ヌスラ戦線は第13師団メンバー30人を釈放する一方、アレッポ県の「穏健な反体制派」は両者の和解を呼びかける(2016年3月15日)

シャームの民のヌスラ戦線はSNSを通じて、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市で逮捕していた第13師団のメンバー全員を釈放したと発表した。

複数の活動家によると、釈放されたのはアリー・サマーヒー大佐(特殊任務旅団司令官)、ハーリド・カイターズ氏、シャリーフ・ザイン氏ら30人以上。

一方、第13師団の司令官アフマド・スウード中佐はツイッターを通じて、メンバー5人(ザーヒル・アフマド氏ら)が依然として身柄を拘束されていると発表した。

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アレッポ県などで活動する「穏健な反体制派」8組織は14日付で共同声明を出し、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市でのシャームの民のヌスラ戦線と第16師団の対立に関して、ヌスラ戦線に対して対立を解消するため、拘束中の第16師団メンバーの身柄を独立司法裁判所に引き渡し、和解するよう呼びかけた。

共同声明を出したのは、スルターン・ムラード旅団、シャーム戦線、第16師団、イスラーム覚醒大隊、第1連隊、ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、シャーム軍団。

Kull-na Shuraka', March 15, 2016
Kull-na Shuraka’, March 15, 2016

AFP, March 15, 2016、AP, March 15, 2016、ARA News, March 15, 2016、Champress, March 15, 2016、al-Hayat, March 16, 2016、Iraqi News, March 15, 2016、Kull-na Shuraka’, March 15, 2016、May 16, 2016、al-Mada Press, March 15, 2016、Naharnet, March 15, 2016、NNA, March 15, 2016、Reuters, March 15, 2016、SANA, March 15, 2016、UPI, March 15, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で3回の爆撃を実施(2016年3月14日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月14日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、フール町近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 15, 2016などをもとに作成。

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YPGはハサカ県アームーダー市近郊でトルコ軍からの越境攻撃を受けたと発表(2016年3月14日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の総司令部は、トルコ軍がハサカ県アームーダー市近郊の人民防衛隊の拠点に対して越境攻撃を行ったと発表した。

ARA News(3月15日付)が伝えた。

AFP, March 15, 2016、AP, March 15, 2016、ARA News, March 15, 2016、Champress, March 15, 2016、al-Hayat, March 16, 2016、Iraqi News, March 15, 2016、Kull-na Shuraka’, March 15, 2016、al-Mada Press, March 15, 2016、Naharnet, March 15, 2016、NNA, March 15, 2016、Reuters, March 15, 2016、SANA, March 15, 2016、UPI, March 15, 2016などをもとに作成。

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プーチン大統領とアサド大統領はシリア駐留ロシア空軍の主要部隊の撤退に合意(2016年3月14日)

シリア大統領府は声明を出し、アサド大統領とロシアのヴラジミール・プーチン大統領が電話会談を行い、シリア駐留ロシア軍の兵力を削減することに合意したと発表した。

声明は「シリア・アラブ軍がロシア空軍との協力により「テロとの戦い」において成功を達成し、シリア各地で治安と安定を回復したことを受け…、シリア・ロシア両国は、アサド、プーチン両大統領の電話会談で、現下の戦況に応じるかたちでシリア駐留ロシア軍の兵力を削減するとともに、敵対行為停止を継続、さらに「テロとの戦い」におけるロシアのシリア支援を継続することに合意した」という。

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ロシア大統領府(クレムリン)も同様の声明を発表、「両国首脳は、ロシア空軍の活動によってテロとの戦いの戦況に劇的な変化がもたらされ、テロリストのインフラを解体、彼らに甚大な損害を与えたことに注目した…。これを鑑み、ロシア大統領は、シリア駐留ロシア空軍に与えられていた主な任務は完了したと言明した。ロシア空軍の主要部隊を撤退させることが合意された」と表明した。

また「アサド大統領は、作戦に参加したロシア空軍士官らのプロフェッショナリズム、勇気、英雄的姿勢に言及し、ロシアに深い謝意を示した…。シリアの指導部は、シリアにおける政治プロセスの早急な構築の用意があると強調した。

