最新論考「シリア反体制武装勢力の同質性と異質性:アル=カーイダ系組織、ジハード主義者、「穏健な反体制派」(『国際情勢紀要』)

青山弘之「シリア反体制武装勢力の同質性と異質性:アル=カーイダ系組織、ジハード主義者、「穏健な反体制派」
『国際情勢紀要』第85号、2015年3月、125~133ページ

Ⅰ はじめに

シリアで紛争が発生してから2015年3月半ばで4年が経とうとしている。「アラブの春」の一環として始まったはずのこの紛争が「独裁政権」対「民主化運動」といったイメージとはほど遠く、混沌と暴力の応酬によって特徴づけられていることは今や周知の事実である。そこでは、シリア軍、国防隊、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(Yekîneyên Parastina Gel、略称YPG)、反体制武装勢力が入り乱れて戦いを続けるなか、米国が主導する有志連合が、一方でイスラーム国壊滅に向けて空爆を行いつつ、他方でバッシャール・アサド政権退陣をめざして「穏健な反体制派」を支援している。
本論では、現下の武力紛争における主要な当事者のうち、アル=カーイダ系組織、ジハード主義組織、「穏健な反体制派」といった言葉(カテゴリー)で分類されることが多い反体制武装勢力の組織間の関係に着目することで、その異質性と同質性を明らかにする。そのうえで、反体制武装勢力への支援や共鳴が持つ意味を考察する。なお2011年以降のシリア国内情勢の詳細な推移については「シリア・アラブの春顛末記――最新シリア情勢――」(https://syriaarabspring.info/)を参照されたい。・・・

(近日ネットにて公開予定)

YPG、シリア軍、有志連合が各地でダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年3月16日)

ハサカ県によると、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アイン・アラブ市南西部郊外(フール村・タッル・ハミース市間一帯)で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、また有志連合が同地一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員15人が死亡した。

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ヒムス県では、マサール・プレス(3月16日付)によると、カルヤタイン市近郊のザルカー村一帯で、反体制武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と戦闘の末、ダーイシュ戦闘員6人を殺害、同地を制圧した。

ダーイシュはカルヤタイン山地方面に撤退したという。

一方、ダーイシュはヒムス市・タドムル市街道でシリア軍部隊を要撃、兵士19人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月16日付)によると、マーリハ農場、ダギーム農場で、シリア軍、東部地域人民抵抗運動の支援がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月16日付)によると、シャーイル・ガス採掘所周辺で、シリア軍が反体制武装ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(3月16日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)が、ティクリート市などで構成を続けるイラク軍、人民動員部隊に対抗するため、「アンサール」(シリア人戦闘員)多数を新たに派遣した、と伝えた。

AFP, March 16, 2015、AP, March 16, 2015、ARA News, March 16, 2015、Champress, March 16, 2015、al-Hayat, March 17, 2015、Iraqi News, March 16, 2015、Kull-na Shuraka’, March 16, 2015、al-Mada Press, March 16, 2015Masar Press Agency, March 16, 2015、Naharnet, March 16, 2015、NNA, March 16, 2015、Reuters, March 16, 2015、SANA, March 16, 2015、UPI, March 16, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各地でシリア軍とジハード主義武装集団の戦闘続く(2015年3月16日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、ブライジュ村郊外でシャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月16日付)によると、クワイリス航空基地一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市、ザバディーン市、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、タイバ村などで、ジハード主義武装集団と交戦、同地一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(3月16日付)によると、マガル・ミール村、バイト・ジン村、ドゥーマー市、カラムーン地方無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を8回にわたって空爆、またカーブーン区を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町郊外(いわゆるクルド山)一帯をシリア軍が「樽爆弾」で空爆、ジハード主義武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタルビーサ市、下ムハッラム村一帯を砲撃した。

一方、SANA(3月16日付)によると、タルビーサ市、ラスタン市、シャンダーヒーヤ村、ジュッブ・ヒブル村、ウンム・サフリージュ村、マヌーフ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(3月16日付)によると、カフル・ナースィジュ村、アンタル丘、カフルシャムス町、シャイフ・マスキーン市、ダルアー市ダム街道地区、マハッジャ町、ムザイリーブ町、ヤードゥーダ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(3月16日付)によると、ウンム・バーティナ村、スワイサ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イッズ旅団(シャームの民のヌスラ戦線)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月16日付)によると、バルーマー村、クマイナース村、サラーキブ市、カフルズィーター市(ハマー県)・ハーン・シャイフーン市間街道などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月16日付)によると、ラターミナ町、ムーリク市北部郊外、カフルズィータ村、ザカート村、アトシャーン村、アービディーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 16, 2015、AP, March 16, 2015、ARA News, March 16, 2015、Champress, March 16, 2015、al-Hayat, March 17, 2015、Iraqi News, March 16, 2015、Kull-na Shuraka’, March 16, 2015、al-Mada Press, March 16, 2015、Naharnet, March 16, 2015、NNA, March 16, 2015、Reuters, March 16, 2015、SANA, March 16, 2015、UPI, March 16, 2015などをもとに作成。

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「モスクワ2」(シリア政府と反体制派の和平交渉)に向け始動(2015年3月16日)

『ハヤート』(3月17日付)は、ロシア外務省がシリア政府と反体制派の和平交渉「モスクワ2」の開催(4月6~9日予定)に向けて、反体制派への招聘状の送付を開始した、と報じた。

複数の消息筋によると、「モスクワ2」には、30人の反体制派指導者の招聘が予定されており、シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ議長、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表、解放変革人民戦線のカドリー・ジャミール代表(前副首相)らを反体制組織代表として、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏、ミシェル・キールー氏、シリア国民建設潮流のルワイユ・フサイン代表、西クルディスタン移行期民政局代表、ハイサム・マンナーア氏(「カフム」の代表)、サミール・アティーヤ氏(国民呼びかけフォーラム)、ハーリド・マハーミード氏(ビジネスマン)らを個人として招聘する予定だという。

また「モスクワ2」には、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表も参加が予定されているという。

AFP, March 16, 2015、AP, March 16, 2015、ARA News, March 16, 2015、Champress, March 16, 2015、al-Hayat, March 17, 2015、Iraqi News, March 16, 2015、Kull-na Shuraka’, March 16, 2015、al-Mada Press, March 16, 2015、Naharnet, March 16, 2015、NNA, March 16, 2015、Reuters, March 16, 2015、SANA, March 16, 2015、UPI, March 16, 2015などをもとに作成。

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ケリー米国務長官「最後には(アサド大統領と)交渉しなければならない」、米・シリア諜報機関が「非敵対的に連絡」か(2015年3月15日)

