タウヒード旅団の司令官らに対して何者かが銃を乱射し、殉教者ウマリー大隊のイブラーヒーム・ムサーリマ司令官が死亡した。

なお、クッルナー・シュラカー(11月9日付)は、10月以降ダルアー県内で何者かによる暗殺作戦が増加、犠牲となった反体制武装集団の司令官の数が30人にのぼっていると伝えた。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がUNESCO世界文化遺産を擁するブスラー・シャーム市東部地区、アトマーン村、ダルアー市バジャービジャ地区などでシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境近くに設営されている避難民キャンプが攻撃(空爆か砲撃かは不明)を受けた。

クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、ウービーン村の避難民キャンプにロシア軍と思われる戦闘機がクラスター爆弾を投下し、避難民6人が死亡したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーヒヤト・アサド町各所に迫撃砲弾複数発が着弾する一方、シリア軍はダーライヤー市を地対地ミサイル14発、「樽爆弾」6発で攻撃、また10回以上にわたって空爆を実施した。

またマルジュ・スルターン村一帯では、シリア軍、国防隊がイスラーム軍などのジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ドゥーマー市、サクバー市東部農園地帯で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市で反体制武装集団の拠点に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、November 10, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末シャイフ・アフマド村一帯(アレッポ市)を完全制圧、ダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地に迫る(2015年11月9日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とロシア軍の戦闘機が、シャイフ・アフマド村一帯を空爆するなか、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系の外国人戦闘員がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同村およびその周辺地域を制圧した。

これにより、シリア軍はダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地まで2キロ強の距離に迫った。

SANA(11月9日付)も、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、シャイフ・アフマド村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同村一帯を完全制圧したと伝えるとともに、シリア軍が、ジャービリーヤ村、マフラサ村、ダクワーナ村、クワイリス航空基地一帯、タッル・アフマル村北部などのダーイシュ拠点を空爆したと報じた。

他方、ARA News(11月9日付)によると、アレッポ市東部のシャイフ・ナッジャール市工業団地地区内のシリア軍拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が奇襲した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊はタドムル市西方のドゥーワ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またロシア軍と思われる戦闘機がカルヤタイン市、マヒーン町、ウンク・ハワー村、フワーリーン村、ウンム・サフリージュ村のダーイシュ拠点などを空爆した。

またシリア政府支配下のウンム・サルジュ村に迫撃砲弾2発が着弾した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がウンク・ハワー村、タドムル市郊外の柑橘園に至る街道、マヒーン町一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がフール町郊外のバフラ・ハーヌーティーヤ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、ARA News(11月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、フール町郊外のバフラト・ハーヌーティーヤ村近郊の複数拠点を制圧した。

また、ARA News(10月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がフール町郊外でのダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、東ブーサ村およびブーサ村を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。

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ハマー県では、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がウカイリバート町でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、November 10, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県の「穏健な反体制派」が新たな武装連合組織「新シリア軍」を結成、「誠実なムジャーヒディーン」との共闘を宣言(2015年11月9日)

自由シリア軍を名乗るアサーラ・ワ・タンミヤ戦線は宣伝ビデオを出し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための新たな武装連合組織「新シリア軍」を結成したと発表、ダーイシュ以外のジハード主義武装集団との共闘の意思を表明した。

Youtube, November 9, 2015
Youtube, November 9, 2015
Youtube, November 9, 2015
Youtube, November 9, 2015

宣伝ビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=ZuQxqC3L8NE)には、シリア国外で米国製の武器の使用訓練を受けたとされる軍服姿の戦闘員の訓練の様子が映し出され、また新シリア軍司令官のハズアル・スィルハーン氏が委任統治時代のシリア国旗を掲げ、以下の通り表明している。

「新シリア軍が発足され、ダーイシュ、そして彼らに忠誠を誓うすべての組織を殲滅するだろう…。新シリア軍はあらゆる近代兵器、特殊兵器の使用について優れた教練を受けており、ダーイシュが我々の手、そして自由シリア軍の手に対してかけている枷を破壊するだろう…。我々は、この軍がアッラーの道のみに沿って、その銃を共通の敵、すなわちダーイシュとその協力者に対して向ける。また新シリア軍の銃は、すべての誠実なるムジャーヒディーンの銃とともにある」。

「新シリア軍」(New Syrian Army)は、米国がトルコでの軍事教練を通じて育成しようとしていた「穏健な反体制派」による武装組織の別称。

一次隊がシャームの民のヌスラ戦線の攻撃で事実上壊滅し、二次隊がヌスラ戦線に装備を譲渡していた「第30(歩兵)師団」も、米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が「新シリア軍」と呼んでいた。