プーチン大統領は、セルゲイ・ショイグ外務大臣、セルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談で、駐留ロシア空軍の撤退を15日から開始すると述べた。

なお、ショイグ国防大臣がプーチン大統領に提出した戦果報告によると、9月末以降のロシア軍による空爆は、出撃回数が約9,000回に達し、戦闘員2,000人(うち前線司令官17人)を殲滅、石油関連施設209棟、車輌約3,000輌などを破壊、シリア政府が400の市町村・住宅地、1万平方キロを奪還するのに寄与したほか、トルコからの主要な兵站路の遮断に成功したという。

AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。

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ジュネーブ3会議再開:シリア代表団「この対話により多くの反体制派が参加することを願っている」、デミストゥラ国連共同特別代表「すべての問題の起点は政治移行だ」(2016年3月14日)

バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団は、スイスのジュネーブでスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談、ジュネーブ3会議における反体制派との間接協議を開始した。

ジャアファリー国連シリア代表は会談後、記者団に対して、デミストゥラ国連特別代表との会談が「前向き、建設的」だと高く評価、「我々と共同特別代表との間で、交渉の枠組みの形式に関してどのような相互理解、合意、コンセンサスを行うかについて充分な準備とヴィジョンの確立が重要だという点で相互理解に達した」ことを明らかにした。

ジャアファリー国連シリア代表は「形式的側面という場合、我々が意図しているのは、ジュネーブに参加、ないしは招聘される代表団が誰からなっているか…、(反体制派の)合同名簿とはどのようなものか、すべての代表団が平等に扱われているか、とうことだ…。我々は他のすべての代表団が、国連安保理決議、ウィーンでの諸合意、ミュンヘンでの宣言に従って参集し、この対話により多くの反体制派が参加することを願っている」と述べた。

また「我々はシリア人として、シリア指導部として、外国の干渉や前提条件なしに協議を行いたい」と強調した。

SANA, March 14, 2016
SANA, March 14, 2016

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一方、デミストゥラ共同特別代表も「会合は有益で実り多いものだった」とシリア政府代表団との交渉を高く評価、「多くの論点を明確にすることができた」と述べた。

また「Bプランは戦争への逆戻りを意味する。おそらく今よりももっと悪い戦争へとだ…」と警鐘を鳴らした。

なお、デミストゥラ共同特別代表は会談に先立って記者会見を開き、「政治移行こそがすべての問題の起点だ」と述べていた。

AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線と第13師団は和解に向けて独立司法裁判所の設置で合意するも、マアッラト・ヌウマーン市住民はヌスラ戦線本部を焼き討ちに(2016年3月14日)

イドリブ県では、SNN(3月15日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市では日中、シャームの民のヌスラ戦線による第13師団の全拠点制圧、メンバー逮捕への住民の不満が高まり、市内各所で抗議デモが発生した。

Youtube, March 14, 2016
Youtube, March 14, 2016

Youtube, March 14, 2016
Youtube, March 14, 2016
Youtube, March 14, 2016
Youtube, March 14, 2016

デモ参加者は「シリア革命期」(委任統治領シリアの国旗)、第13師団の旗を掲げ、メンバーの逮捕停止や逮捕者釈放が要求された。

クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、デモ参加者の一部はマアッラト・ヌウマーン市内にあるヌスラ戦線の本部に突入し、拘束されていた4人を解放したのち、本部を焼き討ちにした。

デモ参加者が突入した際、ヌスラ戦線のメンバーは一人もいなかったという。

なおSNNによると、ヌスラ戦線は市内に検問所を設置せず、拠点を市外に移転し衝突を回避しようとしたが、夜になると、第13師団メンバーの追跡捜査を再開し、複数のメンバーを逮捕したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、ヌスラ戦線の追跡捜査はメンバーの自宅などが対象となり、第13師団特殊部隊司令官のアリー・サマーフ離反大佐も逮捕されたという。

 

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一方、ヌスラ戦線は13日深夜に声明を出し、第13師団との対立解消と和解に向けて独立司法裁判所の設置を呼びかけた。

