ロシア・シリア外相は宇宙空間に武器を配備する最初の国にならないとする共同声明に署名(2020年12月19日)

ロシア外務省は、セルゲイ・ラヴロフ外務大臣とシリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣が12月17日の会談で、宇宙空間に武器を配備する最初の国にならないとする共同声明に署名したと発表した。

共同声明ではまた、両国外務大臣は、宇宙空間での武器配備と使用を禁止する国際条約を締結する必要を強調、NPOKに参加していないしていない国々に、同イニシアチブへの参加を呼びかけた。

SANA(12月19日付)などが伝えた。

AFP, December 19, 2020、ANHA, December 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2020、Reuters, December 19, 2020、SANA, December 19, 2020、SOHR, December 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊砲撃、シリア民主軍と激しく交戦(2020年12月19日)

ラッカ県では、SANA(12月19日付)、ANHA(12月19日付)、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村、マアラク村、ムシャイリファ村一帯を砲撃、国民軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が激しく交戦した。

トルコ軍の砲撃で、民家複数棟に被害が出た。

なお、連日の攻撃により、住民数百人が避難を余儀なくされている。

一方、SANA(12月19日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のムシャイリファ村近くにあるシリア民主軍の拠点が正体不明の武装集団の襲撃を受け、兵士1人が死亡した。

**

アレッポ県では、ANHA(12月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、アルカミーヤ村を砲撃した。

AFP, December 19, 2020、ANHA, December 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2020、Reuters, December 19, 2020、SANA, December 19, 2020、SOHR, December 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民478人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は635,357人に(2020年12月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月19日付)を公開し、12月18日に難民478人(うち女性143人、子供243人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民478人(うち女性143人、子供243人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は635,605人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者240,357人(うち女性71,456人、子ども122,956人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は864,885人(うち女性259,256人、子供440,336人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 19, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国民軍がトルコ軍の航空支援を受けてラッカ県タイン・イーサー市東に侵攻し2カ村を一時制圧するも、シリア民主軍が反撃しこれを撃退(2020年12月18日)

ラッカ県では、SANA(12月19日付)、ANHA(12月18日付)、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(12月18日付)によると、国民軍がトルコ軍の航空支援を受けて、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市の東に位置するジャフバル村、ムシャイリファ村、M4高速道路沿線に侵攻し、国民軍は両村を包囲し、一時制圧した。

だが、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が増援部隊を派遣するなどして、反撃に転じ、数時間後に両村を奪還、国民軍を撃退した。

この戦闘でシリア民主軍兵士2人と国民軍戦闘員10人が死亡した。

また戦闘に巻き込まれて住民2人が死亡、多数が避難を余儀なくされた。

一方、アイン・イーサー市内にあるロシア軍基地の前では、北・東シリア自治局の支持者や住民がデモを行い、同市一帯へのトルコ軍の攻撃に対するロシア軍の沈黙に抗議し、介入を求めた。

AFP, December 18, 2020、ANHA, December 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2020、Reuters, December 18, 2020、SANA, December 18, 2020、SOHR, December 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県西部でのシリア軍・国防隊とダーイシュの戦闘により5日で70人以上が死亡(2020年12月18日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタブカ市西に位置する街道(ハマー県イスリヤー村にいたる街道)一帯で、国防隊とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続き、国防隊兵士3人が死亡、7人が負傷した。

また数日前の戦闘で負傷していたレバノンのヒズブッラーの戦闘員1人が死亡した。

なお、12月14日以降の同地での戦闘で、シリア軍兵士21人、国防隊兵士37人、ダーイシュ戦闘員15人が死亡しているという。

AFP, December 18, 2020、ANHA, December 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2020、Reuters, December 18, 2020、SANA, December 18, 2020、SOHR, December 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ミクダード外務在外居住者大臣がロシアでボグダノフ外務副大臣、リャブコフ外務副大臣と会談(2020年12月18日)