ジョン・ケリー米国務長官は、CBS(3月15日付)とのインタビューで、米国側にアサド大統領と交渉する意思はあるかとの問いに、「我々は最後には交渉しなければならない」と述べた。

ケリー国務長官の主な発言(http://www.cbsnews.com/news/us-willing-to-negotiate-with-syria-assad/)は以下の通り:

「我々はジュネーブ1(2012年6月のジュネーブ合意)・プロセスの文脈において交渉しようとしいる」。

「我々が推し進めようとしているのは、彼(アサド大統領)にそうさせ(紛争を終息させ)ることだ。そうさせるため、さまざまな種類の圧力をこれまで以上に彼にかけることが必要となろう」。

「こうした圧力をかけるのに資するようなさらなるステップを検討しているということをはっきりさせておきたい」。

「アサド政権に交渉させるため、我々は、みなが政治的成果をめざし、交渉に関する彼の考えを変える決意があるということを、彼(アサド大統領)に示さなければならない」。

「こうした動きが現在進行中だ。そして私は、同盟国らの努力で、アサドにさらなる圧力がかけられると確信している」。

CBS, March 14, 2015
CBS, March 14, 2015

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マリー・ハーフ国務省副報道官は、CBSでのジョン・ケリー米国務長官の発言に関して、アサド大統領自身との交渉を意図したものではないと訂正した。

ハーフ副報道官は「アサド政権の代表がこのプロセス(紛争解決)の一部になる必要があるのは当然だ。しかし、交渉するのはアサドではなかった、そうなることもないだろう。国務長官は今日、そうは言わなかった」と述べた。

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一方、『ハヤート』(3月15日付)は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が、「アラブの春」がシリアに波及してから5年目となる3月15日の「数日前」、西側の複数の高官から、フランスは移行期開始に先立って、アサド大統領の退陣を前提条件とはもはやしていないと伝えられるとともに、米国・シリア両国の諜報機関が「非敵対的に連絡」をとっていると指摘したと報じた。

AFP, March 15, 2015、AP, March 15, 2015、ARA News, March 15, 2015、Champress, March 15, 2015、CBS, March 15, 2015、al-Hayat, March 16, 2015、Iraqi News, March 15, 2015、Kull-na Shuraka’, March 15, 2015、al-Mada Press, March 15, 2015、Naharnet, March 15, 2015、NNA, March 15, 2015、Reuters, March 15, 2015、SANA, March 15, 2015、UPI, March 15, 2015などをもとに作成。

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YPGがユーフラテス川沿いのカッラ・クーザーク橋一帯でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年3月15日)

アレッポ県では、ARA News(3月15日付)によると、ユーフラテス川沿いのカッラ・クーザーク橋一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)を追撃、ダーイシュ戦闘員50人を殲滅した。

また、シリア人権監視団によると、有志連合がマンビジュ市郊外、タッル・ジャビーン村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハジーン市、ジャルズィー村で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の元メンバー多数を逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(3月15日付)によると、カラムーン山地東部無人地帯などで活動する東部獅子軍は、ダクワ丘一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所を攻撃し、戦闘員7人を捕捉した。

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ハサカ県では、SANA(3月15日付)によると、ハサカ市南部郊外のタッル・フダー、タッル・ターリア一帯、タッル・シャーミーラーン村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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有志連合合同司令部は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して11回の空爆を行ったと発表した。

うちシリア領内ではアイン・アラブ市一帯で空爆が行われたという。

AFP, March 15, 2015、AP, March 15, 2015、ARA News, March 15, 2015、Champress, March 15, 2015、al-Hayat, March 16, 2015、Iraqi News, March 15, 2015、Kull-na Shuraka’, March 15, 2015、al-Mada Press, March 15, 2015、Naharnet, March 15, 2015、NNA, March 15, 2015、Reuters, March 15, 2015、SANA, March 15, 2015、UPI, March 15, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県で「自由シリア軍」が親政権民兵に参加しようとした若者10人を拘束(2015年3月15日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(3月15日付)によると、使徒シャーム旅団(自由シリア軍)が、バービッラー市およびバイト・サフム市から逃走し、国防隊に参加しようとしていた若者10人を捕らえ、所持していた武器を押収した。 

Kull-na Shuraka', March 15, 2015
Kull-na Shuraka’, March 15, 2015

また、シリア軍がドゥーマー市の小学校を空爆し、児童10人が死亡した。

ARA News(3月15日付)によると、シリア軍のドゥーマー市空爆によって20人以上が死亡、100人以上が負傷したという。

一方、SANA(3月15日付)によると、カラムーン山地一帯郊外無人地帯、アーリヤ農場、リーハーン農場、ザマルカー町、ジスリーン町、アイン・タルマー村、アルバイン市、ザブディーン村、カースィミーヤ町、ダーライヤー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(3月15日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがカーミシュリー市各所で、人民防衛隊への徴兵を理由に、若者多数を拘束、訓練キャンプに連行した。

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ダルアー県では、SANA(3月15日付)によると、クファイル村、ズィムリーン村、サイダー町、東ガーリヤ村、ダルアー市カルク地区などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(3月15日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(3月15日付)によると、タッル・リフアト市、アアザーズ市、マーリア市、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯、ウワイジャ地区、ミスカーン村、アレッポ市カルム・マイサル地区、ラームーサ地区、シャイフ・サイード地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月15日付)によると、アブー・フバイラート村、ウカイリバート町、ジュルーフ村、カスタル村、ラスム・アワービド村、クライブ・サウル村、カフルズィーター市、ザカート村、アトシャーン村、アービディーン村、フバイト村、ビンニシュ市、サラーキブ市、アファス村、トゥウーム村、アブー・ズフール町、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、バイルーン村、マストゥーマ村、クマイナース村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月15日付)によると、ハーン・ジャウズ村、カフル・ディブラ村、カルト村、ルワイサ村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月15日付)によると、アイン・ダナーニール村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 15, 2015、AP, March 15, 2015、ARA News, March 15, 2015、Champress, March 15, 2015、al-Hayat, March 16, 2015、Iraqi News, March 15, 2015、Kull-na Shuraka’, March 15, 2015、al-Mada Press, March 15, 2015、Naharnet, March 15, 2015、NNA, March 15, 2015、Reuters, March 15, 2015、SANA, March 15, 2015、UPI, March 15, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団は、2011年3月以降の死者数21万5,518人のうち、「民間人」に分類される「ジハード主義武装集団戦闘員」が3万6,722人にのぼると発表(2015年3月15日)

シリア人権監視団は、2011年3月18日から2015年3月14日までの4年間で紛争による死者数が21万5,518人にのぼり、そのうち「民間人」に分類される「ジハード主義武装集団戦闘員」が3万6,722人を占めている、と発表した。

その内訳は以下の通り:

民間人10万2,831人、うち子供1万808人、18歳以上の女性6,907人、ジハード主義武装集団戦闘員を含む反体制武装集団戦闘員3万6,722人。
離反兵2,505人。
シリア軍兵士:4万6,138人。
国防隊、バアス大隊、人民諸委員会、シリア民族社会党民兵、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線、「シャッビーハ」、シリア政府への密告者3万662人。
ヒズブッラー戦闘員674人。
親政権外国人(アラブ人、アジア人、イラン人)シーア派戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)、親政権アラブ人戦闘員2,727人。
ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム、ジュンド・アクサー、ジュンド・シャーム、ハドラー大隊の外国人(アラブ人、欧米人、アジア人、オーストラリア人)戦闘員2万6,834人。
身元不明3,147人。

シリア政府側の刑務所・拘置所に拘束されている行方不明者2万人以上。
シリア政府が捕捉し、消息不明となっているジハード主義武装集団を含む反体制武装集団戦闘員1,500人以上。

シリア人権監視団は、ジハード主義武装集団戦闘員を含む反体制武装集団戦闘員を民間人として集計している。

AFP, March 15, 2015、AP, March 15, 2015、ARA News, March 15, 2015、Champress, March 15, 2015、al-Hayat, March 16, 2015、Iraqi News, March 15, 2015、Kull-na Shuraka’, March 15, 2015、al-Mada Press, March 15, 2015、Naharnet, March 15, 2015、NNA, March 15, 2015、Reuters, March 15, 2015、SANA, March 15, 2015、UPI, March 15, 2015などをもとに作成。

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民主連合運動(TEV-DEM)が紛争解決に向けた「シリア民主的解決」を発表(2015年3月15日)

民主連合運動(TEV-DEM)は「シリア民主的解決」と銘打った綱領を発表し、2011年以降の紛争の終息に向けた政治ヴィジョンを提示した。

「シリア民主的解決」の骨子は以下の通り:

1.「シリア・アラブ共和国」から 「シリア共和国」ないしは「シリア民主共和国」への国名変更。
2. 専制、(アラブ)民族優越主義の構造から、分権的民主体制への移行。
3. タクフィール・ジハード主義との戦い。
4. 祖国統一の維持と社会的多元性の尊重。
5. 危機の平和的民主的解決を信じるすべての政治勢力との協議を通じた紛争解決の最終案の策定。
6. シリア国民大会(シリア民主的和平・解決大会)の開催。
7. 戦闘停止、政治犯釈放。
8. 紛争に関与する諸外国とのコミュニケーション。
9. 移行期の運営を行う「シリア民主評議会」の設置と、同評議会による、新憲法起草と総選挙実施のための二つの委員会の設置。

民主連合運動は、「アラブの春」のシリアへの波及に伴い、シリア政府の支配を脱したハサカ県のクルド人居住地域の住民が、民主統一党の後援のもとに結成した自治のための組織。

AFP, March 15, 2015、AP, March 15, 2015、ARA News, March 15, 2015、Champress, March 15, 2015、al-Hayat, March 16, 2015、Iraqi News, March 15, 2015、Kull-na Shuraka’, March 15, 2015、al-Mada Press, March 15, 2015、Naharnet, March 15, 2015、NNA, March 15, 2015、Reuters, March 15, 2015、SANA, March 15, 2015、UPI, March 15, 2015などをもとに作成。

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イラン革命防衛隊クドス軍団のソレイマーニー司令官が副官にシリア南部での作戦の指揮を移譲(2015年3月14日)

AKI(3月14日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官が、シリア南部での革命防衛隊の活動を監督するための副司令官を任命した、と報じた。

ソレイマーニー司令官は、シリア全土における革命防衛隊の活動を統括し続けるが、シリア南部での直接の指揮にはあたらないという。

AFP, March 14, 2015、AKI, March 14, 2015、AP, March 14, 2015、ARA News, March 14, 2015、Champress, March 14, 2015、al-Hayat, March 15, 2015、Iraqi News, March 14, 2015、Kull-na Shuraka’, March 14, 2015、al-Mada Press, March 14, 2015、Naharnet, March 14, 2015、NNA, March 14, 2015、Reuters, March 14, 2015、SANA, March 14, 2015、UPI, March 14, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がレバノン領内を越境爆撃(2015年3月14日)

NNA(3月14日付)によると、シリア軍戦闘機が、ベカーア県バアルベック郡アルサール地区の領空に入り、アルサール村郊外の反体制武装集団の拠点複数カ所を空爆した。

AFP, March 14, 2015、AP, March 14, 2015、ARA News, March 14, 2015、Champress, March 14, 2015、al-Hayat, March 15, 2015、Iraqi News, March 14, 2015、Kull-na Shuraka’, March 14, 2015、al-Mada Press, March 14, 2015、Naharnet, March 14, 2015、NNA, March 14, 2015、Reuters, March 14, 2015、SANA, March 14, 2015、UPI, March 14, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はYPGの攻勢を受け、ユーフラテス川に架かるカッラ・クーザーク橋を爆破し後退(2015年3月14日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)カッラ・クーザーク村一帯からユーフラテス川右岸に撤退後、カッラ・クーザーク橋を爆破、破壊した。

破壊には、TNT火薬が装填された「樽爆弾」が使用されたという。

カッラト・クーザーク橋の爆破は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のマンビジュ市方面への進軍を阻止するためだという。

Kull-na Shuraka', March 14, 2015
Kull-na Shuraka’, March 14, 2015

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ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)を名のる武装集団が、ヤルムーク区でイスラーム軍のシャリーア学者を拉致した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、ラッカ革命家旅団がジャラビーヤ村付近で、ダーイシュ(イスラーム国)を要撃し、数十人の戦闘員を殺害した。

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ハサカ県では、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル町周辺のタッル・マガース村などで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またこの戦闘と並行して、有志連合が同じくタッル・タムル町郊外のギーブシュ村一帯を空爆した。

さらにタッル・ブラーク町一帯でも、人民防衛隊とダーイシュが交戦した。

一方、ARA News(3月14日付)によると、ハサカ市南部郊外のバーブ・ハイル村一帯に、ダーイシュ(イスラーム国)が再び進軍、シリア軍がこれに応戦した。

また、有志連合はタッル・タムル町一帯のダーイシュ拠点などを空爆した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、支配地域内の複数の病院を「背教者の機関から支援を受けている」との理由で閉鎖処分とした。

また、シリア人権監視団によると、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブーカマール市近郊、ブーライル村を空爆した。

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有志連合合同司令部は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して10回の空爆を行ったと発表した。

