反体制派支配下のイドリブ市とトルコ占領下のジンディールス町で通行所設置に抗議するデモ(2021年3月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で、シリア政府支配地と反体制派支配地の境界への通行所設置に抗議するデモが行われた。

参加者は、通行所設置に抗議するとともに、体制打倒、国連安保理決議第2254号の履行を訴えた。

同様のデモは、トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン市近郊のジンディールス町でも行われた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の傘下で活動する暫定内閣のアブドゥッラフマーン・ムスタファー首班は、通行所の再開についてロシアとトルコが合意したとの一部報道に関して、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/stmabdurrahman)に次のように綴り、強く否定した。

一部の情報サイトやSNSで、解放区(反体制派支配地のこと)と占領地(シリア政府支配地のこと)の間で交差点が開放されたとの不正確なニュースが流れている。だが、我々は、このニュースがまったく真実ではなく、暫定内閣が我らの祝福された革命の原則を決して放棄しせず、誇り高き私らの人民の要求から逸脱することは決してないと明言したい。

AFP, March 25, 2021、ANHA, March 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2021、Reuters, March 25, 2021、SANA, March 25, 2021、SOHR, March 25, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍の車輌18輌からなる車列がハサカ県で収穫された小麦を積んで、ティグリス川河畔に違法に設置されているスィーマルカー国境通行所からイラク領内に出国(2021年3月25日)

ハサカ県では、SANA(3月25日付)によると、米軍の車輌18輌からなる車列がマーリキーヤ市一帯地域で収穫された小麦を積んで、ティグリス川河畔に違法に設置されているスィーマルカー国境通行所からイラク領内に出国した。

AFP, March 25, 2021、ANHA, March 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2021、Reuters, March 25, 2021、SANA, March 25, 2021、SOHR, March 25, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県タッル・タムル町近郊への侵攻を試みる(2021年3月25日)

ハサカ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村を砲撃、M4高速道路の沿線に位置するクーザリーヤ村、タッル・ラバン村に侵攻を試みた。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のタッル・タムル軍事評議会が応戦し、シリア国民軍の車輌1輌を破壊した。

トルコ軍はまた、領内からシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市近郊のカルキー・ザイラー村に向けて中火器などを発砲した。

狙われたのは、羊を放牧していた地元の子供たち。

子供たちは無事だったが、訳10頭の羊が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、トルコ占領下のバーブ市東に位置するシリア政府・北・東シリア自治局共同統治下のシャイフ・ナースィル(クルト・ワイラーン)村を砲撃した。

AFP, March 25, 2021、ANHA, March 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2021、Reuters, March 25, 2021、SANA, March 25, 2021、SOHR, March 25, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県タッル・タムル町近郊の学校や民家を攻撃(2021年3月24日)

ハサカ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のクーズリーヤ村の学校や民家に重火器や機関銃で発砲を加えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2021年3月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県とダイル・ザウル県の各所に設置されている基地に向かった。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県で「イランの民兵」の嫌がらせを受けていた青年が焼身自殺(2021年3月24日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル市の総合情報部支部をパレスチナ人民兵組織のクドス旅団が襲撃、守衛と撃ち合いとなり、双方に死傷者が出た。

総合情報部がクドス旅団のメンバー3人を拘束するなどして、撃ち合いは収束した。

クドス旅団による襲撃の理由は不明。

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反体制派系サイトのアイン・フラート(3月24日付)は、シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県マヤーディーン市で、「イランの民兵」の一つサイイダ・ザイナブ旅団のメンバーらから数度にわたって暴行や侮辱を受けていた青年が焼身自殺した、と伝えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、‘Ayn al-Furat, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア調整センターのヴァヂモヴィッチ副センター長は、政府支配地域と反体制派支配地の境界の通行所を再開するようトルコに提案したと発表(2021年3月24日)

フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、ハサン・スライマーン・シリア軍政治局長(少将)、ロシア調整センターのカルポヴ・アレクサンドル・ヴァヂモヴィッチ(Karpov Alexander Vadimovich)副センター長(海軍少将)は共同記者会見を開き、シリア、ロシア両国が引き続き、シリア政府の支配下に復帰した地域への難民と国内避難民(IDPs)の帰還に向けた努力を継続することを確認した。

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マフルーフ地方行政環境大臣は、西側諸国が一方的制裁を課し、コロナ禍であるにもかかわらず、シーザー・シリア市民保護法などを通じて医薬品や医療機器の提供を禁じる一方、米国やトルコが領土の一部を占領し、違法行為を続け、さらにはイスラエルの攻撃が続くなかにあって、シリア政府が難民とIDPsの帰還を支援するため必要なあらゆるサービスを提供していると強調した。

また、復興、人道対策、医療支援に注力することで、難民、IDPsの帰還を促そうとしていると付言した。

その一方で、国内の158地域で手工業関連の就業施設約750カ所の復旧を完了し、3万人以上の雇用を新たに創出するとともに、「テロ攻撃」によって被害を受けた住宅に対する補償、道路、下水道、公園の修繕・復旧に向けた復旧計画の策定も順調に進んでいることを明らかにした。

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続いて、ヴァヂモヴィッチ副センター長は、これまでに2,230,090人の難民・IDPsが避難生活を終えたと発表、ロシア調整センターが2021年に入ってから100の人道支援を実施したことを明らかにした。

そのうえで次のように述べた。

シリア政府の支配下にある地域は、生活を正常に戻すための大規模な活動が行われている。その一方で、イドリブ県の緊張緩和地帯では、劣悪な状況が続き、民間人に対するテロ組織の暴力行為によって人道危機が助長されている。

トルコ軍の支配下にあるシリア領内の地域の困難な人道状況を踏まえて、トルコ側に緊張緩和地帯内のサラーキブ市(イドリブ県)、ミーズナーズ村、アブー・ザンディーン村(以上アレッポ県)の通行所を再開することを提案した。

提案は、3月25日からの通行所を通じた車輌による人道支援物資の配送、避難民の退去という二つのプロセスからなっている。

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スライマーン少将は、米軍がシリア領内に違法に設置した基地への武器装備の供給と「分離主義民兵」への支援を続けるとともに、シリア国内の石油をはじめとする資源を盗奪していると改めて指摘した。

また、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を来たるべき攻撃に備えて最教練していると非難した。

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SANA(3月24日付)、ロイター(3月24日付)などが伝えた。

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なお、通行所再開に関して、シリア人権監視団は、ロシアとトルコの間で合意がなされたとしたうえで、反体制派支配地の住民の間で合意への不満が高まっていると伝えた。

AFP, March 24, 2021、ANHA, March 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2021、Reuters, March 24, 2021、SANA, March 24, 2021、SOHR, March 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民154人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は651,771人に(2021年3月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月24日付)を公開し、3月23日に難民154人(うち女性47人、子供79人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民154人(うち女性47人、子供79人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は651,771人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者256,523人(うち女性77,112人、子ども130,551人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は881,051人(うち女性264,388人、子供449,042人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は81,262人(うち女性29,769人、子供30,493人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,858人(うち女性412,328人、子供674,259人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 24, 2021をもとに作成。

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「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブマストゥーマ村近郊でトルコ軍の車輌の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発(2021年3月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマストゥーマ村近郊の街道で、トルコ軍の車輌の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

マストゥーマ村のバアス前衛キャンプにはトルコ軍の主要拠点が設置されている。

AFP, March 23, 2021、ANHA, March 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2021、Reuters, March 23, 2021、SANA, March 23, 2021、SOHR, March 23, 2021などをもとに作成。