ロシアを公式訪問中のファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、首都モスクワでセルゲイ・ボグダノフ外務副大臣(中東・北アフリカ問題担当大統領特使)、セルゲイ・リャブコフ外務副大臣と個別に会談し、シリア国内での治安・安定回復に向けた取り組みの進捗などについて意見を交わした。

SANA(12月19日付)が伝えた。

AFP, December 18, 2020、ANHA, December 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2020、Reuters, December 18, 2020、SANA, December 18, 2020、SOHR, December 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民440人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は635,127人に(2020年12月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月18日付)を公開し、12月17日に難民440人(うち女性132人、子供225人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民440人(うち女性132人、子供225人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は635,127人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者239,879人(うち女性72,112人、子ども122,070人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は864,407人(うち女性259,388人、子供440,561人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 18, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団が「イランの民兵」に代わってダイル・ザウル県ブーカマール市に近いイラク国境地帯に展開(2020年12月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団の部隊が、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のブーカマール市に近いイラク国境地帯各所に設置されている「イランの民兵」の拠点複数カ所への展開を開始した。

第5軍団の展開は、ロシアとイランが12月16日、ハリー村西の砂漠地帯に配置されている「イランの民兵」の拠点と、ブーカマール市西の砂漠地帯に設置されているいわゆる「イマーム・アリー基地」(イマーム・アリー・コンパウンド)一帯の「イランの民兵」の拠点をロシア軍に引き渡すことを合意したことを受けたもの。

引き渡し合意が交わされた拠点は、イラク人民防衛隊に所属するヒズブッラー大隊、ヌジャバー運動、アブダール運動の拠点。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スカイ・ニュース:トルコはリビアで活動していたシリア人戦闘員1,000以上のソマリアへの派遣を準備(2020年12月17日)

スカイ・ニュース(12月17日付)は、複数の独自情報筋の話として、トルコが、リビアで活動している「傭兵」1,000人以上をソマリアに派遣する準備をしていると伝えた。

トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン市の複数の情報筋によると、トルコは、アフリーン市一帯、ジャラーブルス市一帯、バーブ市一帯地域からソマリアへの「傭兵」の派遣の準備を開始し、リビアの首都トリポリ南部各所で「傭兵」らを募集しているという。

派遣が予定されているのは、国民軍に所属するスンナの鷹旅団、カーディスィーヤ旅団、アフル・アスル大隊、ハッターブ旅団、アブー・カドリー集団の戦闘員で、そのほとんどが、イドリブ県、ヒムス県、ダマスカス郊外県グータ地方の出身で、リビアからの帰国(予定)者。

トルコは、トリポリ南部や、アレッポ県アフリーン市、イドリブ県タッル・アブヤド市、ハサカ県ラアス・アイン市の教練キャンプで訓練を行ったうえで、彼らをソマリアに派遣しており、ソマリア国内で活動するボコハラムから派遣についての承諾を得ているとのこと。

また、シリア北部各所の教練キャンプでは、500人が訓練を受けており、またリビアで応募した戦闘員の数は700人に達しているという。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、Sky News Arabic, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュがダイル・ザウル県ウマル油田の米軍基地を砲撃(2020年12月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍最大の拠点が設置されているウマル油田一帯に向けて、ダーイシュ(イスラーム国)がズィーバーン町の墓地から迫撃砲複数発を打ち込んだ。

物的、人的被害はなかった。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が県東部のトゥワイナーン油田一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を爆撃した。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国の支援を受けた新たな反体制政治同盟「シリア国民同盟」が18日に発足(2020年12月17日)

クッルナー・シュラカー(12月17日付)は、複数の報道筋の話として、12月18日に米国の支援を受けた新たな反体制政治同盟の結成が首都ワシントンDCで発表されると伝えた。

https://www.facebook.com/all4syria.org/posts/2131060743694672

新たな政治同盟の発足人の1人によると、結成される同盟の名称は「シリア国民同盟」で、国連安保理決議第2254号に基づく政治以降プロセスへの効率的な参加や復興をめざすという。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Kull-na Shuraka’, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ミクダード外務在外居住者大臣がロシアを公式訪問し、ラヴロフ外務大臣と会談(2020年12月17日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、ロシアを公式訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラヴロフ外務大臣と会談した。