ヌスラ戦線はまたこの裁判所のメンバーとして、アブドゥッラッザーク・マフディー氏、アブー・ハーリス・ミスリー氏(エジプト人)、アブドゥッラー・ムハイスィニー氏(ファトフ軍を指導するサウジアラビア人説教師)の3人を推薦した。

これに対して、第13師団も13日付で声明を出し、「善意のもとに(ヌスラ戦線が制圧した第13師団の)すべての本部、物資が、(法的)判断が下されるまで、法務委員会によって管理され、事態が回復し、逮捕者が帰宅、検問所が撤去されることを提案する」と発表し、独立司法裁判所に審理を求め、ヌスラ戦線の提案に応じる姿勢を示した。

Kull-na Shuraka', March 14, 2016
Kull-na Shuraka’, March 14, 2016

クッルナー・シュラカー(3月14日付)によると、これを受け、ムスリフ・ウルヤーニー氏、アブー・ナースィル・クワイティー氏、アブー・アースィム氏、アブー・カターダ氏の4人が独立司法委員会のメンバーに任命されたという。

AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、SNN, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県での戦闘を受け、同県およびダマスカス郊外県の包囲下の都市への人道支援物資搬入作業が中断(2016年3月14日)

AFP(3月15日付)は、赤十字国際委員会のパウエル・クリジシエク(Pawel Krzysiek)報道官の話として、ダマスカス郊外県のマダーヤー町、ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町で予定されていた人道支援物資搬入作業が現地での戦闘、とりわけヒムス県カルアト・マディーク町でのシリア軍と反体制武装集団の戦闘によって延期となったと伝えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ハッダーダ村・ジュッブ・アフマル村・カッバーナ村回廊など県北西部一帯で、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、アイン・マニーン村内で強制捜査を実施した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、サカン・シャバービー地区で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員1人が死亡した。

ジハード主義武装集団はまた、県北西部のタッル・リフアト市、アイン・ダクナ村のシリア民主軍拠点を砲撃した。

一方、ARA News(3月14日付)によると、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」と目されるヌールッディーン・ザンキー運動がヌブル市近郊のバーシャムラ村(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍制圧下)を砲撃した。

また、アレッポ市ラーシディーン地区一帯、ハイヤーン町一帯では、シリア軍は外国人戦闘員(イラク人、アフガン人民兵)らとともにアレッポ・ファトフ軍作戦司令室、「命じられるがまま進め」連合などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、ARA News(3月14日付)によると、シリア軍は外国人戦闘員(イラク人、アフガン人民兵)とともに、反体制武装集団に占拠されていた県北部のカフルヌブーダ穀物サイロ一帯、サフル村、カフルヌブーダ町周辺の検問所を奪還した。

一方、SANA(3月14日付)によると、イーマーン旅団を名乗る武装集団が、ウンム・ハーラタイン村・ザアタル丘・マアーン村回廊一帯で停戦に違反し、シリア軍拠点に対して攻撃を行った。

シリア軍はこれに応戦し、戦闘員6人を殲滅した。

AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がヒムス県タドムル市一帯でダーイシュと交戦(2016年3月14日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市一帯、ヒヤーン山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、シリア軍が同地一帯を激しく空爆・砲撃した。

一方、SANA(3月14日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のヒヤール山およびタール山近郊の第853地点、第600地点を制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北西部でムウタスィム・ビッラー旅団、ハムザ旅団、スルターン・ムラード旅団、山地の鷹旅団、シャーム軍団などからなる反体制武装集団がガズル村一帯などで、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、ARA
News(3月14日付)によると、ジャカー村(トルクメン人の村)を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル航空基地一帯のダーイシュ(イスラーム国)を空爆した。

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ロシア国防省は13日の停戦違反件数を14件と発表(2016年3月14日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月13日に14件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反のうち5件はラタキア県、5件はダルアー県、2件はアレッポ県、1件はダマスカス郊外県、1件はハマー県。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。

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米国主導の有志連合はシリア領内で4回の爆撃を実施(2016年3月13日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月13日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して15回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回で、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 14, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線はアレッポ市西部郊外の「穏健な反体制派」支配地域に進攻し、第46連隊の拠点を制圧、武器を捕獲(2016年3月13日)