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米軍が駐留するダイル・ザウル県のウマル油田でダーイシュ最後の支配地だったバーグーズ村解放2周辺の祝典が行われる(2021年3月23日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月23日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあり、米軍が駐留するウマル油田で、ダーイシュ(イスラーム国)の最後の支配地だったバーグーズ村を人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が完全制圧(2019年3月23日)してから2年が経ったのを記念して、祝典が催され、シリア民主軍代表(ルクマーン・ハリール東部地区司令官ら)、有志連合代表、ダイル・ザウル民政評議会代表、市民社会諸団体、メディア関係者が参加した。

ダイル・ザウル軍事評議会のアフマド・アブー・ハウラ司令官は祝辞のなかで「ダーイシュの終わりでさらなる行動が求められる」としたうえで、「キャンプ、とりわけフール・キャンプにある時限爆弾の問題を解決するため行動しなければならない…。有志連合と世界には、ダーイシュの逮捕者とこの地域の復興の問題を解決するために責任を負わねばならない」と述べた。

ダイル・ザウル民政評議会のガッサーン・ユースフ共同議長は「今も、テロ組織に対する取り組みは終わっておらず、根絶に向けてさらに努力しなければならない」としたうえで、我々民政評議会は我が住民に復興支援の手を差し伸べたい。だが、我々にはさらなる努力が必要だ」と述べた。

また、「シリア北部と東部を構成する社会成員はシリアの問題解決の一部で…、我々は皆の権利が保障される政治的解決を望んでいる。北・東シリア自治局なしにシリアの危機の解決はないと明言したい」と強調した。

さらに、アカイダート部族(アラブ部族)のハンムード・フーファル族長は「我々は、クルド人とアラブ人がともに寄り添い、ダーイシュの思想の根絶とその細胞の殲滅をめざす」と述べた。

また、有志連合は、ダイル・ザウル県特殊部隊のアフマド・ナースィル大佐が英語で以下のように祝辞を述べた。

我々の協力関係は、治安と安定を実現するためにともに血を流すことで深められた。我々がここまで到達したことは、こうした犠牲のおかげである。

クルド人やアラブ人らが連帯したおかげで達成されたものは、我々がともに行動すれば、奇跡を作り出すことができることを示している。我々はこうした関係を続けねばならない。

ダーイシュに対する行動は終わっておらず、最後まで続けられる。彼らを根絶するまで我々が安らぐことはない。我々はダーイシュを倒すために前進し、我々が戦争で勝ち取ったものを失わないようにすると明言したい。

シリア民主軍、民政評議会、地元評議会、部族とともに、我々はこの地域の住民のために明るい未来を築く。

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シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官もバーグーズ村解放2周年を記念してツイッターのアカウント(https://twitter.com/MazloumAbdi/)を通じて、「復興の努力がダーイシュの復活を阻止する」と表明した。

ツイッターでのアブディー総司令官のメッセージは以下の通り。

我々は、2年前にバーグーズ村でダーイシュと戦ったシリア民主軍と有志連合の英雄的行為を覚えている。
戦争は終わっていない。復興の努力はダーイシュの復活を阻止するために不可欠だ。
勝利は第一歩に過ぎず、次は我々のコミュニティの再建と北・東シリア自治局への国際社会の支援増だ。

AFP, March 23, 2021、ANHA, March 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2021、Reuters, March 23, 2021、SANA, March 23, 2021、SOHR, March 23, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市での爆弾でシリア国民軍憲兵隊の戦闘員多数が死傷する一方、トルコ軍とシリア国民軍はラッカ県アイン・イーサー市一帯への砲撃を続ける(2021年3月23日)

ハサカ県では、SANA(3月23日付)、ANHA(3月23日付)によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市の工業地区街道に設置されているシリア国民軍憲兵隊の検問所の近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、戦闘員多数が死傷した。

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ラッカ県では、ANHA(3月23日付)によると、トルコとその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村、フーシャーン村、M4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, March 23, 2021、ANHA, March 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2021、Reuters, March 23, 2021、SANA, March 23, 2021、SOHR, March 23, 2021などをもとに作成。