なお新シリア軍の司令官はハズアル・スィルハーン氏が務める。

『ハヤート』(11月10日付)によると、スィルハーン氏は、ダイル・ザウル県で活動する「自由シリア軍」の司令官の一人で、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線に所属するアッラーフ・アクバル大隊の司令官を務めていた。

オリエント・ニュース(11月9日付)によると、スィルハーン氏は2014年7月にダーイシュがダイル・ザウル県で勢力を拡大すると、シリア西部の砂漠地帯に撤退した戦闘員の一人。

ダイル・ザウル県からシリア西部に移動した武装集団のなかには、東部獅子軍を結成し、ダマスカス郊外県のカラムーン地方、ヒムス県カルヤタイン市などでダーイシュに対する武装闘争を開始した者もいる(https://syriaarabspring.info/?p=11749)。

ダマスカス郊外県カラムーン地方で現在も潜伏しているとされる東部獅子軍に関して、スィルハーン氏は「東部獅子軍と新シリア軍は表裏一体で一つの組織をなしている」と述べているという。

AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Orient News, November 9, 2025、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で13回の爆撃を実施(2015年11月8日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月8日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は13回、ブーカマール市近郊(3階)、ハサカ市近郊(4回)、フール町近郊(5回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 9, 2015などをもとに作成。

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最新論考「シリア紛争解決をめざす「ウィーン・プロセス」において合意されていないグレー・ゾーン」(Yahoo Japan! News)

青山弘之「シリア紛争解決をめざす「ウィーン・プロセス」において合意されていないグレー・ゾーン」

Yahoo Japan! News、2015年11月8日

http://bylines.news.yahoo.co.jp/aoyamahiroyuki/20151108-00051244/

10月23日にオーストリアの首都ウィーンで、米国、ロシア、サウジアラビア、トルコの外相が一同に会し、シリア情勢への対応をめぐる協議(ウィーン1会議)を開始した。同月30日、この4カ国に加えて、イラン、エジプト、ヨルダン、カタール、中国など13カ国の外相(中国は副外相)、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表、EU外相も協議(ウィーン2会議)に参加、シリア紛争解決に向けた共同声明(ウィーン合意)を発表し、11月13日に開催予定の3度目の協議(ウィーン3会議)に向けた調整作業を続けている。

「ウィーン・プロセス」とでも言うべきこのプロセスについては、バッシャール・アサド大統領の進退をめぐって参加国間に意見の隔たりがあるといった報道が多くなされているが、実際のところこのプロセスにおいてどのような問題が争点となっているのだろうか?・・・

イドリブ県各所をロシア軍機と思われる戦闘機が爆撃し、10人以上が死亡、シリア軍がアレッポ市南部の複数の村を制圧(2015年11月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市各所を空爆し、子供1人を含む9人が死亡した。

ロシア軍と思われる戦闘機はまた、サラーキブ市のジハード主義武装集団拠点を空爆し、女性2人が死亡した。

一方、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がイドリブ市、ハーン・シャイフーン市のジハード主義武装集団拠点を空爆した。

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アレッポ県では、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がアレッポ市南部のバラーウィー村、アズィーズィーヤ村、マムー丘一帯を反体制武装集団との戦闘の末、制圧した。

シリア軍はまた、ハルサ村、カラースィー村南部、ダクワーナ村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにアレッポ市内では、ライラムーン地区、アシュラフィーヤ地区に侵入しようとしたジハード主義武装集団を撃退した。

一方、ARA News(11月8日付)によると、シリア軍はアレッポ市旧市街内の複数の建物群を攻撃、また反体制武装集団が掘削した地下トンネルを破壊し、戦闘員1人が死亡した。

またロシア軍戦闘機もアレッポ市旧市街各所を空爆し、住民15人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団はシリア政府支配下のアレッポ市内の複数の地域に迫撃砲を撃ち込み、住民8人が死亡した。

他方、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、アレッポ市南部のカラースィー村、フワイズ村一帯でのシリア軍との戦闘で、イラン人士官および兵士40人を殺害したと主張した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のアクラマ地区、ワーディー・ザハブ地区で仕掛け爆弾が3度にわたり相次いで爆発し、住民15人が負傷した。

これに対して、シリア軍が、ヒムス市ワアル地区、タルビーサ市各所を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がジュッブ・アフマル村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

一方、SANA(11月8日付)は、シリア軍地元司令官の話として、ガマーム村およびガマーム山一帯をシリア軍が制圧していると改めて伝えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハラスター市一帯でジハード主義武装集団と交戦、ザマルカー町各所を砲撃した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市各所を「樽爆弾」、地対地ミサイルなどで空爆、同市周辺ではジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、バラダー渓谷一帯でもシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、イスラーム軍参謀委員会のハムザ・バイラクダール報道官は、クッルナー・シュラカー(11月8日付)に対して、マルジュ・スルターン村一帯でのシリア軍との激しい戦闘の末に、シリア軍のT-72を破壊、拠点複数カ所を奪還したとしつつ、東グータ地方を見下ろす丘陵地帯の複数の拠点から撤退したことを明らかにした。