うちシリア領内ではアイン・アラブ市一帯、ハサカ市郊外一帯で空爆が行われたという。

AFP, March 14, 2015、AP, March 14, 2015、ARA News, March 14, 2015、March 15, 2015、Champress, March 14, 2015、al-Hayat, March 15, 2015、Iraqi News, March 14, 2015、Kull-na Shuraka’, March 14, 2015、al-Mada Press, March 14, 2015、Naharnet, March 14, 2015、NNA, March 14, 2015、Reuters, March 14, 2015、SANA, March 14, 2015、UPI, March 14, 2015などをもとに作成。

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各地でシリア軍と反体制武装集団の戦闘続く(2015年3月14日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を20回にわたり空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、ダーライヤー市を「樽爆弾」などで空爆し、女性1人、子供3人を含む6人が死亡した。

またクッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、東グータ統一軍事司令部は、統一司法評議会の判決に従い、女性1人を含む6人を、スパイ罪、反逆罪、汚職罪といった罪状で処刑した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のアレッポ市アアザミーヤ地区に迫撃砲弾2発が着弾した。

またシリア軍は、ハンダラート・キャンプ一帯、ラトヤーン村一帯を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(3月14日付)によると、ハスヤー町西部の対レバノン国境地帯、ガントゥー市一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県、ダルアー県、クナイトラ県の3県が接するいわゆる「死のトライアングル」地帯では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らが、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団との交戦を続けた。

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルシャムス町一帯を「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(3月14日付)によると、カフル・ナースィジュ村、アクラバー村、サイダー町、シャイフ・マスキーン市、ラジャート高地一帯、アトマーン村西部、タファス市、ダーイル町、ダルアー市各所などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

クナイトラ県では、SANA(3月14日付)によると、マスハラ村、ナブア・サフル村、スワイサ村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線(イッズ旅団)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月14日付)によると、マアッラトミスリーン市、ハッルーズ村、アブー・ズフール町一帯、バルーマー村、ジダール・ブカフルーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒード旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 14, 2015、AP, March 14, 2015、ARA News, March 14, 2015、Champress, March 14, 2015、al-Hayat, March 15, 2015、Iraqi News, March 14, 2015、Kull-na Shuraka’, March 14, 2015、al-Mada Press, March 14, 2015、Naharnet, March 14, 2015、NNA, March 14, 2015、Reuters, March 14, 2015、SANA, March 14, 2015、UPI, March 14, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領のいとこが何者かに射殺される(2015年3月13日)

シリア人権監視団は14日、アサド大統領のいとこのムハンマド・タウフィーク・アサド氏(48歳)がラタキア県で13日、カルダーハ市の有力者とともに何者かに撃たれ、死亡した、と発表した。

ラタキア県郊外でジハード主義者との戦闘中に死亡したとの情報も流れたが、複数の消息筋はこれを否定しているという。

同監視団によると、ムハンマド・タウフィーク・アサド氏は密輸への関与や、シャッビーハ創設者の一人として知られており、「シャイフ・ジャバル」(山の長老)と呼ばれていたという。

Kull-na Shuraka', March 14, 2015
Kull-na Shuraka’, March 14, 2015
ARA News, March 14, 2015
ARA News, March 14, 2015
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Kull-na Shuraka’, March 14, 2015

 

AFP, March 14, 2015、AP, March 14, 2015、ARA News, March 14, 2015、Champress, March 14, 2015、al-Hayat, March 15, 2015、Iraqi News, March 14, 2015、Kull-na Shuraka’, March 14, 2015、al-Mada Press, March 14, 2015、Naharnet, March 14, 2015、NNA, March 14, 2015、Reuters, March 14, 2015、SANA, March 14, 2015、UPI, March 14, 2015などをもとに作成。

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UNICEFシリア事務所代表「人道機関の活動を可能とするためにダーイシュ(イスラーム国)との対話を開始すべき」(2015年3月13日)

UNICEFシリア事務所代表のハーナー・スィーンジャル女史は、記者団に対して、人道機関の活動を可能とするためにダーイシュ(イスラーム国)との「対話を開始」すべきだ、と述べた。

スィーンジャル女史は「私たちはダーイシュと直接対話していない。彼らも私たちとの取引を望んでいない…。これまで彼らは、国連との対話を拒否してきた…。しかし人道機関だけの責任ではない。ダーイシュに圧力をかけ、対話を開始するための協議を行う政治責任が政治的な当事者にはある…。それゆえ、私たちはいつもさまざまなパートナーを通じて、困難に対処できる人たちと接触しようとしている」と述べた。

AFP(3月13日付)が伝えた。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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シリア人権ネットワークは、シリア軍が17万人以上の民間人を殺害したと主張するも、戦闘員の死者数を集計せず(2015年3月13日)

シリア人権ネットワークは、2011年3月以降の紛争によって17万6,678人の民間人がシリア軍によって殺害されたとする最新の統計結果(http://sn4hr.org/arabic/2015/03/12/3684/)を発表した。

この統計結果によると、2011年3月から2015年3月10日の4年間でシリア軍が殺害した民間人の数は17万6,678人で、そのうち1万8,242人が子供、1万8,457人が女性、1万1,427人が拷問による死者だという。

シリア軍側の死者数、「穏健な反体制派」、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団、外国人戦闘員の死者については言及しなかった。

なお、同様の統計は、シリア人権監視団も2月7日に発表している。

それによると、2011年3月半ばから2014年2月までの紛争により、シリア軍将兵約4万5,000人を含む21万60人以上が死亡、このうちの約半数が民間人で、子供は1万664人、女性は6,783人にのぼるという。

また反体制武装集団の犠牲者は3万5,827人であるのに対して、シリア軍兵士の犠牲者はこれより約1万人多い4万5,385人。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線などの外国人戦闘員の死者は2万4,989人にのぼるという。

またシリア政府を後援するヒズブッラー戦闘員の死者数は640人、また同戦闘員を含むイラン人、イラク人などの「シーア派」民兵戦闘員の死者数は3,000人以上にのぼるという。

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一方、シリア人権監視団は、シリア国内の刑務所、治安機関拘置所で2011年3月以降の4年間で1万2,751人の逮捕者が死亡している、と発表した。

このうち18歳以下の子供は108人で、死亡が確認された1万2,751人以外にも2万人以上の消息が不明だという。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)のアドナーニー報道官が音声声明を発表(2015年3月13日)

ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官は、フルカーン広報製作機構を通じて音声声明を出し、ボコハラムの指導者アブバカル・シェカウ氏によるアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠(バイア)を受理したとしたうえで、ダーイシュが西アフリカへと勢力を拡大したと発表し、「カリフ制の傘下に入った西アフリカへの移住」をイスラーム教徒に呼びかけた。

またユダヤ教徒、キリスト教徒に対して「ユダヤよ、十字軍よ、あなたたちには二つの選択肢がある。イスラーム教徒になるか、ジズヤかだ。あるいは第3の選択肢もある。それはカリフ制の進軍を食い止めることができず、後悔を噛みしめることだ」。