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米軍が駐留するダイル・ザウル県CONOCOガス田近くが何者かの攻撃を受ける(2021年3月23日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月23日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあり、米軍が基地を設置しているCONOCOガス田近くに対して何者かが攻撃を行った。

攻撃を受け、同地に展開する米軍部隊は厳戒態勢に入り、上空にはヘリコプターが頻繁に旋回し警戒活動にあたったという。

これに関して、シリア人権監視団は、CONOCOガス田近く迫撃砲弾1発が着弾したと発表した。

ダーイシュ(イスラーム国)による砲撃か、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と有志連合の演習の流れ弾かは不明で、着弾地点は米軍基地から離れた場所だったという。

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ハサカ県では、SANA(3月23日付)によると、米主導の有志連合の大型タンクローリーなど車輌約300輌からなる車列がユーフラテス川以東地域(ジャズィーラ地方)の油田で盗掘した石油を積んで、ワリード国境通行所から約1キロの地点に設置されているマフムーディーヤ国境通行所(いずれも違法に設置)からイラク領内に出国した。

AFP, March 23, 2021、ANHA, March 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2021、Reuters, March 23, 2021、SANA, March 23, 2021、SOHR, March 23, 2021などをもとに作成。

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フーシー派を支援するためにイランが派遣していたシリア人戦闘員が帰国する一方、アレッポ市で新たな民兵組織「イマーム・アリー大隊」の戦闘員を募集する事務所開設(2021年3月22日)

反体制派系サイトのアイン・フラート(3月22日付)は、イランが募集し、アンサール・アッラー(いわゆるフーシー派)を支援するためにイエメンに派遣されていたシリア人戦闘員多数が帰国したと伝えた。


同サイトによると、帰国したのは「イランの民兵」の一つファーティミーユーン旅団に参加していたシリア人戦闘員45人。

イエメンでの戦闘任務を終えて、首都ダマスカスを経由し、5台の車輌に分乗してシリア政府支配下のラッカ県マアダーン町一帯に帰還したという。

また、これとは別に、ヒムス県タドムル市一帯から派遣されていた18人も帰還した。

シリア国内では、イラク人民動員隊に所属するヒズブッラー大隊とファーティミーユーン旅団が、戦闘員を募集し、イエメンに派遣しているという。

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『シャルク・アウサト』(3月22日付)は、複数の報道筋の話として、シリア政府の支配下にあるアレッポ県のアレッポ市で、イランが新たな民兵組織「イマーム・アリー大隊」の戦闘員を募集するための事務所を開設したと伝えた。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、al-Sharq al-Awsat, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯で、ダーイシュに対して約54回の爆撃を実施し、戦闘員7人を殺害(2021年3月22日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に対して約54回の爆撃を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員7人を殺害した。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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所属不明のドローンがシリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県ブーカマール市近郊の砂漠地帯にある「イランの民兵」管理下の油田を攻撃(2021年3月22日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)がシリア政府の支配下にあるブーカマール市近郊の砂漠地帯にある油田を攻撃した。

攻撃を受けた油田は「イランの民兵」の管理下にあったという。

ナフル・メディア(3月22日付)によると、攻撃を受けたのは、フマール油田、ハウワータ油田。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Nahr Media, Marhc 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市内での爆発で、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団のメンバー5人、子供4人、女性2人の合わせて11人が死亡(2021年3月22日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市内の住宅の倉庫で爆発が発生し、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団のメンバー5人、子供4人、女性2人の合わせて11人が死亡、6人が負傷した。

また、これに先立ち同市では、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、男性1人とその子供2人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(3月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のダイル・ジャマール村を砲撃した。