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ハマー県では、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、アトシャーン村、アース丘の反体制武装集団拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまたマアルカバ村でシャーム戦線と交戦し、戦闘員8人以上を殲滅した。

さらに、ムーリク市、カフルヌブーダ町、スカイク丘、ウスマーン丘一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区、旧税関地区西部、ムザイリーブ町北部、アトマーン村北部でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ムジャーヒディーン軍は11日、海岸地区機甲大隊司令官のアンマール・マダニーヤ氏がクルド山での戦闘で戦死したと発表した。

AFP, November 8, 2015、AP, November 8, 2015、ARA News, November 8, 2015、Champress, November 8, 2015、al-Hayat, November 9, 2015、Iraqi News, November 8, 2015、Kull-na Shuraka’, November 8, 2015、November 11, 2015、November 9, 2015、al-Mada Press, November 8, 2015、Naharnet, November 8, 2015、NNA, November 8, 2015、Reuters, November 8, 2015、SANA, November 8, 2015、UPI, November 8, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市が所属不明の戦闘機の爆撃を受け、10人が死亡(2015年11月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点都市の一つバーブ市で7日深夜から8日未明にかけて戦闘機(所属不明)による空爆が行われ、子供1人、女性1人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がラスム・アッブード村、ジャービリーヤ村、ハミーミーヤ村、アブー・ダンナ村、航空士官学校一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市各所を空爆した。

一方、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がマヒーン町、フワーリーン村、タドムル市東部、アーラーク油田一帯、フナイフィース村、ウンク・ハワー村、ウンム・サフリージュ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月8日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャフラ村のダーイシュ(イスラーム国)を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(11月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がフール町郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュのアミール2人を殺害した。


AFP, November 8, 2015、AP, November 8, 2015、ARA News, November 8, 2015、November 9, 2015、Champress, November 8, 2015、al-Hayat, November 9, 2015、Iraqi News, November 8, 2015、Kull-na Shuraka’, November 8, 2015、al-Mada Press, November 8, 2015、Naharnet, November 8, 2015、NNA, November 8, 2015、Reuters, November 8, 2015、SANA, November 8, 2015、UPI, November 8, 2015などをもとに作成。

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ロシア人現役および退役軍人3人が使用するSNSアカウントがシリア領内で利用(2015年11月8日)

ロシア人ブロガーのルスラン・レヴィーヴ氏は自身が運営するライヴ・ジャーナル(http://ruslanleviev.livejournal.com/)で、少なくともロシア人現役および退役軍人3人が使用するSNSアカウントがシリア領内で利用されていると発表、シリア国内での地上戦にロシア軍兵士が参加している可能性が高いと指摘した。

『ハヤート』(11月9日付)が伝えた。

AFP, November 8, 2015、AP, November 8, 2015、ARA News, November 8, 2015、Champress, November 8, 2015、al-Hayat, November 9, 2015、Iraqi News, November 8, 2015、Kull-na Shuraka’, November 8, 2015、al-Mada Press, November 8, 2015、Naharnet, November 8, 2015、NNA, November 8, 2015、Reuters, November 8, 2015、SANA, November 8, 2015、UPI, November 8, 2015などをもとに作成。

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シリア人権ネットワークはシリア軍の樽爆弾で10月だけで69人が死亡したと発表、一方、5日に有志連合が爆撃を実施したブーカマール市での犠牲者は71人(2015年11月8日)

シリア人権ネットワークは、シリア軍による「樽爆弾」での空爆の被害について、10月1ヶ月間での犠牲者が69人にのぼったとする報告書を発表した。

シリア人権ネットワークによると、シリア軍は10月の1ヶ月間で1,438発の「樽爆弾」をシリア各地に投下、子供9人、女性8人を含む69人が犠牲となったという。

一方、有志連合の合同司令部は6日、11月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回、フール町近郊(3回)、ハサカ市近郊(2回)、ブーカマール市近郊(4回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

なお、シリア人権監視団によると、5日には、ダイル・ザウル県ブーカマール市各所を戦闘機(所属不明)が空爆し、死者数が71人(うち民間人31人、身元不明者18人)が死亡した。

同監視団によると、空爆は、ブーカマール市中心街の市場内に設置されたダーイシュの本部に対して行われたため、民間人の犠牲者が多く出たという。

この空爆に関して、クッルナー・シュラカー(11月6日付)は、ロシア軍によるものだとしたうえで、ダーイシュの戦闘員は1人も死亡しなかったと伝えた。

 