そのうえで、「お前ら(有志連合)が、モスル、ジャラーブルス、ダルナ…を欲しているとしても、我々は、パリ、そしてローマを、カブール、カラチを、リヤドを、アンマンを、アブダビなどを欲するだろう」と述べて締めくくった。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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イスラーム軍は「ハワーリジュ派(ダーイシュ(イスラーム国))に対抗するため、「アリー・ビン・ターリブ軍」を結成(2015年3月13日)

イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ司令官はツイッターを通じてビデオ声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うことを任務とする「アリー・ブン・アビー・ターリブ軍」を結成すると発表した。

アリー・ブン・アビー・ターリブとは、第4代正統カリフ・アリーのことで、アッルーシュ司令官は声明のなかで、ダーイシュを「ハワーリジュ派」と呼び、その掃討を呼びかけた。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル市のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを爆撃(2015年3月13日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを空爆した。

シリア軍の拘置所でブーカマール市出身の男性が拷問を受けて死亡した。

一方、同監視団は、ダーイシュ(ユーフラテス州)が、数日前にブーカマール市でシリア人4人とイラク人4人の合わせて8人を斬首し、殺害したと発表した。

シリア人4人は、シャーム自由人イスラーム運動、「覚醒評議会」などの武装集団に所属し、ダーイシュに対抗していたという。

また公開されたビデオによると、処刑された8人はオレンジ色の囚人服を着せられ、処刑されたという。

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ヒムス県では、SANA(3月13日付)によると、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーイシュ(イスラーム国)を名のる集団は、ツイッターを通じて声明を出し、アブー・イリヤース・ウルドゥンニー氏が、5.5トンの爆発物を積んだ車を、ヒムス県のヒムス市・タドムル市街道にあるシリア軍のハヌーラ村検問所で自爆させたと発表した。

Kull-na Shuraka', March 13, 2015
Kull-na Shuraka’, March 13, 2015

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アレッポ県では、ARA News(3月13日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がカッラ・クーザーク橋一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(3月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマアダーン村で、児童に個人授業を行っていた教師5人をむち打ち刑に処した。

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ハサカ県では、SANA(3月13日付)によると、バーブ・ハイル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(3月14日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は声明を出し、米国など有志連合に対して、ハサカ県タッル・ハミース市一帯、タッル・ブラーク町一帯に加えて、タッル・シャーミーラーン村などアッシリア教徒の村落を含むタッル・タムル町一帯でのダーイシュ(イスラーム国)掃討戦に参加するよう呼びかけた。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市の反体制武装集団支配地域から約40人が治療のためシリア政府支配地域に搬送、「死のトライアングル」地帯ではシリア軍の攻勢続く(2015年3月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市の反体制武装集団支配地域の住民約40人が、シリア赤新月社の医療チームの仲介により、マシャーリカ地区とブスターン・カスル地区を隔てるカラージュ・ハジャズ検問所を経由して、シリア政府支配下のブスターン・カスル地区に入り、治療を受けるためにシリア政府支配下の病院に搬送された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルシャムス町、カフル・ナースィジュ村、ブスル・ハリール市、タファス市、アルマー村、ハッラーブ・シャフム村、ウンム・マヤーズィン町、東ガーリヤ村、インヒル市、ブスラー・シャーム市、サムリーン村、ズィムリーン村、アジャミー村、ティーハ村、アトマーン村、ダルアー市各所をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆し、アルマー村で子供1人を含む6人が死亡した。

一方、SANA(3月13日付)によると、ティーハ村、タッル・ズィブヤーン、シャイフ・マスキーン市、イブタア町、アトマーン村、タファス市、ブスル・ハリール市、ウンム・マヤーズィン町、ダルアー市マンシヤ地区などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、マスハラ村、ウンム・バーディナ村をシリア軍が「樽爆弾」で空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月13日付)によると、ハミーディーヤ村、スワイサ村、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、タイバ村、ザバダーニー市、ドゥーマー市などを、シリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(3月13日付)によると、マガル・ミール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市、ラターミナ町、ハスラヤー村をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆する一方、ジハード主義武装集団は、シリア政府の支配下にあるマアーン村を砲撃した。

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ヒムス県では、SANA(3月13日付)によると、ラスタン市、スルターニーヤ村、西サラーム村、ムシャイリファ村、ザアフラーナ村、クナイトラート村、イッズッディーン町、タルビーサ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月13日付)によると、ビンニシュ市、タフタナーズ市、カフル・ジャーリス村、シュグル村、ラーミー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月13日付)によると、サルマー町、ハズィーリーン村、カフルディルバ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(3月13日付)は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県で、指名手配中の反体制武装集団メンバーら448人が当局に投降し、その後免責となり、釈放されたと伝えた。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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シリア情報大臣は西クルディスタン移行期民政局(ジャズィーラ地区)での統一地方選挙に理解(2015年3月13日)

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、西クルディスタン移行期民政局(ジャズィーラ地区)による統一地方選挙実施に関して「クルド人はシリア国民の一部をなしている。自治についての議論は、シリアという国家の枠内で政治的な意味を伴っていれば可能だ。シリア政府と法律、制度、そして憲法に基づいて議論が行われている」と述べ、理解を示した。

ズウビー情報大臣はまた「クルド人は北部各地域でテロリストと戦っている。彼らはまた、ダマスカス郊外、アレッポなどでも戦っている。彼らはテロに対する愛国的で包括的な抵抗の一環をなしている」と付言した。

そのうえで「シリアの指導部、軍司令部、国防省は、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリアのクルド人戦闘員に多くのものを提供している。そうしたことを否定する者がいれば、そうした否定は彼の身にもふりかかることになる。なぜならシリアには、そうした動きを確固たるするものがあり、否定するという発想それ自体が非道で、客観性を欠く」と強調した。

ARA News(3月13日付)が伝えた。

AFP, March 13, 2015、AP, March 13, 2015、ARA News, March 13, 2015、Champress, March 13, 2015、al-Hayat, March 14, 2015、Iraqi News, March 13, 2015、Kull-na Shuraka’, March 13, 2015、al-Mada Press, March 13, 2015、Naharnet, March 13, 2015、NNA, March 13, 2015、Reuters, March 13, 2015、SANA, March 13, 2015、UPI, March 13, 2015などをもとに作成。

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米国の「人権のための医師団」は、シリア軍が4年で医師600人を殺害したと非難(2015年3月12日)

米ニューヨークに本部を構える人権のための医師団は声明を出し、シリア軍による病院、医療施設への「体系的な攻撃」により、2011年3月以降、600人以上の医師、医療関係者が死亡している、と発表した。