アレッポ県では、ARA News(3月13日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、敵対行為停止合意に乗じるかたちで「穏健な反体制派」が優勢なアレッポ市西部郊外一帯に侵攻、アターリブ市に隣接するムハンディスィーン地区にある第46連隊などの拠点を制圧、武器・弾薬を捕獲した。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県から「穏健な反体制派」の第13師団を放逐し、米国製武器を捕獲(2016年3月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)との連携がとりざたされているジュンド・アクサー機構が13日未明までに、ハーン・シャイフ市にある「穏健な反体制派」第13師団の拠点を制圧した。

またアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線も、マアッラト・ヌウマーン市郊外にあるガドファ村で第13師団の拠点を制圧、師団メンバー40人以上を逮捕した。

ヌスラ戦線は12日、マアッラト・ヌウマーン市にある第13師団のすべての拠点を制圧し、米国が第13師団に供与したとされるTOW対戦車ミサイル、戦車、装甲車、中軽火器、弾薬を捕獲した。

シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市での戦闘では第13師団の戦闘員6人が死亡、またガドファ村では数十人の消息が不明となっているという。

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拠点を奪われた第13師団はツイッターのアカウントを通じて、「ヌスラ戦線は我々の全拠点を襲撃し、武器弾薬を奪った。我々は彼らがこの武器を他の部隊に対して使用しないことを望む」とメッセージを発信、また「我々は(ヌスラ戦線指導者のアブー・ムハンマド・)ジャウラーニー氏によるこの征服を祝福したい」と揶揄した。

その後、第13師団は声明を出し、本拠地のマアッラト・ヌウマーン市とハーミディーヤ村・ガドファ村郊外一帯をヌスラ戦線に奪われたことを認める一方、ハマー県、アレッポ県、ラタキア県における戦線では、シリア政府とダーイシュ(イスラーム国)と対峙していると主張、これらとの戦闘を継続する意思を表明した。

Kull-na Shuraka', March 14, 2016
Kull-na Shuraka’, March 14, 2016

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一方、『ハヤート』(3月14日付)は、ヌスラ戦線とジュンド・アクサー機構による第13師団の制圧に対して、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動やシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団が介入せず、対立を阻止しなかったことを批判する動きがSNS上で展開されていると伝えた。

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ヌスラ戦線は、リヤド最高交渉委員会に参加するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などとともにファトフ軍を率い、イドリブ県の実効支配を主導している。

一方、ジュンド・アクサー機構はファトフ軍に参加していたが、2015年10月末に脱会、その後アレッポ県南東部やハマー県北東部での戦闘でダーイシュと連携する動きを見せている。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュの幹部司令官アブー・ウマル・シーシャーニー氏が「臨床死」状態に(2016年3月13日)

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(3月13日付)に、3月4日の米軍主導の有志連合によるハサカ県シャッダーディー市に対する空爆で重傷を負っていたとされるダーイシュ(イスラーム国)の幹部司令官で「戦争大臣」と目されるジョージア人のアブー・ウマル・シーシャーニー氏が、搬送先で「臨床死」状態にあると述べた。

アブドゥッラフマーン代表によると、「シーシャーニー氏は数日前から臨床死の状態に入った。自分ではもはや呼吸できず、人工呼吸器が必要となった」と述べた。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県、ダマスカス郊外県などでシリア軍とジハード主義武装集団が交戦(2016年3月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がフバイト村を空爆、またシリア軍が同地を砲撃した。

一方、SANA(3月13日付)によると、シリア政府支配下のフーア市を反体制武装集団が襲撃し、住民1人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、ドゥーマー市・ミスラーバー市街道一帯を砲撃し、複数人が負傷した。

またマルジュ・スルターン村一帯、アイン・マニーン村では、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍などからなる反体制武装集団と交戦し、戦闘機(所属明示せず)が同地を7回にわたり空爆した。

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ダルアー県では、SANA(3月13日付)によると、反体制武装集団がダルアー市スィハーリー地区を砲撃し、1人が負傷した。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」はアレッポ県のトルコ国境地帯でダーイシュとの交戦を続ける(2016年3月13日)