しかし、その後、クッルナー・シュラカー(11月12日付)は、複数の消息筋の話として、ブーカマール市に対するこの空爆がシリア軍によるものだと伝えた。

AFP, November 8, 2015、AP, November 8, 2015、ARA News, November 8, 2015、Champress, November 8, 2015、al-Hayat, November 9, 2015、Iraqi News, November 8, 2015、Kull-na Shuraka’, November 8, 2015、November 12, 2015、al-Mada Press, November 8, 2015、Naharnet, November 8, 2015、NNA, November 8, 2015、Reuters, November 8, 2015、SANA, November 8, 2015、UPI, November 8, 2015などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で12回の爆撃を実施(2015年11月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して31回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は12回、ハサカ市近郊(3回)、フール町近郊(6回)、マーリア市近郊(2回)、ワースィヤ村近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 8, 2015などをもとに作成。

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反体制派は10月にシリア軍戦車123輌を破壊、1ヶ月間での戦果としては過去最大(2015年11月7日)

シリア監視統計ネットワークは、10月の1ヶ月間で、反体制武装集団がシリア軍戦車123輌を破壊し、過去最大の戦果を挙げたと発表した。

同ネットワークによると、反体制武装集団は、ハマー県での戦闘で59輌を、アレッポ市南部で31輌を、ダマスカス県およびダマスカス郊外県で12輌を、ヒムス県で9輌を、ラタキア県で5輌を、クナイトラ県で4輌を、イドリブ県で2輌を、ダルアー県で1輌を破壊したという。

なお、ロシア軍によるシリア空爆開始以降、反体制武装集団がアレッポ市南部などで米国製TOW対戦車ミサイルによってシリア軍戦車を攻撃、破壊しているとの情報が多く報じられている。

AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Durar al-Shamiya, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍機と思われる戦闘機がイスラーム軍の本拠地ドゥーマー市を爆撃し21人が死亡:反体制派が地下トンネルを爆破し、UNESCO世界文化遺産のアレッポ城の一部が破損か?(2015年11月7日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、イスラーム軍の本拠地ドゥーマー市をはじめとする東グータ地方を複数回にわたり空爆、ドゥーマー市では市場や商店が建ち並ぶ街区が攻撃を受け、子供6人を含む21人が死亡、東グータ地方全体で23人が死亡した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ムウダミーヤト・シャーム市南部郊外一帯を空爆した。

一方、SANA(11月7日付)によると、シリア軍が、アッブ農場、ドゥーマー市、アルバイン村・ハラスター市間、ジスリーン町、ナシャービーヤ町、ダイル・サルマーン町、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、イスラーム軍、シャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(11月8日付)によると、UNESCO世界文化遺産に指定されているアレッポ市旧市街に含まれるアレッポ城付近で反体制武装集団が地下トンネルを爆破、その後シリア軍、国防隊と反体制武装集団が交戦した。

これに関して、SANA(11月6日付)は、アレッポ城西部に反体制武装集団が掘削した地下トンネルを爆破し、城の入り口の一部が損傷を受けた、と伝えた。

シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊と反体制武装集団の戦闘は、アレッポ市バニー・ザイド地区、旧市街、シャッアール地区、製材所(ブライジュ村)一帯などでも発生、シリア軍側が砲撃を行った。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市マサーキン・サビール地区、バーブ・ファラジュ、ティシュリーン通り一帯(いずれもシリア政府支配下)を砲撃した。

アレッポ市南部のハーン・トゥーマーン村では、反体制武装集団が米国製TOW対戦車ミサイルでシリア軍戦車を攻撃、破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月7日付)によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市南部(ダマスカス・アレッポ街道一帯)を空爆し、国内最大規模のポリエステル繊維製造工場を攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がハマー市とサラミーヤ市を結ぶ街道上のシリア軍検問所を仕掛け爆弾で爆破、シリア軍兵士複数が死傷した。

これに対して、シリア軍はラターミナ町、ラトミーン村を空爆した。

一方、SANA(11月7日付)によると、シリア軍がカサービーヤ村、スカイク村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アトシャーン村東部、マアルカバ村、ムーリク市内で反体制武装集団の拠点に対し特殊作戦を行い、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員9人を殲滅した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーナ村とその周辺の丘陵地帯を砲撃し、ガマーム村周辺の丘陵地帯、ジュッブ・アフマル村一帯で反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(11月7日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ガマーム村およびガマーム山周辺の丘陵地帯で、反体制武装集団の拠点に対する特殊作戦を行い、同地を新たに制圧し、支配地域を拡大した。