AFP, March 22, 2021、ANHA, March 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2021、Reuters, March 22, 2021、SANA, March 22, 2021、SOHR, March 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民180人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は651,444人に(2021年3月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月22日付)を公開し、3月21日に難民180人(うち女性54人、子供92人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民180人(うち女性54人、子供92人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は651,444人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者256,196人(うち女性77,013人、子ども130,384人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は880,724人(うち女性264,289人、子供448,875人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は80,628人(うち女性29,480人、子供30,362人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,224人(うち女性412,039人、子供674,128人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 22, 2021をもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアレッポ県アターリブ市の病院を砲撃し6人死亡、「決戦」作戦司令室が報復としてアレッポ市を砲撃し2人死亡(2021年3月21日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)によると、県西部の第46中隊基地に展開するシリア軍部隊が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるアターリブ市を砲撃、砲弾6発以上が市内のマガーラ病院に着弾し、子供1人と医療スタッフ1人を含む6人が死亡、多数が負傷した。

攻撃により病院の施設は利用不能となったという。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1101380430328580

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1101373463662610

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1101355826997707

これに対して、「決戦」作戦司令室は報復として第46中隊基地に対して砲撃を行った。

SANA(3月21日付)によると、この報復砲撃により、シリア政府の支配下にあるアレッポ市サーリヒーン地区、フィルドゥース地区に砲弾が着弾し、住民2人が死亡、子供を含む多数が負傷した。



AFP, March 21, 2021、ANHA, March 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2021、Reuters, March 21, 2021、SANA, March 21, 2021、SOHR, March 21, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県各所を爆撃、ミサイル攻撃(2021年3月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるサルマーダ市近郊のワタド石油社が運営するガス工場と施設に対して爆撃を行った。

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「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ワタド石油社は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」で灯油、ガソリンなどの燃料の取引を牛耳る組織で、ガス工場は、シャーム解放機構と、同組織に自治を委託されているシリア救国内閣に近い人物によって運営されていた。

爆撃で大規模な火災が発生した。

ロシア軍はまた、アリーハー市近郊のカフルシャラーヤー村に対しても爆撃を行った。

さらに、シリア人権監視団によると、地中海沖に展開するロシア軍艦船、あるいはラタキア県のフマイミーム航空基地から発射されたと思われる長距離弾道ミサイルがサルワ村一帯に着弾した。

MMC(3月21日付)によると、弾道ミサイルはフマイミーム航空基地から発射されたもの。

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ドゥラル・シャーミーヤ(3月21日付)によると、弾道ミサイルは国内避難民(IDPs)キャンプが点在しているカーフ村一帯にも着弾し、羊飼い1人が負傷した。

このほか、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、カンスフラ村、バーラ村一帯、スフーフン村、バイニーン村を砲撃した。

AFP, March 21, 2021、ANHA, March 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2021、MMC, March 21, 2021、Reuters, March 21, 2021、SANA, March 21, 2021、SOHR, March 21, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県北部、ラッカ県北部で砲撃を続ける(2021年3月21日)

アレッポ県では、ANHA(3月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、アイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村、マンナグ村、シャフバー・ダム、シャワーリガ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、砲撃は、カルジャブリーン村にあるトルコ軍の基地から行われた。

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ラッカ県では、ANHA(3月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市と同市近郊のM4高速道路沿線を砲撃した。

シリア人権監視団によると、19日以降の戦闘による人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍兵士の犠牲者は3人から5人となった。

AFP, March 21, 2021、ANHA, March 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2021、Reuters, March 21, 2021、SANA, March 21, 2021、SOHR, March 21, 2021などをもとに作成。

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シリア政府の支配下にあるダイル・ザウル県マヤーディーン市近郊の砂漠地帯で「イランの民兵」がダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を受け、民兵10人が死傷(2021年3月21日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市近郊の砂漠地帯で、「イランの民兵」の拠点複数カ所がダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を受け、民兵10人が死傷した。

AFP, March 21, 2021、ANHA, March 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2021、Reuters, March 21, 2021、SANA, March 21, 2021、SOHR, March 21, 2021などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣は首都オマーンでスルターン・ヌウマーニー国王事務所相(一等大将)と会談(2021年3月21日)