アレッポ県では、ARA News(3月13日付)によると、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、ハムザ旅団、スルターン・ムラード旅団、ムンタスィル・ビッラー旅団が、ダーイシュ(イスラーム国)との交戦の末、トルコ国境に近いガザル村を制圧した。

一方、ダーイシュはこれらの「穏健な反体制派」の拠点都市マーリア市、ドゥーディヤーン村一帯に対して攻撃を行った。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市ジャウラ地区、クスール地区を砲撃し、女性2人が死亡、13人が負傷した。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」は西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ市シャイフ・マクスード地区に対して「化学兵器」を使用か?(2016年3月13日)

アレッポ県では、ARA News(3月13日付)が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のライザーン・ハッドゥー氏の話として、「穏健な反体制派」と目されるスルターン・ムラード旅団、第16師団、ヌールッディーン・ザンキー運動と、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区に対して、「化学兵器」を装填した砲弾で砲撃を行ったと伝えた。

この攻撃により、子供2人と女性1人を含む5人が呼吸困難を訴え、病院に搬送されたという。

ARA News, March 13, 2016
ARA News, March 13, 2016

一方、ARA News(3月15日付)によると、アレッポ市サカン・シャバービー地区での西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との戦闘でシャーム戦線所属のシャーム革命家大隊司令官のウマル・サンダ氏が死亡した。

また、SANA(3月13日付)によると、反体制武装集団が敵対行為停止合意に違反し、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、5人が負傷した。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、March 15, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、イドリブ県一帯で活動する反体制武装集団3組織が第1ウマイヤ師団を結成(2016年3月13日)

アレッポ県、イドリブ県一帯で活動する反体制武装集団がビデオ声明を出し、第1ウマイヤ師団を結成すると発表した。

第1ウマイヤ師団に完全統合すると表明したのは、ムンタスィル・ビッラー旅団、第38旅団、第99歩兵旅団。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は12日の停戦違反件数を29件と発表(2016年3月13日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月12日に29件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反のうち18件はラタキア県、5件はダマスカス郊外県、2件はイドリブ県、1件はハマー県で発生し、ダマスカス郊外県とイドリブ県ではアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動による砲撃で10人が死亡、30人あまりが負傷した。

また、アレッポ県シャイフ・マクスード地区では武装集団が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点複数カ所を砲撃した。

なお、ロシア軍は、米・ロシアによる敵対行為禁止合意の対象地域内での空爆は実施せず、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線に対する空爆地点は、米・ロシア両国の当事者和解調整センターに通告済みだという。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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ジュネーブ3会議再開に先立って米英仏独伊EU外相会合:ケリー米国務長官「アサド政権こそが停戦に違反していることを皆が知っている」(2016年3月13日)

フランスの首都パリで、米英仏独伊EU外相会合が行われ、14日に再開されるジュネーブ3会議への対応などが協議された。

会合後の共同記者会見で、ジョン・ケリー米国務長官は「我々はシリアの内戦を終わらせねばならないということで合意している。2週間前から現在まで、若干の緊張状態はあるもの、戦闘は静まった。我々は、暴力の80~90%を抑えた…。ISSG(国際シリア支援グループ)が立ち上げた外交方針により、我々はシリア各地に必要な人道物資を搬入できるようになった…。重要なのは、停戦により戦闘が減少し、人々が街頭でデモを行い、カフェで腰を下ろせるようになったことだ」とロシアとの敵対行為停止合意発効後の成果を強調した。

また「皆が何が必要かを知っている。つまり、政権側による空爆停止だ。空爆はすべての当事者が停止せねばならなず、人道支援物資搬入、そしてジュネーブ合意や国連安保理決議第2254号に準じた政治プロセスに向けた交渉を行うために協力し合わねばならない…。アサド政権こそが停戦に違反していることを皆が知っている…。我々は来年も内戦が続いてここにいたくはない」と述べ、シリア政府を批判した。

会合を主催したフランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は「来週の火曜日でシリアの紛争は6年目に入り、ジュネーブでは明日、困難な(和平)協議が行われる。しかし、我々はみな、ここで、この交渉に参加するためにジュネーブ入りするという勇敢な決定を下した「穏健な反体制派」への支持を改めて確認したい…。我々は現地での進展を注視している。(停戦)監視の仕組みを強化すべきである…。我々は、国連安保理決議第2254号が定めた行程に従って真の政治移行を行う必要があると述べた。これがジュネーブでの協議の肝になる」と述べた。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年3月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月12日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ハサカ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 13, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市などでアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線と「穏健な反体制派」の第13師団が交戦(2016年3月12日)

