サウジアラビア・シリア間の旅客便が再開(2020年12月13日)

シリアの格安民間航空会社のシャーム・ウィング社は、フェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/ChamWingsAirlines/)を通じて、サウジアラビアの首都リヤド発の旅客便が、クウェートを経由して、ダマスカス国際空港に無事到着したと発表した。

シリアとサウジアラビアの間で旅客便が再開するのは2012年にサウジアラビア側が、また2016年にシリア側が就航を停止して以来4年ぶり。

https://www.facebook.com/ChamWingsAirlines/posts/143832714164665

AFP, December 14, 2020、ANHA, December 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 14, 2020、Reuters, December 14, 2020、SANA, December 14, 2020、SOHR, December 14, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュの拠点に対して70回以上の爆撃を実施(2020年12月13日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して70回以上の爆撃を実施した。

また、同地ではシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、シリア軍兵士7人とダーイシュ・メンバー15人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、国防隊が、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸の砂漠地帯(ファイダト・ブン・ムワイニア地区)でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を開始したが、ダーイシュが仕掛けた地雷の爆発で民兵3人が負傷した。

AFP, December 13, 2020、ANHA, December 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2020、Reuters, December 13, 2020、SANA, December 13, 2020、SOHR, December 13, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県北部、アレッポ県北部を砲撃(2020年12月13日)

ラッカ県では、ANHA(12月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市、同市近郊のマアラク村、M4高速道路沿線を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(12月13日付)によると、トルコ軍と国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アルカミーヤ村、マーリキーヤ村、スーガーニカ村、シャワーリガ村、タートマラーシュ村を砲撃した。

AFP, December 13, 2020、ANHA, December 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2020、Reuters, December 13, 2020、SANA, December 13, 2020、SOHR, December 13, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民393人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は632,944人に(2020年12月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月13日付)を公開し、12月12日に難民393人(うち女性118人、子供200人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民393人(うち女性118人、子供200人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は632,944人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者237,696人(うち女性71,456人、子ども120,956人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は862,224人(うち女性258,732人、子供439,447人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 13, 2020をもとに作成。

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所属不明のドローンが、ダイル・ザウル県ブーカマール市で、イラン人およびイラク人技術者複数人が乗る車輌3輌を攻撃、3人を殺害(2020年12月12日)

ダイル・ザウル県では、アイン・フラート(12月13日付)によると、所属不明の無人航空機(ドローン)が、シリア政府の支配下にあるブーカマール市で、イラン人およびイラク人技術者複数人が乗っていた車輌3輌を攻撃、3人を殺害した。

死亡した3人のうち1人がイラン人、2人がイラク人だという。

AFP, December 13, 2020、ANHA, December 13, 2020、‘Ayn al-Furat, December 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 13, 2020、Reuters, December 13, 2020、SANA, December 13, 2020、SOHR, December 13, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県サルマーン村、アレッポ県ズルバ村近郊のクーラーニー工場から撤退(2020年12月12日)

シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地のなかで孤立していたイドリブ県サルマーン村の第7監視所からの撤退を完了した。

トルコ軍はまた、アレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路の沿線に位置するアレッポ県ズルバ村近郊のクーラーニー工場を拠点として運用していたトルコ軍部隊が撤退、代わってシリア軍部隊が進駐した。

これにより、シリア領内(緊張緩和地帯第1ゾーン)にあるトルコ軍監視所・拠点81カ所のうち、うち撤去済みとなった監視所・拠点は10カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、アナダーン山(第3監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:サラーキブ市(2カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

また撤退が完了した監視所・拠点は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルマーン村(第7監視所)
アレッポ県:シャイフ・アキール山(第4監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)

拠点

イドリブ県:サラーキブ市(1カ所)、マアッル・ハッタート村
アレッポ県:アレッポ市ラーシディーン地区、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村(クーラーニー工場)

AFP, December 12, 2020、ANHA, December 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 12, 2020、Reuters, December 12, 2020、SANA, December 12, 2020、SOHR, December 12, 2020などをもとに作成。