オマーンを公式訪問中のファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は首都マスカットでスルターン・ヌウマーニー国王事務所相(一等大将)と会談し、両国の関係強化に向けた取り組みについて意見を交わした。

ミクダード外務在外居住者大臣は、アサド大統領からの祝辞をハイサム・ビン・ターリク・アール・サイード国王に伝えた。

ミクダード外務在外居住者大臣はまた、前日に続いてバドル・ブーサーイーディー外務大臣と会談し、両国関係の強化について協議した。

AFP, March 21, 2021、ANHA, March 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2021、Reuters, March 21, 2021、SANA, March 21, 2021、SOHR, March 21, 2021などをもとに作成。

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『ハアレツ』:イスラエル軍が過去2年半で攻撃したイラン船舶の数は数十隻にのぼる(2021年3月20日)

イスラエル日刊紙『ハアレツ』(3月20日付)は、イスラエル軍が過去2年半で攻撃したイラン船舶の数が数十隻にのぼっていると伝えた。

同紙によると、イスラエル軍が攻撃したのはシリアに石油や兵站物資を移送するイラン籍船舶で、12隻を撃沈、そのほかにも数十隻に対して攻撃を加えたという。

これに関連して、クウェート日刊紙『ジャリーダ』は、複数のメディア筋の話として、イランが海路でのシリアへの移送を見直し、イラクを経由した陸路での移送に切り替えたと伝えた。

AFP, March 20, 2021、ANHA, March 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2021、Haaretz, March 20, 2021、al-Jarida, March 20, 2021、Reuters, March 20, 2021、SANA, March 20, 2021、SOHR, March 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシリア政府の支配下にあるハマー県、ヒムス県、ラッカ県の砂漠地帯で、ダーイシュに対して約20回の爆撃を実施(2021年3月20日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機4機が、シリア政府の支配下にあるハマー県、ヒムス県、ラッカ県の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に対して約20回の爆撃を実施した。

また、ダイル・ザウル県マヤーディーン市近郊の砂漠地帯では、シリア軍と親政権民兵がダーイシュのセルの摘発活動を継続した。

AFP, March 20, 2021、ANHA, March 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2021、Reuters, March 20, 2021、SANA, March 20, 2021、SOHR, March 20, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍戦闘機がシリア領空を侵犯、ラッカ県アイン・イーサー市近郊のマアラク村一帯に対して爆撃を敢行(2021年3月20日)

ラッカ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市西のマアラク村、サイダー村などを砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦した。

これに関して、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、20日の戦闘で、シリア民主軍戦闘員8人を殺害、10人を負傷させたと発表した。

その後、トルコ軍戦闘機が、シリア領空を侵犯、マアラク村一帯に対して爆撃を行った。

爆撃は、シリア民主軍が、マアラク村に侵攻したシリア国民軍を迎撃、これを包囲したのを受けたもの。

シリア人権監視団によると、トルコ軍が同地で爆撃を行うのは、2019年10月の「平和の泉」作戦以来17ヶ月ぶり。

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ハサカ県では、SANA(3月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のハンワ村を砲撃し、住居などに物的被害が出た。

ANHA(3月20日付)によると、この砲撃でシリア軍兵士1人が負傷した。

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アレッポ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。

一方、SANA(3月20日付)によると、トルコ占領下のバーブ市のタウヒード・モスク近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、シリア国民軍の戦闘員と住民多数が死傷した(シリア人権監視団によると、1人死亡、7人負傷)。

AFP, March 20, 2021、ANHA, March 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2021、Reuters, March 20, 2021、SANA, March 20, 2021、SOHR, March 20, 2021などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣がオマーンを公式訪問(2021年3月20日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣が、オマーンの首都マスカットを公式訪問し(19日夜に到着)、バドル・ブー・サイーディー外務大臣と会談、二国間関係の強化の方途、中東および国際社会における懸案問題や変化について意見を交わした。