SANA(12月17日付)によると、会談後の共同記者会見で、両国大臣は、この数年で「テロとの戦い」における両国間の戦略関係が強化されたとしたうえで、今後さまざまな分野で両国の連携がさらに深まると述べた。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ市でトルコによるアルーク村揚水場の水供給停止に抗議する大規模デモ、トルコは供給を再開(2020年12月17日)

ハサカ県では、SANA(12月17日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市で、トルコによるシリア北部占領、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍によるアラーク村揚水所からの水道水供給停止、国際社会の沈黙に抗議とする大規模デモが行われた。

一方、トルコ側は、アルーク村揚水所からの水道水供給が27日ぶりに再開、ハサカ市にある主要な貯水施設への注水も再開された。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がイドリブ県のM4高速道路沿線一帯に展開(2020年12月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、フライフィル村、スフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、M4高速道路沿線一帯に部隊を派遣し、各所に展開させた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、灌漑計画地区を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県24件、ラタキア県3件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民412人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は634,687人に(2020年12月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月17日付)を公開し、12月16日に難民412人(うち女性124人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民412人(うち女性124人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は634,687人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者239,439人(うち女性71,980人、子ども121,845人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は863,967人(うち女性259,256人、子供440,336人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 17, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダン政府:国境から50キロ以内の地域からの「イランの民兵」の完全撤退がジャービル国境通行所再開の条件(2020年12月16日)

アラビー21(12月16日付)は、ヨルダン政府がダルアー県のナスィーブ国境通行所に面するジャービル国境通行所の処遇について、国境から50キロ以内の地域からの「イランの民兵」とレバノンのヒズブッラーの完全撤退が行われない限り再開はされないとの立場を示していたと伝えた。

ヨルダン政府は、ロシアの支援を受ける第5軍団所属第8旅団司令官を務め、「ダルアーのカエル」の異名で知られていたアフマド・アウダ氏(元スンナ青年旅団司令官)との10月末の首都アンマンでの会談で、書簡を通じてこの条件を示していたという(https://syriaarabspring.info/?p=74584)。

ヨルダン政府は新型コロナウイルス感染症対策を理由に、8月12日にジャービル国境通行所を閉鎖していた。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、‘Arabi 21, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連安保理でシリア情勢への対応を協議するための会合:米国は来年予定されているアサド政権下での大統領選挙を認めないと発言(2020年12月16日)

国連安保理ではシリア情勢への対応を協議するための会合が開かれた。

会合では、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表が2020年を振り返り、3月以降、イドリブ県一帯地域での戦況が比較的落ち着いており、制憲委員会(憲法制定委員会)も再開されたとしたうえで、2021年には全土停戦、憲法起草などでの進展をめざすと述べた。

制憲委員会については、シリア政府代表が「テロとの戦い」などを骨子とする8項目からなる「国民諸原則」を、反体制派代表が主権と領土の保全、国際法遵守などを骨子とする23項目からなる原則を、市民社会代表が難民の安全且つ自発的機関などを骨子とする数項目を提示し、協議が続けられていることが概説された。

**

一方、ケリー・クラフト米国連大使が、シリア政府の正統性を改めて否定したうえで、同政府のもとで行われる大統領選挙の結果を承認することはないと発言した。

また、国連が主催する制憲委員会(憲法制定委員会)については、シリア政府が2021年に実施が予定されている大統領選挙を準備するための時間稼ぎに利用し、国連安保理決議第2254号の履行を免れようとしていると非難、「違法な大統領選挙を通じてアサド体制がシリア国民への軍事的勝利を実現することを国際社会は許さない」と断じた。

また、ドイツのクリストフ・ホイスゲン国連大使、ロシアと中国がシリア政府を支援することで国民の殺戮や苦難に関与していると非難、責任を追及した。

**

これに対して、ロシアのワーシリー・ネベンジャ国連大使は、西側諸国が、軍事的手段、資金・武器の供与、戦闘員派遣などを通じて、シリアでの体制転換に依然としてめざしていると非難、シリアへの経済政策が「テロとの戦い」を続けるシリア軍の弱化をもたらしていると指摘した。