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米軍のM2ブラッドレー歩兵戦闘車からなる部隊が、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県ルマイラーン油田一帯でパトロールを実施(2020年12月12日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍のM2ブラッドレー歩兵戦闘車からなる部隊が、北・東シリア自治局の支配下にあるルマイラーン油田一帯でパトロールを実施した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にある東ガリーバ村で正体不明の武装集団が住民を撃って、殺害した。

AFP, December 12, 2020、ANHA, December 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 12, 2020、Reuters, December 12, 2020、SANA, December 12, 2020、SOHR, December 12, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がアレッポ県、ラッカ県北部を砲撃(2020年12月12日)

アレッポ県では、ANHA(12月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市で、反体制メディア活動家が、オートバイに乗った2人組の襲撃を受けて、死亡した。

この活動家は、バーブ市北の墓地で、新型コロナウイルス感染症による死者を撮影、感染拡大の実態についての調査レポートを公開しようとしていたが、殺害される直前に何度も脅迫を受けていたという。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月12日付)によると、殺害されたのは、トルコ国営放送(TRT)の記者として働いていたフサイン・ハッターブ氏。

ハッターブ氏は殺害される数時間前、フェイスブックのアカウントで、自らが脅迫を受けているとカッバースィーン村の警察(いわゆる自由警察)に相談したことを明らかにした。

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ラッカ県では、ANHA(12月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村、M4高速道路沿線を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のフライワ村で国民軍に所属するスルターン・ムラード師団が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に内通していたとして追跡していた住民に発砲、負傷させた。

AFP, December 12, 2020、ANHA, December 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 12, 2020、Reuters, December 12, 2020、SANA, December 12, 2020、SOHR, December 12, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍がラタキア県カッバーナ村一帯を爆撃(2020年12月12日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、ハルーバ村、フライフィル村、カンスフラ村、バイニーン村を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室も、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市、ミラージャ村砲撃した。

また、ダール・カビーラ村一帯でシリア軍を狙撃し、兵士1人を殺害した。

一方、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るジスル・シュグール市で、同組織に自治を委託されているシリア救国内閣所属の検察官が正体不明の武装集団に撃たれて死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がガーブ平原のマナーラ村(タンジャラ村)一帯で砲撃戦を行った。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が県西部の第46中隊基地一帯でシリア軍を狙撃、兵士1人を殺害した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ市東のマアダーン町近郊の砂漠地帯で、親政権民兵の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、4人が死亡、3人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある東ガーリヤ村でシリア軍第4師団の兵士が正体不明の武装集団の発砲を受けて死亡した。

また、ジャースィム市でも第4師団が狙われ、兵士1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県24件、ラタキア県5件、アレッポ県5件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, December 12, 2020、ANHA, December 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 12, 2020、Reuters, December 12, 2020、SANA, December 12, 2020、SOHR, December 12, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民430人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は632,551人に(2020年12月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月12日付)を公開し、12月11日に難民430人(うち女性129人、子供220人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民430人(うち女性129人、子供220人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は632,551人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者237,303人(うち女性71,338人、子ども120,756人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は861,831人(うち女性258,614人、子供439,247人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 12, 2020をもとに作成。

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駐シリア米国大使館はハサカ県ラアス・アイン市での爆発でトルコ軍3人を含む16人が死亡した事件に「深い懸念」を表明、すべての当事者に自制を呼びかける(2020年12月11日)

駐シリア米国大使館はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/syria.usembassy/)などを通じて声明を出し、12月10日にトルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン市で国民軍と内務治安部隊(いわゆる自由警察)の合同検問所を狙って発生した爆破事件で、トルコ軍兵士3人を含む16人が死亡したことに関して、「深い懸念」を表明し、すべての当事者に自制を求め、2019年10月のロシアとトルコ(そして米国)による停戦合意を遵守するよう呼びかけた。

https://www.facebook.com/syria.usembassy/posts/10158784782507649

AFP, December 11, 2020、ANHA, December 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2020、Reuters, December 11, 2020、SANA, December 11, 2020、SOHR, December 11, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍・国民軍とシリア民主軍がラッカ県アイン・イーサー市一帯で交戦(2020年12月11日)

ラッカ県では、ANHA(12月11日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線に潜入しようとした国民軍を撃退した。

これに対して、国民軍を支援するトルコ軍が同地一帯を激しく砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(12月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