シリア軍はまた、カールーラ山、アラーフィート村、アクーバル村、ダグマシュリーヤ村、ズワイク村、ダイル・ハンナー村、カトフ・ガドル村、カトフ・ガナム村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を砲撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月7日付)によると、シリア軍がダルアー市内、アトマーン村でシャームの民のヌスラ戦線に所属するカラーマ旅団の拠点などに対して攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(11月7日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、タマーニア町、マアスィラ村東部でファトフ軍所属組織の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月7日付)は、県北部に投下されたとされる巨大なミサイルの残骸の写真複数点を公開した。

Kull-na Shuraka', November 7, 2015
Kull-na Shuraka’, November 7, 2015

AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市南部でのダーイシュ(イスラーム国)とYPGの戦闘激化に呼応するかたちでシリア軍が同地で砲撃を実施(2015年11月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がハサカ市南部郊外のサブア・サクール村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、シリア軍がこの戦闘に呼応するかたちでハサカ市南部の南部ダム街道一帯を砲撃した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信は、過去1週間でのハサカ県各所の戦闘で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊戦闘員250人が死亡し、150人が行方不明となったと発表した。

なおこれに先立ち、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令部は6日に声明を出し、過去1週間での戦闘でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員178人を殲滅し、ハサカ県内の36カ村、10農場、ガソリン・スタンド2カ所、国境監視所6カ所を制圧したと発表していた。

また、ARA News(11月8日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ハサカ市南部のラジャム・スィーラーン村、タッル・スィッリーン村およびその一帯を制圧した。

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ヒムス県では、SANA(11月7日付)によると、シリア軍がサワーナ町、ジュッブ・ジャッラーフ村東部、フワーリーン村、マヒーン町一帯、カルヤタイン市、タドムル市郊外のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、タドムル市郊外のヒヤール山東部での空爆では外国人戦闘員ら40人以上を殺害した。

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アレッポ県では、ARA News(11月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッルアラン村を砲撃し、住民2人(クルド人)が死亡した。

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アッシリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)は今年2月にハサカ県タッル・シャーミーラーン村一帯が拉致していた住民(アッシリア教徒)のうち、37人が新たに釈放された。

釈放されたうち27人が女性、10人が男性(そのほとんどが高齢者)だという。

クッルナー・シュラカー(11月7日付)によると、37人の釈放に際して身代金は支払われなかったという。

『ハヤート』(11月8日付)によると、ダーイシュが拉致したアッシリア教徒220人のうち、140~150人が依然として拘束されている。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(11月8日付)によると、南部部族自由人連合が、ラジャート高地フーシュ・ハマード地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して特殊作戦を行い、同地域を統括するダーイシュのアミール、ハーリド・シューリー氏を殺害した。

AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、November 8, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、November 8, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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米空軍中央司令部「爆撃回数の減少は天候悪化と地上作戦の停滞が原因で、ロシア軍の爆撃が理由ではない」(2015年11月7日)

シリアとイラク領内でのダーイシュ(イスラーム国)掃討空爆作戦を行っている米空軍中央司令部のチャールズ・ブラウン中将はUAEのドバイで記者団に対し、米国が主導する有志連合が今後、両国での空爆を激化させるだろうと述べた。

ロシア軍によるシリア空爆開始以降、シリア領内での有志連合の空爆回数が減少していたことに関して、ブラウン中将はまた、天候悪化と地上作戦の停滞が原因で、ロシア軍の空爆が理由ではないと付言した。

『ハヤート』(11月8日付)が伝えた。


AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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イランのラリージャーニー国会議長「シリアとイエメンにおける危機の同時解決に向けた政治改革は諸外国の会議ではなく、国民の意見に沿って行われるべき」(2015年11月7日)

アリー・ラリージャーニー国会議長は、イランを訪問中のマーティン・シュルツ欧州議会議長と会談し、シリア情勢などへの対応について意見を交わした。

『ハヤート』(11月8日付)によると、ラリージャーニー国会議長は会談後の記者会見で、「シリアの問題は、中東地域におけるテロ活動を増大させ、同地域の解体の始まりになっており、それによってイラク、アフガニスタン、イエメンなどといった国で多くの問題が生まれてしまっている」と警鐘を鳴らし、域内から犯罪テロ行為を排除するための計画を策定するべきだと述べた。

ラリージャーニー国会議長はまた、「イランは、シリアとイエメンにおける危機の同時解決に向けた政治改革が選択されることを信じている…。この改革が、一部の国の一部の人々の会議ではなく、各国国民の意見に沿って行われるもので…、諸外国の役割は問題解決を促すことである。これらの国はシリア国民の声にとって代わることはできない」と述べた。

さらに、アサド大統領の進退については、シリアの危機を一人の人間に結びつけることは「戦略的なあやまり」だと批判した。

一方、シュルツ欧州議会議長は、アサド大統領の進退については「すべての当事者がその進退を決定するための解決策に至らねばならない…。危機を終わらせ、国民の頭上に爆弾を投下する政府の行為を含め、戦争犯罪を処罰するための国民計画を策定する必要だ」と述べた。

AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合のハウジャ代表はフランスのファビウス外相、デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表と相次いで会談し「反体制派統合における基本的役割を担う」ことを強調(2015年11月7日)

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表ら一行は、英国でのフィリップ・ハモンド外務大臣との会談(6日)に続いて、パリでフランスのローラン・ファビウス外務大臣と会談した。

ハウジャ代表らはまた、ファビウス外務大臣との会談後、スイスのジュネーブでスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表と会談した。

フランス外務省によると、パリでの会談で、ファビウス外務大臣らフランス側は、「シリア革命反体制勢力国民連立が「穏健な反体制派」を糾合するうえで基本的な役割を担うべき」との意向を伝えたという。

これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立の駐仏代表を名乗るムンズィル・マーフース氏はロイター通信(11月7日付)に対して「最終的な政治解決策を案出する可能性について検討した」と述べた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立は声明で、ジュネーブ合意(2012年)と国連安保理決議第2118号を原則として政治的解決をめざすとしたうえで、「全権を有する移行期統治機関を樹立するが、同機関においてアサドとその取り巻きの居場所はない」と改めて強調した。

また声明では、「シリア国民の友グループ」(米英仏、サウジアラビア、カタール、トルコなど11カ国の意味)が、シリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の正統な代表」と位置づけたうえで、ジュネーブ合意を堅持し、シリアの将来においてアサド大統領に居場所がないことを確認した。

さらに、連立が「シリア情勢に関する今後のあらゆる協議において、反体制派統合における基本的役割を担わねばならない」として、反体制派の「峻別」をめざすロシアを牽制した。

なお、デミストゥラ代表は13日に予定されている「ウィーン3会議」に先立って、国連安保理に対して、シリア政府と反体制派の和平交渉(「ジュネーブ3会議」)開催準備に向けた当事者との折衝の結果を報告する予定。

AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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5日のアブーカマール市(ダイル・ザウル県)中心街に設置されたダーイシュ本部への所属不明の戦闘機による爆撃での死者数は71人に(2015年11月7日)

シリア人権監視団は5日にダイル・ザウル県のイラク国境に位置するアブーカマール市に対して所属不明の戦闘機が行った空爆に関して、死者数が71人(うち民間人31人、身元不明者18人)にのぼっていると発表した。

同監視団によると、空爆は、ブーカマール市中心街の市場内に設置されたダーイシュの本部に対して行われたため、民間人の犠牲者が多く出たという。

AFP, November 7, 2015、AP, November 7, 2015、ARA News, November 7, 2015、Champress, November 7, 2015、al-Hayat, November 8, 2015、Iraqi News, November 7, 2015、Kull-na Shuraka’, November 7, 2015、al-Mada Press, November 7, 2015、Naharnet, November 7, 2015、NNA, November 7, 2015、Reuters, November 7, 2015、SANA, November 7, 2015、UPI, November 7, 2015などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で20回の爆撃を実施(2015年11月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月6日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回、フール町近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マーリア市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 7, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍の爆撃支援の甲斐なくシリア軍が再び劣勢か?:シャーム自由人イスラーム運動などがハマー県北部アトシャーン村一帯、ウスマーン丘軍事基地を制圧、ヌスラ戦線などもアレッポ市南部のサービキーヤ村一帯に進軍(2015年11月6日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャームなどからなるジハード主義武装集団が県北部のアトシャーン村をシリア軍との激しい交戦の末に制圧した。

この戦闘で、第47戦車旅団のターリブ・サラーマ准将らシリア軍側の将兵16人が死亡した。

アトシャーン村はシリア軍が10月10日に制圧していた。

また『ハヤート』(11月7日付)によると、北西部の戦略的要衝に位置するシリア軍タッル・ウスマーン軍事基地、シャナービラ村も反体制武装集団によって制圧した。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、シリア軍はこれに先だってスカイク丘一帯も喪失しており、これによりロシア軍空爆開始以降奪還していた県北部の全地域を喪失したと主張した。

一方、ジュンド・アクサー機構など武装集団によって制圧されたムーリク市一帯およびマアーン村では、シリア軍との戦闘が続いた。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(11月6日付)は、反体制武装集団がマアーン村の入り口まで到達したと伝える一方、シャーム軍団は、マアーン村を見下ろす戦略的要衝のスーラーン丘を制圧したと発表した。

また、シャーム自由人イスラーム運動もクバイバート・アブー・フダー村を制圧したと発表した。

他方、SANA(11月6日付)によると、シリア軍がサフサーファ村で、シャームの民のヌスラ戦線などファトフ軍の拠点を壊滅し、同地を制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市南部に進軍し、シリア軍と交戦し、サービキーヤ村一帯を制圧した。