AFP, December 17, 2020、ANHA, December 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2020、Reuters, December 17, 2020、SANA, December 17, 2020、SOHR, December 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアとイランはダイル・ザウル県南東部の「イランの民兵」拠点の引き渡しを合意(2020年12月16日)

ナフル・メディア(12月16日付)は、ロシアとイランが、シリア政府下のダイル・ザウル県ユーフラテス川西岸のハリー村西の砂漠地帯に配置されている「イランの民兵」の拠点と、ブーカマール市西の砂漠地帯に設置されているいわゆる「イマーム・アリー基地」(イマーム・アリー・コンパウンド)一帯の「イランの民兵」の拠点多数をロシア軍に引き渡すことを合意したと伝えた。

引き渡し合意が交わされた拠点は、イラク人民防衛隊に所属するヒズブッラー大隊、ヌジャバー運動、アブダール運動の拠点で、これらの部隊は撤退を開始したという。

AFP, December 16, 2020、ANHA, December 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2020、Nahr Media, December 16, 2020、Reuters, December 16, 2020、SANA, December 16, 2020、SOHR, December 16, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リビアの国民合意政府はシリア政府がハフタル将軍率いるリビア国民軍を支援するために傭兵多数を新たに派遣したと発表(2020年12月16日)

リビアの国民合意政府(GNA)は、シリア政府が12月15日、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍を支援するために傭兵多数を新たに派遣したと発表した。

スルト・ジャフラ解放作戦司令室報道官のハーディー・ダーラ准将が発表した声明によると、シャーム・ウィング社のエアバスA320がシリア人傭兵を乗せて、ベンガジ市のバニナ空港に着陸したという。

アナトリア通信(12月16日付)が伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月16日付)によると、ロシアとシリア政府は、2020年6月までにダルアー県、スワイダー県、ハサカ県、ハマー県、ダイル・ザウル県の出身者2,700人を傭兵としてリビアに派遣しているという。

派遣された傭兵には、毎月1,000米ドルの報酬が支払われているという。

AFP, December 16, 2020、Anadolu Ajansı, December 16, 2020、ANHA, December 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2020、Reuters, December 16, 2020、SANA, December 16, 2020、SOHR, December 16, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍、シリア軍、シリア民主軍の代表が、トルコ軍によるアイン・イーサー市一帯への攻撃継続に対処するため、同市に近いシャイフ・ハサン村で協議(2020年12月16日)

ラッカ県では、ANHA(12月16日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線を砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が迎撃した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍、シリア軍、シリア民主軍の代表が、トルコ軍によるアイン・イーサー市一帯への攻撃継続に対処するため、同市に近いシャイフ・ハサン村で会合を開いた。

AFP, December 16, 2020、ANHA, December 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2020、Reuters, December 16, 2020、SANA, December 16, 2020、SOHR, December 16, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がシリア政府支配地域内で孤立していたすべての監視所・拠点からの撤退を完了(2020年12月16日)

シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地のなかで孤立していたイドリブ県タッル・トゥーカーン村の第8監視所、アレッポ県アイス村(アイス丘)の第6監視所から装備や施設の撤収、同地から撤退した。

これにより、トルコ軍はシリア政府支配地域内で孤立していたすべての監視所・拠点からの撤退を完了した。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月16日付)によると、撤退したトルコ軍部隊は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県のマアーッラト・ナアサーン村一帯に再展開した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これにより、シリア領内(緊張緩和地帯第1ゾーン)にあるトルコ軍監視所・拠点81カ所のうち、うち撤去済みとなった監視所・拠点は12カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、アナダーン山(第3監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:サラーキブ市(2カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

また撤退が完了した監視所・拠点は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルマーン村(第7監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:シャイフ・アキール山(第4監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)

拠点

イドリブ県:サラーキブ市(1カ所)、マアッル・ハッタート村
アレッポ県:アレッポ市ラーシディーン地区、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村(クーラーニー工場)