AFP, December 11, 2020、ANHA, December 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2020、Reuters, December 11, 2020、SANA, December 11, 2020、SOHR, December 11, 2020などをもとに作成。

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「イランの民兵」所属と思われるドローンが「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県スフーフン丘を攻撃(2020年12月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」所属と思われる無人航空機(ドローン)が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるスフーフン丘を攻撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のルワイハ村一帯で交戦、スフーフン村、ファッティーラ村、フライフィル村、バーラ村一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるタッル・シハーブ町で男性1人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

また、東カラク村では、シリア軍が近郊の丘陵地帯からの砲撃に応戦し、同地を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県21件、ラタキア県11件、アレッポ県0件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は34件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 11, 2020、ANHA, December 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2020、Reuters, December 11, 2020、SANA, December 11, 2020、SOHR, December 11, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民452人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は632,121人に(2020年12月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月11日付)を公開し、12月10日に難民452人(うち女性135人、子供230人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民452人(うち女性135人、子供230人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は632,121人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者236,873人(うち女性71,209人、子ども120,536人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は861,401人(うち女性258,485人、子供439,027人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2020をもとに作成。

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ロシア軍はイラク国境に面するダイル・ザウル県ブーカマール市に初の拠点を設置(2020年12月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のイラク国境に面するブーカマール市内にあるスィヤーヒー・ホテルをロシア軍が接収し、同市初となる拠点を設置した。

ロシア軍はこれまでにもブーカマール市内に拠点設置を試みてきたが、「イランの民兵」がこれを拒否していたために実現してなかった。

AFP, December 10, 2020、ANHA, December 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 10, 2020、Reuters, December 10, 2020、SANA, December 10, 2020、SOHR, December 10, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍・シリア軍戦闘機が、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュ拠点に35回以上の爆撃を実施(2020年12月10日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機21機とシリア軍戦闘機2機が、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して35回以上の爆撃を実施した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市近郊の砂漠地帯に展開するイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点1カ所を襲撃し、10人を殺害した。

AFP, December 10, 2020、ANHA, December 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 10, 2020、Reuters, December 10, 2020、SANA, December 10, 2020、SOHR, December 10, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のラッカ県タッル・アブヤド市での爆発でトルコ軍将兵3人を含む16人死亡(2020年12月10日)

ラッカ県では、ANHA(12月10日付)によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市にある国民軍の検問所前で、爆弾が仕掛けられていた車が爆発し、戦闘員多数が死傷した。

シリア人権監視団によると、爆発が発生したのは、国民軍に所属するスルターン・ムラード師団と警察(内務治安部隊、いわゆる自由警察)の合同検問所前。

この爆発でトルコ軍士官2人と兵士1人、民間人2人、スルターン・ムラード師団および警察官11人の合計16人が死亡、12人が負傷した。

AFP, December 10, 2020、ANHA, December 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 10, 2020、Reuters, December 10, 2020、SANA, December 10, 2020、SOHR, December 10, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県西部でシリア軍と新興のアル=カーイダ系組織のアンサール・イスラームが捕虜交換(2020年12月10日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月10日付)やシリア人権監視団によると、県西部のミーズナーズ村でシリア軍と新興のアル=カーイダ系組織の一つであるアンサール・イスラームが捕虜交換を行った。

シリア軍は拘束していたアンサール・イスラームのメンバー1人を、アンサール・イスラームはシリア軍兵士1人をそれぞれ釈放した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、ハルーバ村、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約13輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市ダルアー・バラド地区で、軍事情報局パレスチナ課に協力していた住民1人が正体不明の武装集団によって撃たれて、死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県18件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 10, 2020、ANHA, December 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 10, 2020、Reuters, December 10, 2020、SANA, December 10, 2020、SOHR, December 10, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民375人と国内避難民(IDPs)3人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は631,669人、2019年以降帰還したIDPsは66,663人に(2020年12月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月10日付)を公開し、12月9日に難民375人(うち女性113人、子供192人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民375人(うち女性113人、子供192人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は631,669人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者236,421人(うち女性71,074人、子ども120,306人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は860,949人(うち女性258,350人、子供438,797人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は3人(うち女性1人、子供2人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,663人(うち女性23,220人、子供27,455人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,259人(うち女性405,779人、子供671,221人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 10, 2020をもとに作成。