クッルナー・シュラカー(11月6日付)によると、ヌスラ戦線はまた、シャーム自由人イスラーム運動とともに、ワディーヒー村一帯のサッルー丘、ティーナト・ハーリド丘、マクバラ丘に進軍し、これを制圧し、サービキーヤ村に迫った。

一方、SANA(11月6日付)によると、シリア軍がジャービリーヤ村、ハーン・トゥーマーン村、マフラサ村、ウンム・アルキーラ村、アーミリーヤ村、ラスム・アブド村、発電所一帯、サフィーラ市東部一帯でシャームの民のヌスラ戦線などのジハード主義武装集団拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍の空爆が行われるなか、ガマーム村を制圧したシリア軍、国防隊がジュッブ・アフマル村一帯、ナビー・ユーヌス峰一帯、ダグマシュリーヤ村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月6日付)によると、シリア軍がファラク山一帯の丘陵地帯、ジュッブ・ザアルール村で反体制武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月6日付)によると、ヌアイマ村、ジュライン村東部、アトマーン村、ダルアー市難民キャンプ地区一帯、ダム街道一帯でシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 6, 2015、AP, November 6, 2015、ARA News, November 6, 2015、Champress, November 6, 2015、al-Durar al-Shamiya, November 6, 2015、al-Hayat, November 7, 2015、Iraqi News, November 6, 2015、Kull-na Shuraka’, November 6, 2015、al-Mada Press, November 6, 2015、Naharnet, November 6, 2015、NNA, November 6, 2015、Reuters, November 6, 2015、SANA, November 6, 2015、UPI, November 6, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍がラッカ市を爆撃し、ダーイシュ(戦闘員)15人と民間人27人が死亡(2015年11月6日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がラッカ市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員15人、民間人27人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がシャイフ・アフマド村、クワイリス航空基地一帯、タッル・バージル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

またクワイリス航空基地一帯では、ダーイシュとシリア軍が交戦し、シリア軍将兵3人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(11月6日付)によると、シリア軍がマヒーン町、カルヤタイン市、タドムル市のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
アレッポ県では、SANA(11月6日付)によると、シリア軍がシャイフ・アフマド村、アブー・ハンナ丘、アフマル丘、航空士官学校一帯、クワイリス航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 6, 2015、AP, November 6, 2015、ARA News, November 6, 2015、Champress, November 6, 2015、al-Hayat, November 7, 2015、Iraqi News, November 6, 2015、Kull-na Shuraka’, November 6, 2015、al-Mada Press, November 6, 2015、Naharnet, November 6, 2015、NNA, November 6, 2015、Reuters, November 6, 2015、SANA, November 6, 2015、UPI, November 6, 2015などをもとに作成。

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OPCWはアレッポ県北部(8月)とイドリブ県(3月)でマスタード・ガス、塩素ガスが使用されたと断定(2015年11月6日)

化学兵器禁止機関(OPCW)は声明を出し、シリア国内で8月にマスタード・ガスが使用されたことを示す確証を得たと発表した。

声明は、OPCWの調査チーム192人がシリア各地で化学兵器の使用に関して調査を実施したとしたうえで、8月21日にアレッポ県マーリア市に対して行われた攻撃に関して「非国家主体が化学兵器を使用したと思われる」と結論づけた。

声明によると、「この攻撃について、OPCWの調査チームは、少なくとも2人がマスタード・ガスを浴び、またこの化学物質によって幼児1人が死亡したことの確証を得ることができた」としている。

マーリア市は米トルコ両国政府が「安全地帯」を設置すると合意した地域の拠点都市で、8月以降、ダーイシュ(イスラーム国)とシャーム戦線などの戦闘が激化していた。

一方、OPCWは、2015年3月にイドリブ県でも、塩素などの有毒化学物質が1回以上武器として使用されたと結論づけた。

これについては、ヒューマン・ライツ・ウォッチが3月16日と31日にイドリブ県内の反体制派支配地域に対して塩素ガスを使用した攻撃が6回にわたって行われていたと指摘していた。

イドリブ県は、2015年3月に、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、シャーム軍団などからなるファトフ軍によってほぼ全域が掌握された地域で、シリア軍との戦闘が続いている。

一方、OPCWは、2015年8月29日にダマスカス県ジャウバル区でシリア軍兵士が有毒ガスによる攻撃を受けたとのシリア政府の申し立てに関しては、「化学物質が武器として使用されたことと断定するにはいたらなかった」と発表した。

AFP(11月6日付)が伝えた。

AFP, November 6, 2015、AP, November 6, 2015、ARA News, November 6, 2015、Champress, November 6, 2015、al-Hayat, November 7, 2015、Iraqi News, November 6, 2015、Kull-na Shuraka’, November 6, 2015、al-Mada Press, November 6, 2015、Naharnet, November 6, 2015、NNA, November 6, 2015、Reuters, November 6, 2015、SANA, November 6, 2015、UPI, November 6, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合がYPG主体のシリア民主軍拠点を誤爆し、戦闘員45人が死亡(2015年11月5日)