なお、ロイター通信(12月18日付)はトルコの匿名筋の話として、トルコ軍がシリア政府支配地域内で孤立していた監視所7カ所からの撤退を完了したと伝えた。

ただし、シリア人権監視団が12月18日に発表したによると、これらの監視所からの撤退は完了していないという。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯、スフーフン村、ファッティーラ村、フライフィル村を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がガーブ平原のアムキーヤ町で交戦した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジャッバー村でシリア軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士1人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県19件、ラタキア県9件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 16, 2020、ANHA, December 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 16, 2020、Reuters, December 16, 2020、December 18, 2020、SANA, December 16, 2020、SOHR, December 16, 2020、December 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民433人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は634,275人に(2020年12月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月16日付)を公開し、12月15日に難民433人(うち女性130人、子供221人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民433人(うち女性130人、子供221人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は634,275人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者239,027人(うち女性71,856人、子ども121,635人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は863,555人(うち女性259,132人、子供440,126人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 16, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコがアゼルバイジャンに派遣していたシリア人傭兵825人が新たに帰還(2020年12月15日)

シリア人権監視団は、トルコがナゴルノ・カラバフ地方に派遣したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)のうち約825人が、11月26日以降新たにシリア北部のトルコ占領地域に帰還したと発表した。

ナゴルノ・カラバフ地方に派遣されたシリア人傭兵の数は2,580人に達していたが、これによって帰還した傭兵は約2,070人(342人が任務を放棄して帰還していた)となった。

また、戦闘が始まった9月27日以降に死亡したシリア人傭兵は514人、行方不明は240人に達しているという。

AFP, December 15, 2020、ANHA, December 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 15, 2020、Reuters, December 15, 2020、SANA, December 15, 2020、SOHR, December 15, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハーグリーヴス英シリア問題担当特使は「難民のシリアへの帰還はまだ安全ではない」「アサド体制に残虐行為の責任をとらせる」とツイート、シリア外務省は声明で強く反論(2020年12月15日)

12月14日に英外務省シリア問題担当特使に就任したジョナサン・ハーグリーヴス氏は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/uksyriarep)で、シリアでの紛争解決、和平と安定の実現についての自身のヴィジョンを披露した。

9回にわたる書き込みの骨子は以下の通り:

私は英国が人道的な対応の最前線に居続け、支援を必要とする人々がどこにいようと、彼らに目を向けていることを誇りに思っている。我々は、トルコ、ヨルダン、レバノンのシリア難民、そして受け入れ国の支援に専念し続けたい。難民のシリアへの帰還はまだ安全ではない。

これは人間が作り出した災害だ。軍事的手段でなく、政治的手段を通じてのみ終わらせることができる。私は、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表、そしてシリアとシリア国民のための持続的和平、安定、安全に向けた国連主導の政治プロセスを支持し続ける。

シリアでの国際人道法や人権法に対する恐るべき違反は止めねばならない。英国は、シリア国民に対して行われている残虐行為の責任をアサド体制とその支援者に負わせるためあらゆることをする。

ダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の一員として、英国は協力国とともにシリアとイラクでの混乱に対処し、被害を受けた社会の復興を支援し、過激派が台頭する条件を排除する。

こうした取り組みを行ううえで、多くの勇敢な友人がいる。国際社会のパートナー、シリアの反体制派と協力して、紛争解決と、すべてのシリア人のためのより明るい未来に向けた道のりを進むことを待ちきれずにいる。

**

これに対して、外務在外居住者省公式筋は声明を出し、「英国のいわゆるシリア特別代表のジョナサン・ハーグリーヴスがシリアの人道状況に関して主張する偽善、嘘の主張、事実の歪曲に対して驚きの念を表明する」としたうえで、「現下のシリア国民の苦難はテロ攻撃によるものであり…、英国はさまざまなテロ組織を際限なく支援してきた主要な当事者の1人である」非難した。

SANA(12月15日付)が伝えた。

AFP, December 15, 2020、ANHA, December 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 15, 2020、Reuters, December 15, 2020、SANA, December 15, 2020、SOHR, December 15, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市一帯を砲撃(2020年12月15日)