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ハサカ県とアレッポ県の北部でトルコ軍・国民軍とシリア民主軍の戦闘続く(2020年12月9日)

ハサカ県では、ANHA(12月9日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するシリア正教軍事評議会が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村に潜入しようとした国民軍を迎撃、これを撃退した。

これに対して、トルコ軍と国民軍も、ウンム・カイフ村一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(12月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のタッル・マディーク村とシャフバー・ダムを砲撃した。

一方、国民軍に所属するシャーム軍団が、トルコの占領下にあるアフリーン郡シーラーワー町近郊に位置し、ヤズィード教徒が暮らすバースーファーン村を包囲、住民や物資の出入りを禁止した。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

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米軍車輌約60輌がハサカ県ルマイラーン油田に違法に設置されている基地を出発し、ワリード国教通行所を経由してイラク領内に向かう(2020年12月9日)

ハサカ県では、SANA(12月9日付)によると、米軍の大型トレーラー、タンクローリー、冷凍車など約60輌からなる車列が、ルマイラーン油田に違法に設置されている基地を出発、ワリード国教通行所を経由してイラク領内に向かった。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

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占領下ゴラン高原での住民のデモに対してイスラエル軍が発砲し20人以上負傷(2020年12月9日)

イスラエルの占領下にあるゴラン高原(クナイトラ県)では、マジュダル・シャムス村とマスアダ町の間に位置する工業用地で、住民がウィンドファームの建設に反対するための抗議デモを行った。

これに対して、イスラエル軍は強制排除を試みて、ゴム弾や催涙弾を発射、20人以上が負傷した。

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イスラエル軍によるデモの強制排除を受けて、外務在外居住者省は声明を出し、これを批判、国連に対して占領下の住民によるゼネストを支援し、イスラエルによるゴラン高原併合と土地・財産の接収を拒否するよう訴えた。

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SANA(12月9日付)が伝えた。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア政府支配地内で孤立していた3カ所の監視所・拠点からの撤退を開始(2020年12月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地内に孤立していたサルマーン村の第7監視所から「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方方面に、貨物車輌で武器や装備、兵站物資などを搬出、撤退を開始した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、アレッポ県でも、トルコ軍は、アレッポ市ラーシディーン地区に設置していた拠点からの撤退作業を継続するとともに、ハーン・トゥーマーン村の拠点からも撤退を開始した(ただし、ハーン・トゥーマーン村について、シリア人権監視団は、これまで拠点が設置されていたと発表していなかった)。

ラーシディーン地区の拠点からの撤退により、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は77カ所(うち撤去済みの監視所・拠点は9カ所)となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所、撤退)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所、撤退)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所、撤退)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所、撤退完了)、シール・マガール村(第10監視所、撤退)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村(撤退)、サラーキブ市(3カ所、うち1カ所から撤退)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区(撤退)、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村、ハーン・トゥーマーン村(撤退)
ハマー県:ムガイル村

一方、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室はまた、県東部でシリア軍兵士を狙撃、1人を殺害した。

これに対して、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村、カンスフラ村、バーラ村一帯、バイニーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室もシリア政府の支配下にあるバイト・ハサヌー村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県20件、ラタキア県9件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は35件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民314人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は631,292人に(2020年12月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月9日付)を公開し、12月8日に難民314人(うち女性94人、子供160人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民314人(うち女性94人、子供160人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は631,292人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者236,044人(うち女性70,961人、子ども120,114人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は860,572人(うち女性258,237人、子供438,605人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 9, 2020をもとに作成。

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ヨルダンはアラブ湾岸諸国向け産品を輸送するシリアの貨物車輌の入国を禁止(2020年12月8日)

ハバル(12月8日付)によると、ヨルダン政府は、ダルアー県のナスィーブ国境通行所に面するジャービル国境通行所で、アラブ・トランジット協定(https://www.customs.gov.sa/themes/custom/customs/files/agreements/transit/en.pdf)に準じていないシリアのアラブ湾岸諸国向けの貨物車輌のヨルダンへの入国を禁止することを決定した。