クッルナー・シュラカー(11月6日付)は、米国が主導する有志連合がハサカ県フール町一帯でダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリア民主軍の拠点複数カ所を誤爆し、戦闘員45人が死亡した。

有志連合は最近になって、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への航空支援を支援してきた。

AFP, November 6, 2015、AP, November 6, 2015、ARA News, November 6, 2015、Champress, November 6, 2015、al-Hayat, November 7, 2015、Iraqi News, November 6, 2015、Kull-na Shuraka’, November 6, 2015、al-Mada Press, November 6, 2015、Naharnet, November 6, 2015、NNA, November 6, 2015、Reuters, November 6, 2015、SANA, November 6, 2015、UPI, November 6, 2015などをもとに作成。

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米主導の有志連合は、ブーカマール市(ダイル・ザウル県)などシリア領内各所で9回の爆撃を実施(2015年11月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回、フール町近郊(3回)、ハサカ市近郊(2回)、ブーカマール市近郊(4回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

なお、シリア人権監視団によると、5日には、ダイル・ザウル県ブーカマール市各所を戦闘機(所属不明)が空爆し、死者数が71人(うち民間人31人、身元不明者18人)が死亡した。

同監視団によると、空爆は、ブーカマール市中心街の市場内に設置されたダーイシュの本部に対して行われたため、民間人の犠牲者が多く出たという。

この空爆に関して、クッルナー・シュラカー(11月6日付)は、ロシア軍によるものだとしたうえで、ダーイシュの戦闘員は1人も死亡しなかったと伝えた。

CENTCOM, November 6, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などがダーイシュ(イスラーム国)との戦闘猶予で合意に向かいつつも、依然として対立(2015年11月5日)

シャームの民のヌスラ戦線に近いサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ジハード布教者センター代表)はツイッターの自身のアカウントを通じて、ファトフ軍の脱退を宣言していたアル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構が「ファトフ軍の傘下に復帰した」と発表した。

ムハイスィニー氏はまた、ジュンド・アクサー機構の復帰を受けるかたちで「シャームの国の完全解放とアッラーの法による支配を実現するためのファトフ軍の路線を示す(新たな)憲章が作成された」と発表した。

しかし、SNN(11月5日付)によると、ジュンド・アクサー機構はこのムハイスィニー氏の発表に対してツイッターで反論、「ファトフ軍への復帰に関する合意を受理したことを正式には伝えていない」、「ジュンド・アクサー機構は現在のところ、ファトフ軍とは別に活動している」、「ファトフ軍への復帰に関する期待や観測は時期尚早であり、正しいものではない」と主張した。

SNNによると、ジュンド・アクサー機構は、ファトフ軍を主導するシャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団と主に対立しており、その主因は、ファトフ軍支配地域におけるダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の是非をめぐるもので、ジュンド・アクサー機構は、ダーイシュとの戦闘に反対し、中立の姿勢をとろうとしているという。

なお、SNNによると、ジュンド・アクサー機構のファトフ軍からの脱退を受け、メンバー数十人が、ハマー県、イドリブ県からダーイシュの拠点であるラッカ市、マンビジュ市(アレッポ県)に向かったという。

一方、ジュンド・アクサー機構の脱退に呼応するかたちで、シャームの民のヌスラ戦線もファトフ軍としての活動を一時中止し、ジュンド・アクサー機構と連帯し、ダーイシュとの戦闘を主張するシャーム自由人イスラーム運動に対抗しようとしたという。

ヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構と、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団との対立は、シャーム・ウラマー連盟のメンバーらの仲介によって、ダーイシュとの戦闘を猶予し、ヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構のファトフ軍を復帰させる方向で調整され、収束に向かっているという。

なお、ハマー県ムーリク市一帯でのファトフ軍の作戦とアレッポ市南部でのヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム戦線などの作戦は連動しているように見えるが、組織的な連携ではなく、戦闘員個人レベルでの連携だと考えられるという。

Kull-na Shuraka', November 5, 2015
Kull-na Shuraka’, November 5, 2015

AFP, November 5, 2015、AP, November 5, 2015、ARA News, November 5, 2015、Champress, November 5, 2015、al-Hayat, November 6, 2015、Iraqi News, November 5, 2015、Kull-na Shuraka’, November 5, 2015、al-Mada Press, November 5, 2015、Naharnet, November 5, 2015、NNA, November 5, 2015、Reuters, November 5, 2015、SANA, November 5, 2015、SNN, November 5, 2015、UPI, November 5, 2015などをもとに作成。

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