ラッカ県では、ANHA(12月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村、サイダー村、M4高速道路沿線、ハーリディーヤ村、フーシャーン村を砲撃した。

AFP, December 15, 2020、ANHA, December 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 15, 2020、Reuters, December 15, 2020、SANA, December 15, 2020、SOHR, December 15, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民481人と国内避難民(IDPs)2人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は633,842人、2019年以降帰還したIDPsは66,665人に(2020年12月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月15日付)を公開し、12月14日に難民481人(うち女性145人、子供245人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民481人(うち女性145人、子供245人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は633,842人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者238,594人(うち女性71,726人、子ども121,414人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は863,122人(うち女性259,002人、子供439,905人)となった。

**

一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は2人(うち子供1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,665人(うち女性23,220人、子供27,456人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,261人(うち女性405,779人、子供671,222人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 15, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県北東部でシリア軍とダーイシュが激しく交戦、ロシア軍の爆撃続く(2020年12月14日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県、ラッカ県との県境に位置するバシャリー山一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦した。

また、ロシア軍戦闘機がバシャリー山一帯から、ハマー県、アレッポ県、ラッカ県の県境に至る砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して激しい爆撃を継続した。

爆撃回数は13日と合わせて40回以上に達しているという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府の支配下にあるムサッラブ村で国防隊を要撃し、兵士2人を殺害した。

AFP, December 14, 2020、ANHA, December 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 14, 2020、Reuters, December 14, 2020、SANA, December 14, 2020、SOHR, December 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県アイン・イーサー市一帯でトルコ軍、国民軍がシリア民主軍と激しく交戦(2020年12月14日)

ラッカ県では、ANHA(12月14日付)とシリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村、M4高速道路沿線に侵入、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がこれに応戦し、激しい戦闘となった。

これを受けて、トルコ軍と国民軍がマアラク村、M4高速道路沿線、サイダー村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、アイン・イーサー市内にあるロシア軍基地の前では、北・東シリア自治局の支持者や住民がデモを行い、同市一帯へのトルコ軍の攻撃に対するロシア軍の沈黙に抗議し、介入を求めた。

https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159631038203115

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市で、国民軍に所属するシャーム戦線とハムザ師団が13日に双方のメンバーを拘束し、緊張が高まったことを受けて、国民軍の憲兵隊が介入し、兵力の引き離しを行った。

AFP, December 14, 2020、ANHA, December 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 14, 2020、Reuters, December 14, 2020、SANA, December 14, 2020、SOHR, December 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

原油を積んだ米軍のタンクローリー約35輌が北・東シリア自治局の支配地域下のハサカ県からイラク領内に移動(2020年12月14日)

ハサカ県では、SANA(12月14日付)がヤアルビーヤ町一帯の住民の話として伝えたところによると、北・東シリア自治局の支配地域から、原油を積んだ米軍のタンクローリー約35輌が、違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラク領内に移動した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(12月14日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるジャズラト・ブーハミード村一帯で、シリア民主軍の車列が、武装集団の襲撃を受け、兵士3人が死亡した。

一方、北・東シリア自治局の支配下にあるルワイシド村は、住民が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による犯罪行為と米軍による石油盗掘に抗議するデモを行い、ダイル・ザウル県とハサカ市を結ぶハラーフィー街道でタイヤを燃やすなどして封鎖し、抗議の意思を示した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ市内で、武装集団が、内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員の自宅を襲撃し、隊員を殺害、妻に暴行を受けて、重傷を負わせた。

AFP, December 14, 2020、ANHA, December 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 14, 2020、Reuters, December 14, 2020、SANA, December 14, 2020、SOHR, December 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民417人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は633,361人に(2020年12月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月14日付)を公開し、12月13日に難民417人(うち女性125人、子供213人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民417人(うち女性125人、子供213人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は633,361人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者238,113人(うち女性71,581人、子ども121,169人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は862,641人(うち女性258,8857人、子供439,660人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 14, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.