SANA(3月20日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2021、ANHA, March 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2021、Reuters, March 20, 2021、SANA, March 20, 2021、SOHR, March 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方に位置するバイニーン村の森林地帯、ジスル・シュグール市近郊のブカフラー村を爆撃(2021年3月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方に位置するバイニーン村の森林地帯、ジスル・シュグール市近郊のブカフラー村を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市で空軍情報部の士官(大尉)1人が、何者かの発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(イドリブ県15件、ラタキア県7件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は21件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を13件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 20, 2021、ANHA, March 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2021、Reuters, March 20, 2021、SANA, March 20, 2021、SOHR, March 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民162人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は651,077人に(2021年3月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月20日付)を公開し、3月19日に難民162人(うち女性49人、子供82人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民162人(うち女性49人、子供82人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は651,077人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者255,829人(うち女性76,902人、子ども130,197人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,747,928人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は880,357人(うち女性264,178人、子供448,688人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は80,628人(うち女性29,480人、子供30,362人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,349,224人(うち女性412,039人、子供674,128人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2021をもとに作成。

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トルコ国防省はシリア領内からのロケット弾攻撃に対して報復攻撃を行ったと発表(2021年3月19日)

トルコ国防省はツイッターのアカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて、ラッカ県から南部キリス県にロケット弾攻撃が行われたと発表した。

ロケット弾は空き地に着弾したため、死傷者や物的被害はなかったが、トルコ軍は、ロケット弾が発射された地点に向けて報復攻撃を行うとともに、同地での停戦を監視するロシア軍に対し報復攻撃を実施する旨、事前通知したという。

https://twitter.com/tcsavunma/status/1372640357079474176

https://twitter.com/tcsavunma/status/1372640359990366215

 

AFP, March 19, 2021、ANHA, March 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2021、Reuters, March 19, 2021、SANA, March 19, 2021、SOHR, March 19, 2021などをもとに作成。

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ラッカ県アイン・イーサー市一帯でトルコ軍・シリア国民軍がシリア民主軍と激しく交戦し、双方に死傷者(2021年3月19日)

ラッカ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のムシャイリファ村、サイダー村、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、激しい戦闘となった。

シリア人権監視団によると、戦闘は、地雷・爆発性戦争残存物(ERW)の解体・撤去作業が完了したサイダー村、マアラク村に、住民がシリア民主軍とロシア軍の護衛を受けて帰還しようとしたのを狙って、トルコ軍とシリア国民軍が砲撃を行ったことをきっかけとした。

砲撃を受けた住民は避難、またロシア軍が撤退すると、トルコ軍・シリア国民軍はサイダー村に侵攻、シリア民主軍が抵抗し、激しい戦闘となったという。

ANHAによると、この戦闘で、シリア民主軍が「傭兵」(シリア国民軍の戦闘員)3人を殺害、トルコ軍のHMMWV四輪駆動車1輌を破壊した。

これに関して、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、19日の戦闘で、トルコ軍兵士と「傭兵」16人を殺害、7人を負傷させたと発表した。

一方、シリア人権監視団は、戦闘でトルコ軍士官1人とシリア民主軍戦闘員3人が死亡、多数が負傷、また、シリア民主軍側も兵士2人が死亡したと発表した。

また、ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が、アイン・イーサー市の南東に位置するハドリヤート村一帯を砲撃し、子供1人が死亡、住民5人が負傷した。

一方、SANA(3月19日付)は、子供1人が死亡、住民4人が負傷したと伝えた。

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アレッポ県では、ANHA(3月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍国境警備隊が、不法入国を試みたバーブ市出身の男性1人を射殺した。

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ハサカ県では、SANA(3月19日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市で、地元の部族長や名士らが国民部族会合を開催し、トルコ軍と米軍の撤退を要求した。

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