うち139人は拷問を受けて死亡したか、処刑されたという。

また、病院や診療所183カ所に対して、233回におよぶ「樽爆弾」での空爆が行われたという。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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トルコ外相「英国人少女3人のシリア潜入を支援したのは有志連合に参加する某国の元諜報員」(2015年3月12日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、2月下旬に失踪し、ダーイシュ(イスラーム国)に加わるために、トルコ経由でシリアに潜入したとされる英国の3人の少女に関して、ハベル・チャンネル(3月12日付)に「少女たち(の潜入)を誰が支援していたか知っていますか? 有志連合に参加する某国の諜報機関で活動していた人物です」としたうえで、この人物が逮捕されたことを明らかにした。

チャヴシュオール外務大臣は、詳細については述べたなかったが、逮捕したのは米国での西欧諸国でもない、という。

AFP(3月12日付)などが伝えた。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍がヒムスで交戦(2015年3月12日)

ヒムス県では、マサール・プレス(3月12日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がフルクルス町近郊のシリア軍検問所で爆弾が仕掛けられた車を爆発させ、兵士15人を殺傷、同検問所を制圧した。

またシリア人権監視団によると、ラッムーフ村近郊で、シリア軍がダーイシュと交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団などによると、ラアス・アイン市南部郊外(アイダーニーヤ村、アクバーシュ村、マナージール村一帯)で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

マサール・プレス(3月12日付)によると、ダーイシュ側はラッカ県方面から増援部隊の車列を派遣したという。

人民防衛隊はまた、アサーイシュ、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵とともに、タッル・タムル町周辺一帯でダーイシュと交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジュダイド・バッカーラ村、アシャーラ市で、ジハード主義武装集団などのメンバーとされる男性30人を逮捕、連行した。

またダイル・ザウル市ヤースィーン・シャイフ地区のダーイシュ拠点などに対するシリア軍の「樽爆弾」での空爆で、女性1人が死亡した。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015Masar Press Agency, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線がダマスカス郊外県、ラタキア県北部から撤退(2015年3月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がバイト・サフム市、バービッラー市一帯での「自由シリア軍」所属の使徒シャーム旅団との数日間にわたる交戦の末、「別のジハード主義武装集団」の仲介により、同地から撤退した。

一方、カラムーン地方無人地帯では、シリア軍の空爆で反体制武装集団の戦闘員3人が死亡した。

このほか、カナーキル村、タッル市では、治安機関の拘置所で男性5人が殺害された。

なお、『ハヤート』(3月13日付)によると、バイト・サフム市、バービッラー市はいずれも2014年春に、シリア政府と反体制武装集団の「国民和解」が成立し、反体制武装集団が撤退、シリア国旗が掲揚され、シリア警察が治安維持活動にあたり、人道支援物資が搬入されていた。

だが、ヌスラ戦線撤退は、ヌスラ戦線とシリア政府の双方に異議を唱える住民の抗議デモを受けて実現しており、両市において「国民和解」が今後も維持されるかは不透明だという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が、11日夜にドゥーリーン村に侵攻しようとしたシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦し、戦闘員20~45人を殺害した。

ロイター通信(3月12日付)によると、シリア軍は、兵士数名が軽傷を負っただけで、ヌスラ戦線らをドゥーリーン村から撃退したという。

一方、SANA(3月12日付)によると、サルマー町、ハーン・ジャウズ村、カフル・ディブラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマスアダ村、バルグースィーヤ村などを砲撃した。

一方、SANA(3月12日付)によると、マスアダ村、バグルースィーヤ村、ジバーブ・ハマド村、タドムリーヤ村、ウンム・タバービール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県、ダルアー県、クナイトラ県の3県が接するいわゆる「死のトライアングル」地帯では、シリア人権監視団によると、クナイトラ県マスハラ村、ウンム・バーティナ村、ダルアー県ダルアー市各所、西ガーリヤ村、インヒル市近郊の第15旅団基地をシリア軍が砲撃、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、ダルアー県ティースィヤー村、フラーク市西方、ズィムリーン村、クナイトラ県マスハラ村、クードナ村、タルジャナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らが、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、アレッポ市旧市街のアブドゥルハミード・ザフラーウィー学校に潜入しようとした「武装テロ集団」をシリア軍が撃退した。

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SANA(3月12日付)は、ダマスカス県議会のムハンナー・ジャッバーラ議員がダマスカス県ティジャーラ地区の自宅で武装集団に撃たれて死亡した、と報じた。

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スワイダー県では、SANA(3月12日付)によると、アラー村近郊にあるパレスチナのラジオ局クドス・ラジオの事務所が武装集団の襲撃を受けた。

AFP, March 12, 2015、AP, March 12, 2015、ARA News, March 12, 2015、Champress, March 12, 2015、al-Hayat, March 13, 2015、Iraqi News, March 12, 2015、Kull-na Shuraka’, March 12, 2015、al-Mada Press, March 12, 2015、Naharnet, March 12, 2015、NNA, March 12, 2015、Reuters, March 12, 2015、SANA, March 12, 2015、UPI, March 12, 2015などをもとに作成。

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ハサカ県、ダイル・ザウル県で、シリア軍、YPGがダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年3月11日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員数百人が、トルコ国境のラアス・アイン市一帯(タッル・ヒンズィール村、マナージール村一帯)の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を戦車、重火器を駆使して攻撃、人民防衛隊は郊外の1カ村からの撤退を余儀なくされた。

しかし、ARA News(3月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、アイン・アラブ市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、2日前に奪われていた4カ村を奪還した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲するクワイリス航空基地一帯に対してシリア軍が空爆を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)が優勢なバラーギース村、カンタラ村、ムカイミン村、ティバーラ村、マスアダ村、クライブ・サウル村、カスタル村一帯などを空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマリーイーヤ村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して空爆を行った。

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トルコ外務省は、シリア領内に越境しようとしていたインドネシア人16人を逮捕した、と発表した。

外務省報道官はアンカラでの記者会見で、この16人が、ダーイシュ(イスラーム国)に参加しようとする外国人と同じコースでシリア領内に潜入しようとしていたと指摘した。

ARA News(3月11日付)が伝えた。

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Iraq News(3月11日付)は、人民動員部隊(シーア派義勇軍)に所属するヌジャバー運動のアクラム・カアビー書記長が、イラク軍・治安部隊、人民動員部隊、サラーフッディーン県の部族民兵などが3月初めに本格化していたティクリート市奪還作戦によって、同市が完全制圧されたと述べたと伝えた。

カアビー書記長は「ティクリート市は治安部隊と義勇兵の支配下に完全に置かれた」と述べた。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合がシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して13回の空爆を行ったと発表した。