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市で活動する「穏健な反体制派」の第13師団のメンバーが12日晩、ヌスラ戦線の拠点複数カ所を襲撃したと発表した。

声明によると「第13師団メンバーはヌスラ戦線の拠点を襲撃するだけでなく、同市内のヌスラ戦線メンバーの家も襲撃し、家族を暴行し、逮捕した」という。

ヌスラ戦線は「革命がセンスィティブな段階にあるなかで、なぜ暴行が行われたのか理由が分からない」と付言、「すべての理性ある人々に事態を理解し…、戦闘員の銃を政府軍、ロシア軍に向ける」よう呼びかけた。

一方、ムハンマド・フーズーを名乗る活動家はARA News(3月12日付)に対し、「第13師団メンバーはマアッラト・ヌウマーン市内各所でヌスラ戦線メンバーと軽火器で交戦、またヒーシュ村、カフルサジュナ村でも同様の戦闘があった」と述べた。

フーズー氏はまた「ヌスラ戦線の軍用車輌の車列がハマー県からマアッラト・ヌウマーン市に向かった。またヌスラ戦線メンバーはマアッラト・ヌウマーン市内に検問所を設置し、市内への出入りを阻止している」という。

一方、複数の活動家によると、ヌスラ戦線は、ダーイシュ(イスラーム国)との連携が取りざたされているジュンド・アクサー機構とともにヒーシュ村にある第13師団の拠点と倉庫を襲撃し、同師団のヒーシュ村司令官のサリー・サッルーム離反大尉を拘束、また同師団に属すハーン・シャイフーン大隊司令官のムスタファー・カンジュ氏の車を狙撃したという。

同市では11日、活動家らが反体制デモを実施したが、ヌスラ戦線の旗を掲げる若者が介入し、中止を余儀なくされていた。

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クッルナー・シュラカー(3月13日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市では12日晩、市内各所で住民がデモを行い、ヌスラ戦線と第13師団の対立回避を訴えた。

Kull-na Shuraka', March 13, 2016
Kull-na Shuraka’, March 13, 2016

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、March 13, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県タドムル市西部郊外でダーイシュに対して攻勢(2016年3月12日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるタドムル市を空爆、同市西部のドゥーワ地区、カルヤタイン市一帯ではシリア軍、国防隊とダーイシュが交戦した。

一方、SANA(3月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにタドムル市西部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、柑橘農園・ヒヤール山から1キロの地点にある第753地点を制圧した。

シリア軍はまたタドムル市一帯、マハッサ地区、カルヤタイン市南西部一帯のダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、ウルフィー地区、ハミーディーヤ地区、ジュバイラ地区、ブガイリーヤ村を空爆した。

また航空機(所属明示せず)は、ダイル・ザウル市郊外のシリア軍第137旅団基地近くに支援物資を投下した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ラジャート高原で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が交戦した。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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反体制派はハマー県でシリア軍戦闘機を撃墜(2016年3月12日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブーダ町上空を飛行中の戦闘機(所属明示せず)1機を反対武装集団が攻撃し、撃墜したという。

ARA News(3月12日付)によると、撃墜されたのはシリア空軍のMiG21戦闘機で、ムガイル村郊外に墜落したという。

一方、SANA(3月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ムガイル村、ブライディージュ村、タッル・サフル村、ハマーミーヤート村、カフルヌブーダ町、フバイト村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、シリア人・アラブ系・アジア系民兵がジハード主義武装集団とカッバーニー村一帯で交戦し、戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

この戦闘で、シリア軍側はカッバーニー村に近い丘陵地帯を制圧したという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にあるラスタン市に迫撃砲弾複数発が着弾した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・マニーン町一帯でシリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団「停戦発効後の死者数は381人」(2016年3月12日)