この決定に関して、シリア国際貨物輸送業者連合幹部のアイマン・ジューバーン氏は、「ヨルダンの措置には何らの法的根拠もない不機嫌な決定」と非難した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、al-Khabar, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県タフタナーズ市の拠点に駐留するトルコ軍兵士が民家の家財道具を破壊、住民らと殴り合いに(2020年12月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるタフタナーズ市で住民複数と、同市に設置されている拠点に駐留しているトルコ軍兵士複数との間で殴り合いの喧嘩が発生した。

トルコ軍兵士らが、タフタナーズ市の民家1棟に侵入し、家財道具などを破壊したのを、家主らが目撃し、これを静止しようとして喧嘩に発展したという。

騒動を受けて、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)の戦闘員が介入し、両者を引き離し、事態を収拾した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア、シリア政府、シリア民主軍はトルコ軍の激しい砲撃が続くラッカ県アイン・イーサー市などの3カ所に合同監視所を設置することを合意(2020年12月8日)

ラッカ県では、ANHA(12月8日付)が複数の情報筋の話として伝えたところによると、ロシア軍、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、そしてシリア政府が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市に合同監視所3カ所を新たに設置することに合意した。

ロシア軍、シリア民主軍、シリア政府の各代表は、アイン・イーサー市にあるロシア軍基地で会合を開き、同市内とその近郊の3カ所に合同監視所を設置することに合意したという。

シリア人権監視団によると、合同監視所が設置されるのは、アイン・イーサー市、M4高速道路沿線、アイン・イーサー市西の3カ所。

合意は、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が同地一帯への砲撃を激化させていることを受けたもの。

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ハサカ県では、SANA(12月8日付)によると、トルコとその支援を受ける国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町一帯を砲撃した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア政府支配地内で孤立していたアレッポ市ラーシディーン地区の拠点から撤退を開始(2020年12月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地内に孤立しているアレッポ市ラーシディーン地区にある拠点から「決戦」作戦司令室の支配下にあるアターリブ市方面に、貨物車輌で武器や装備、兵站物資などを搬出した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

トルコ軍は、ラーシディーン地区に第5監視所を設置していたが、同監視所からも11月24日に撤退している。

ラーシディーン地区の拠点からの撤退により、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は76カ所(うち撤去済みの監視所・拠点は7カ所)となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所、撤退)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所、撤退)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所、撤退完了)、シール・マガール村(第10監視所、撤退)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村(撤退)、サラーキブ市(3カ所、うち1カ所から撤退)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市一帯で砲撃戦を行った。

またシリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村、バイニーン村、ルワイハ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるクルド山地方のブルカーン丘を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村iの丘陵地帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県25件、ラタキア県5件、アレッポ県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民229人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は630,978人に(2020年12月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月8日付)を公開し、12月7日に難民229人(うち女性69人、子供117人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民229人(うち女性69人、子供117人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は630,978人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者235,730人(うち女性70,867人、子ども119,954人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は860,258人(うち女性258,143人、子供438,445人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 8, 2020をもとに作成。

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米国は、中国、サウジアラビアなどを信仰の自由を侵害する懸念国(CPS)に、ダーイシュとシャーム解放機構などを懸念組織(ECP)に指定(2020年12月7日)

マイク・ポンペオ国務長官は報道声明を出し、ミャンマー、中国、エリトリア、イラン、ナイジェリア、北朝鮮、パキスタン、サウジアラビア、タジキスタン、トルクメニスタンを「信仰の自由を体系的、継続的、深刻なかたちで侵害」しているとして、国際信教の自由法(1998年)に基づく「懸念国」(countries of particular concern; CPS)に指定したと発表した。

ポンペオ国務長官はまた、コモロ、キューバ、ニカラグア、ロシアを「信仰の自由への深刻な侵害に関与する、ないしは寛容である国」として「特別監視リスト」(special watch list: SWL)に追加したと発表した。

さらに、アル・シャバブ、アル=カーイダ、ボコ・ハラム、シャーム解放機構、フーシー派、ダーイシュ(イスラーム国、ISIS)、大サハラのイスラーム国(ISGS)、西アフリカのイスラーム国、ジャマーア・ヌスラ・アル・イスラーム・ワル・ムスリミーン、ターリバーン(JNIM)をフランク・R・ウルフ国際信仰の自由法(2016年)に基づく「懸念組織」(entities of particular concern:EPC)に追記したと付言した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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