うちシリア領内の空爆は2回に限られた。

AFP, March 11, 2015、AP, March 11, 2015、ARA News, March 11, 2015、Champress, March 11, 2015、al-Hayat, March 12, 2015、Iraqi News, March 11, 2015、Kull-na Shuraka’, March 11, 2015、al-Mada Press, March 11, 2015、Naharnet, March 11, 2015、NNA, March 11, 2015、Reuters, March 11, 2015、SANA, March 11, 2015、UPI, March 11, 2015などをもとに作成。

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「死のトライアングル」地帯(ダマスカス郊外県、ダルアー県、クナイトラ県)でシリア軍が攻勢(2015年3月11日)

ダマスカス県、ダルアー県、クナイトラ県の3県が接するいわゆる「死のトライアングル」地帯では、シリア人権監視団によると、シリア軍が同地の制圧を完了させるべく、クナイトラ県マスハラ村一帯、カフル・ナースィジュ村、カフルシャムス町、ブスル・ハリール市一帯などを「樽爆弾」などで激しく空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員らとともにシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

これに関して、ロイター通信(3月11日付)は、ダマスカス郊外県の反体制武装集団支配地域で、約70人の戦闘員がシリア軍に投降したと伝えた。

一方、SANA(3月11日付)は、ヒムス県、ダマスカス郊外県、ダマスカス県、アレッポ県、イドリブ県各所で、反体制武装集団のメンバー527人が関係当局に投降、その後方面となり釈放されたと伝えた。

シリア軍の攻勢が続く中、ダルアー県で活動するムウタッズ・ビッラー旅団(自由シリア軍南部戦線所属)は声明を出し、同じく同県で活動するイスラーム・ムサンナー運動が、アシュアリー農場にあるムウタッズ・ビッラー旅団本部の警備隊を放逐、爆破したと批判、ハウラーン地方のシャイフらに事実解明を求めた。

Kull-na Shuraka', March 10, 2015
Kull-na Shuraka’, March 10, 2015

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このほか、ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市一帯を空爆、ザバダーニー市一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ダマスカス郊外県バービッラー市で活動する地元評議会は、声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏に対して、同市やバイト・サフム市で使徒シャーム旅団(「自由シリア軍」)と交戦したヌスラ戦線の武装集団を破門するよう求めた。

声明において、地元評議会は「シリア全土においてシャーム戦線は、ムジャーヒディーンの同胞だと考えている」としつつ、「ヌスラ戦線の旗のもと、一部の幹部が…殺害、拉致、イスラーム教徒への背教宣告、攻撃といった行いをしている」と非難、その破門を求めた。

Kull-na Shuraka', March 11, 2015
Kull-na Shuraka’, March 11, 2015

他方、SANA(3月11日付)によると、カラムーン山地一帯郊外無人地帯、マシュラファ村郊外無人地帯、カーラ市郊外無人地帯、ドゥーマー市、アーリヤ農場、アルバイン市、ザマーニーヤ村郊外、ビラーリーヤ村郊外、バハーリーヤ村郊外、カースィミーヤ町郊外で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ダルアー県では、SANA(3月11日付)によると、インヒル市などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市マサーキン・サビール地区、シャイハーン交差点一帯を迫撃砲で攻撃した。

またバーシュカウィー村一帯では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦する一方、シリア軍がハンダラート・キャンプ一帯を空爆した。

これによりヌスラ戦線の地元司令官ら4人が死亡したという。

一方、クッルナー・シュラカー(3月11日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動がバーシュカウィー村でシリア軍部隊を要撃、士官(中尉)1人を含む兵士11人を殺害した。

他方、SANA(3月11日付)によると、アレッポ市シュカイフ地区、タッル・ジャビーン村、ハンダラート・キャンプ一帯、マンスーラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サイヤード村、アトシャーン村をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆、またジャニー・アルバーウィー村、ラターミナ町一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

ヌスラ戦線らはこれに対してシャトハ町各所を砲撃した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月11日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月11日付)によると、ズワイク村、マルジュ・シーリー村、ジュッブ・カバトゥー村、カトフ・ルンマーン村、サルマー町、ワター・ハーン村、クルト村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、外国人の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月11日付)によると、ハッルーズ村、ザイズーン村、ビンニシュ市郊外、アイン・シーブ村、サルジャ村、マアッラト・ヌウマーン市、タイバ村、ハーッジ・ハンムード村、フサイニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月11日付)によると、ラスタン市郊外、ウンム・シャルシューフ村、クナイトラート村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 11, 2015、AP, March 11, 2015、ARA News, March 11, 2015、Champress, March 11, 2015、al-Hayat, March 12, 2015、Iraqi News, March 11, 2015、Kull-na Shuraka’, March 11, 2015、al-Mada Press, March 11, 2015、Naharnet, March 11, 2015、NNA, March 11, 2015、Reuters, March 11, 2015、SANA, March 11, 2015、UPI, March 11, 2015などをもとに作成。

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アッタール副大統領がシリア・ヨルダン友好協会使節団と会談(2015年3月11日)

ナジャーフ・アッタール副大統領は、ダマスカスを訪問したヨルダン・シリア友好協会(サーミー・マジャーリー会長)の使節団と会談した。

SANA(3月11日付)によると、アッタール副大統領は会談で、シリアとヨルダンを隔てる人工の国境が単一のアラブ民族という概念に影響を及ぼすことはないとしたうえで、シリア・ヨルダン両国民が強い絆で結びついていると強調、「ヨルダンがどうして…シリアへのテロリストの潜入を許することがあろうか…? ヨルダン領内でテロリストを教練しようとする米国の決定を受け入れるなどと誰が想像しようか?… ヨルダンがこれまでとは異なった姿勢をとり、欧米諸国、そして一部のアラブ諸国に共謀する敵に与しないようにする時が来た」と述べた、という。

会談後、使節団はシリア軍の負傷兵が収容されている病院を慰問した。

SANA, March 11, 2015
SANA, March 11, 2015

AFP, March 11, 2015、AP, March 11, 2015、ARA News, March 11, 2015、Champress, March 11, 2015、al-Hayat, March 12, 2015、Iraqi News, March 11, 2015、Kull-na Shuraka’, March 11, 2015、al-Mada Press, March 11, 2015、Naharnet, March 11, 2015、NNA, March 11, 2015、Reuters, March 11, 2015、SANA, March 11, 2015、UPI, March 11, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)は、今度はイスラエル人(48年パレスチナ人)を処刑するビデオを公開(2015年3月10日)

ダーイシュ(イスラーム国)は、イスラエル諜報機関のスパイとして活動していたというイスラエル人のムハンマド・サイード・イスマーイール氏(19歳)を殺害する映像をインターネットを通じて公開した。