英国で活動するシリア人権監視団は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止合意が2月27日に発効してから2週間が経ったのに合わせ、この間の犠牲者数の集計結果を発表した。

同監視団によると、この間の死者数は381人で、うち78人が反体制武装集団、110人が民間人(子供26人を含む)、シリア軍兵士、国防隊隊員が98人だという。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県アフリーン市郊外を越境砲撃(2016年3月12日)

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、3月11日に10件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反は、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県で発生した。

またイドリブ県では、トルコ軍が越境砲撃を行い、迫撃砲弾複数発が着弾した。

トルコ軍による越境砲撃はアレッポ県北西部のアフリーン市郊外(西クルディスタン移行期民政局支配地域)に対して行われたという。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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ケリー米国務長官はサウジアラビアを訪問しサルマーン国王らと会談、ジュネーブ3会議再開の必要を強調(2016年3月12日)

ジョン・ケリー米国務長官は、サウジアラビアを訪問し、サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王らと会談、シリア、イエメン情勢などへの対応について意見を交わした。

ケリー国務長官が会談したのは、サルマーン国王のほか、ムハンマド・ビン・ナーイフ副首相兼内務大臣(皇太子)、ムハンマド・ビン・サルマーン第二副首相兼国防大臣(第二皇太子)、アブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンUAE外務大臣、アーディル・ジュバイル外務大臣。

ロイター通信(3月12日付)が伝えたところによると、ケリー国務長官はシリア情勢に関して、ジュネーブ3会議の再開する必要を強調したという。

ケリー国務長官はまた、シリア国内でのシリア軍、ロシア軍の停戦違反に関して「我々のチームはジュネーブとアンマンでロシアと会合を持ち、こうした主張(シリア軍、ロシア軍の停戦違反)に関する具体的な作業計画を策定する。また今日(12日)、ロシアのラブロフ外務大臣との電話会談を要請した」と述べた。

一方、停戦状況に関しては「暴力のレベルは…80~90%低下した…。我々が実行したいのはこの割合をさらに減少させるために活動を続けることだ」と述べるとともに、「しかし、我々がはっきりと言っておきたいのは、アサド政権にはこの(停戦)プロセスを利用することなどできないということだ」と強調した。


AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣「我々は大統領の地位について話す誰とも協議はしない」(2016年3月12日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、14日にジュネーブ3会議が再開されるのを先だってダマスカスで記者会見を開き、シリア政府の方針について説明した。

会見のなかでムアッリム外務在外居住者大臣は「(反体制派代表団の)頭のなかにジュネーブで権力が移譲されるとの幻想があれば、協議は失敗するだろう…。我々は大統領の地位について話す誰とも協議はしない…。彼らに忠告したい。もし彼らがそのように考えているのなら、交渉に来るべきではない、と…。こうした幻想はあきらめねばならない」と述べた。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、シリアの代表団が13日にジュネーブに向かうとしたうえで、反体制派代表団が24時間以内にジュネーブに来なければ、代表団を引き上げると述べた。

一方、ムアッリム外務在外居住者大臣は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がジュネーブ3会議で、移行期間(18ヶ月)後の大統領選挙の実施について議論する意向を示したことに反論、「国会選挙はウィーンでの合意文書に明記されている。だが、大統領選挙については、彼であろうと誰であろうと口出しする権利はない…。それはシリア国民だけの権利だ…。我々は今後、あちらこちらの当事者を満足させようとして中立でなくなることを認めない」と強調した。

移行期については「我々が理解する移行期の定義とは、現行憲法から新憲法への移行、現政権から相手方(反体制派)が参加する政府への移行だ」と述べた。

このほか、米・ロシアによる敵対行為停止合意に関して、ムアッリム外務在外居住者大臣は「シリア政府は合意を遵守する」と強調した。

また、アラブ連盟外相会議でヒズブッラーがテロ組織に指定されたことに関して、「馬鹿げている」「恥ずべきこと」と批判した。

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リヤド最高交渉委員会の代表団のアスアド・ズウビー団長とムハンマド・アッルーシュ交渉責任者は13日、そろってジュネーブに到着した。

ジュネーブ入りしたアッルーシュ氏は「アサドが政権内にいない移行期統治機関を樹立するために来た」と述べた。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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米国主導の有志連合はシリア領内で8回の爆撃を実施(2016年3月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月11日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回で、フール町近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(2回)、マーリア市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, March 12, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市をシリア軍(ロシア軍)が爆撃する一方、アル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」の連合部隊はアレッポ県北西部でYPG主体のシリア民主軍、シリア軍とそれぞれ交戦(2016年3月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がアレッポ市サーリヒーン地区を空爆し、民間人5人が死亡した(ARA News(3月11日付)によると、空爆はロシア軍戦闘機によるもので、12人が死亡)。

なお同地区は10日にも同様の空爆を受けたという。

一方、ARA News(3月11日付)によると、アフリーン市郊外のアイン・ダクナ村一帯で、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」の第16師団、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室所属武装集団が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対して攻撃を加えた。

シャーム自由人イスラーム運動側は、アイン・ダクナ村を制圧したと主張しているが、シリア民主軍はこれを否定している。

シャーム自由人イスラーム運動はまた、タッル・ジャルマ村、バースーファーン村、バーシャムラ村などに対しても攻撃を加えたという。

このほか、ARA News(3月11日付)によると、シリア軍はヌッブル市、ザフラー町の人民諸委員会などとともに、タームーラ村、アルド・マッラーフ地区方面に進軍、シャームの民のヌスラ戦線、「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動、イスラーム覚醒大隊などからなる武装集団と交戦した。

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ラタキア県では、SANA(3月11日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県北部のハーッラ村、マズアラ村、ハーッラト・ターフーン村、カスタル村、ジール・ダビーン村、カルア山、第394地点、第445.5地点、第428.5地点、第438.5地点、第417.5地点、第400地点、第500地点、第565.5地点、第499.5地点、第409.5地点、第529.5地点を制圧した。

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ハマー県では、SANA(3月11日付)によると、シリア軍がカフルヌブーダ町、フバイト村でシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員37人を殲滅した。


AFP, March 11, 2016、AP, March 11, 2016、ARA News, March 11, 2016、Champress, March 11, 2016、al-Hayat, March 12, 2016、Iraqi News, March 11, 2016、Kull-na Shuraka’, March 11, 2016、al-Mada Press, March 11, 2016、Naharnet, March 11, 2016、NNA, March 11, 2016、Reuters, March 11, 2016、SANA, March 11, 2016、UPI, March 11, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍、シリア軍はヒムス県タドムル市一帯でダーイシュへの攻勢を激化する一方、「穏健な反体制派」はアレッポ県北西部の1カ村を制圧(2016年3月11日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がタドムル市一帯への空爆を継続する一方、シリア軍も同地一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する攻勢を続けた。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、この攻勢はタドムル市とダイル・ザウル市を結ぶ街道一帯の制圧が目的だという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、農学者で詩人のムハンマド・バシール・アフマド・アーニー氏と息子のイリヤース氏を「背教」罪によって処刑した。

アーニー氏は1月にダイル・ザウル市(シリア政府支配下)を出た直後ティブニー町でダーイシュに拘束されていた。

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ハマー県では、SANA(3月11日付)によると、シリア軍がスーハ村、ウカイリバート町、ジャニー・アルバーウィー村、中カスタル村、ジュッブ・ライヤーン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、戦闘員20人を殲滅した。

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イドリブ県では、SANA(3月11日付)によると、シリア軍がアブー・ダーリー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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アレッポ県では、ARA News(3月11日付)によると、県北西部でシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、スルターン・ムラード旅団などからなる「穏健な反体制派」がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ヤニー・ヤバーン村を制圧した。

一方、ARA News(3月12日付)によると、ユーフラテス川西岸のティシュリーン・ダム一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, March 11, 2016、AP, March 11, 2016、ARA News, March 11, 2016、March 12, 2016、Champress, March 11, 2016、al-Hayat, March 12, 2016、Iraqi News, March 11, 2016、Kull-na Shuraka’, March 11, 2016、al-Mada Press, March 11, 2016、Naharnet, March 11, 2016、NNA, March 11, 2016、Reuters, March 11, 2016、SANA, March 11, 2016、UPI, March 11, 2016などをもとに作成。

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