ARA News, March 11, 2015
ARA News, March 11, 2015

イスマーイール氏は、イスラエル国籍を持つ「48年パレスチナ人」(イスラエル・アラブ人)でエルサレム市出身。

ビデオ映像は約13分におよび、フルカーン広報制作機構のロゴが付されていた。

映像のなかで、イスマーイール氏は、オレンジ色の囚人服を着せられて、室内に座らされ、イスラエル諜報機関がどのように彼をスパイとして勧誘、養成したかを証言した。

イスマーイール氏によると、イスラエルの諜報機関の士官だった隣人から諜報員になるよう誘われ、家族に相談、両親や兄弟にスパイ活動を強く奨められ、諜報員になることを決心したという。

諜報員になることを決心したイスマーイール氏は、エルサレム市東部の訓練施設で、8人のイスラエル人とともに、1ヶ月間にわたり諜報員としての教練を受けた。

ともに教練を受けた8人は、イスマーイール氏とは異なり、いずれもユダヤ人だったという。

イスマーイール氏は教練後に帰宅し、今度はミーローを名のる諜報員からダーイシュ支配地域での諜報活動の誘いを受け、トルコを経由して、密輸業者の仲介でシリア領内に潜入した。

潜入後の任務は、イスラエルに武器、基地の場所、パレスチナ人戦闘員の居場所などを知らせることだったが、潜入後程なく、指示された任務の一部に失敗、自身の素性が知られることを恐れて、父親に連絡をとると、帰国するよう言われた。

だが、そのときにはすでにムジャーヒディーンに監視されており、逮捕・投獄され、逮捕後の聴取で、自身がイスラエルのモサドのスパイだったと自供したという。

イスマーイール氏は、自身をこのような状況に追いやったのは家族の責任だと非難して、証言を終えた。

その後、屋外で撮影されたシーンに切り替わり、イスマーイール氏は、軍服を着た子供に頭や体を撃たれ、銃殺された。

斬首はされなかった。

この子供は、隣に立っている男性から、フランス語で「カリフ制の若き勇者」と讃えられた。

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『ハヤート』(3月12日付)によると、イスラエル治安筋は、ダーイシュ(イスラーム国)に処刑されたムハンマド・サイード・イスマーイール氏が2014年10月にダーイシュに参加して戦闘を行うためにシリアに入ったとしつつ、スパイだったとのイスマーイール氏の自供を否定した。

またイスマーイール氏の父親も、息子がトルコに観光旅行中の2015年2月に失踪したと述べるとともに、「捕虜になったときに逃げようとしたが、彼ら(ダーイシュ)は息子にイスラエルのために活動していると言うよう求めた…。息子は犠牲者だ」と述べた。

母親も記者らに対して「10代のスパイ? そんなことあり得ますか? スパイだったとしてもなぜそこに行くの?」とスパイ容疑を否定した。

一方、イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、国営ラジオで「シリアとイラクに行って、ダーイシュに参加しているイスラエル・アラブ人(48年パレスチナ人)が数十人いる。その一部は殺され、そのほかにも帰国しようとして逮捕された者がいる。だがこうした現象はイスラエル・アラブ人の間で広まってはいない」と述べた。

また「このイスラエル・アラブ人(イスマーイール氏)はモサドなどイスラエルのいかなる治安機関とも関係ない」と強調した。

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一方、AFP(3月11日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、ムハンマド・サイード・イスマーイール氏を殺害するダーイシュ(イスラーム国)のビデオに映っていた男性がサブリー・アスイード氏の可能性が高いと伝えた。

アスイード氏は、2012年にフランスで発生した連続銃撃事件の実行犯ムハンマド・ムラーフ氏の義理の兄弟にあたり、2014年4月にシリアに向かったとされている。

エスィード氏は、2006年にイラクに向かおうとしていたアル=カーイダ戦闘員を自宅にかくまっていたことで、フランス当局に逮捕され、国外追放処分を受けていたという。

AFP, March 11, 2015、AP, March 11, 2015、ARA News, March 11, 2015、Champress, March 11, 2015、al-Hayat, March 12, 2015、Iraqi News, March 11, 2015、Kull-na Shuraka’, March 11, 2015、al-Mada Press, March 11, 2015、Naharnet, March 11, 2015、NNA, March 11, 2015、Reuters, March 11, 2015、SANA, March 11, 2015、UPI, March 11, 2015などをもとに作成。

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後藤健二氏殺害を目撃したというダーイシュ(イスラーム国)の通訳が証言「人質は「架空殺害」作戦に参加させられていたため、殺害の際も平静を保っていた」(2015年3月10日)

スカイ・ニュース(3月10日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)による後藤健二氏殺害の現場に居合わせたと主張する人物にインタビューを行い、その映像(http://www.skynewsarabia.com/web/article/729607/%D9%85%D8%AA%D8%B1%D8%AC%D9%85-%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%86%D8%B8%D9%8A%D9%85-%D8%A7%D9%85%D9%88%D8%A7%D8%B2%D9%8A-%D8%B9%D8%B4%D9%85%D8%A7%D9%88%D9%8A-%D8%AF%D8%A7%D8%B9%D8%B4)を公開した。

ダーイシュに通訳として雇われていたという「サーリフ」を名のるこの人物は、人質たちに身の安全は保証されていると「嘘」をついて、彼らを安心させていたと話した。

この男性はまた、後藤氏の殺害を遠くから目撃していたとしたうえで、3~4人のダーイシュ・メンバーが殺害を実行、その後、遺体を車に乗せたと述べた。

「ジハード・ジョン」もこの現場にいたが、殺害後は遺体を運んだメンバーとは別の場所に向かったという。

「サーリフ」を名のるこの男性によると、トルコ人の男が複数台のカメラを設置するよう指示していたが、その一方で「ムハンマド」を名のるリーダーが、何事に対しても「急げ、急げ、急げ」と言って命令を下し、他のメンバーがこれに従っていたという。

この男性はさらに、すべての外国人質が「架空殺害」作戦と名づけられた作戦に参加させられており、そのため人質は殺害される際も平静を保っていたことを明らかにした。

この男性は、「ジハード・ジョン」から撮影のために「作戦」を行うだけで、実際には殺害はしないと人質たちに伝えるよう指示されたとも述べた。

また「ジハード・ジョン」は、「我々がしたいのは、あなたがた(人質)の政府にシリア攻撃を辞めさせることだ。あなた方との間に何も問題もない。あなた方は私たちの客人だ」と述べ、彼らを殺したり、危害を加えないと言っていたという。

だが、「サーリフ」を名のるこの男性は、「彼らがいずれ殺されると最後には確信するようになった」と証言した。

Sky News Arabic, March 10, 2015
Sky News Arabic, March 10, 2015

Sky News Arabic, March 10, 2015をもとに作成。

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