米国による「穏健な反対武装集団」支援(2014年7月13日)

ヨルダンのムハンマド・ムーマニー情報通信担当国務大臣(内閣報道官)はプレス向け声明で「アンマンはシリア情勢への不干渉を順守し、これまでも、そしてこれからもヨルダン領内でシリア人反体制活動家の教練は行わない」と発表した。

この発表は、ロイター通信(7月12日付)が、複数の米高官筋の話として、ヨルダンが1年以上前から、シリアの反体制武装集団に属する戦闘員の秘密教練を誘致してきたと報じたことを受けたもの。

これらの高官によると、ヨルダンは、米国の監督下でシリアの反体制武装集団戦闘員の教練プログラムを拡大することを拒否しているが、1年以上前から、CIAによる秘密教練を誘致してきたという。

また自由シリア軍の司令官の一人アリー・リファーイー氏は『ハヤート』(7月14日付)に対して、米国による教練の目的が、シリア南部で台頭するジハード主義勢力に変わる武装集団を育成することにある、としたうえで、「ヨルダンは自国領内で小規模の秘密教練プログラムが行われることに合意していた。昨年には、約3,000人のシリア人戦闘員が簡単な教練を受けたが、それは軽火器の使用などに限られていた…。教練機関は、8~12日程度だった」と証言した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 12, 2014、July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月13日)

シリア国内の動き

イドリブ県では、スマート・ニュース(7月13日付)によると、ビンニシュ市を拠点とするシャーム自由人イスラーム運動がイスラーム戦線各部隊とともに、同市でダーイシュ(イスラーム国)と、ダーイシュに忠誠を誓ったダーウド旅団、シャーム軍などの掃討を開始した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったダーウド旅団がマンビジュ市方面に進軍し、アイン・アラブ市郊外でのダーイシュと西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との戦闘に参加した。

この戦闘で、人民防衛隊の戦闘員12人とダーイシュ戦闘員11人が死亡するとともに、ダーイシュの司令官(エジプトのスエズ市出身の薬剤師)が負傷し、人民防衛隊に捕捉されたとう。

一方、アフタリーン市周辺のハルダーナー村などでは、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュと交戦した。

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ARA News, July 13, 2014
ARA News, July 13, 2014

ダイル・ザウル県では、ARA News(7月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマヤーディーン市ダウワール・ナーディー地区のダーイシュの検問所近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発、市民数十人とダーイシュ戦闘員複数が死傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム戦線(イスラーム軍など)が交戦した。

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ハサカ県では、ARA News(7月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャッダーディー市郊外のジャブサ油田が再稼働させた。

イラク国内の戦況

イラク・バアス党のイッザト・イブラーヒーム・ドゥーリー書記長はインターネットを通じて音声声明を出し、現下のイラクの混乱を「サファビー朝植民地主義に対する革命」を形容するとともに、ダーイシュ(イスラーム国)など、モスル市、ティクリート市制圧に参加した武装集団を「慈愛と誇り」をもって祝福、また「バグダード解放はすぐそこだ」と唱導した。

マダー・プレス(7月13日付)が伝えた。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月13日付)によると、ティクリート市南部のダルーイーヤ郡とバラド市を結ぶ橋で爆弾を仕掛けた車を爆破させ、橋を破壊した。

またダルーイーヤ郡の警察部隊と住民がダーイシュの襲撃に応戦し、ダーイシュ戦闘員10人が死傷した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月13日付)によると、ハディーサ郡で、治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員13人が死亡、治安部隊隊員6人が死傷した。

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イラク軍総司令部報道官のカースィム・アター大将は記者会見で、サラーフッディーン県、アンバール県、ニナワ県などでのイラク軍による掃討作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員41人を殺害、車輌250台を破壊したと発表した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、SMART News, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(7月13日)

ARA News, July 13, 2014
ARA News, July 13, 2014

西クルディスタン移行期部民局(ジャズィーラ地区)立法評議会(ディーワーン)は会合を開き、「民政自治区自衛義務遂行法」を承認した。

この法律は、ジャズィーラ地区の全世帯に対して、18~30歳の世帯員1人を6ヶ月間「自衛義務遂行」のために供出することを義務づけ、アサーイシュ、人民防衛隊(YPG)、女性防衛部隊(YPJ)、クルディスタン開放運動(KCK)に配置することを定めている。

法律違反者は処罰される一方、障害者、病人の供出は免除されるという。

ARA News(7月13日付)が伝えた。

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シリア・クルド国民評議会のムスタファー・マストゥー氏は、「民主的自治区自衛義務遂行法」承認に関して、ARA(7月13日付)に対して、「民主統一党による…独断」と批判した。

なおARA Newsによると、シリア・クルド国民協議会の事務局は同法への支持を求めていた西クルディスタン移行期民政局の書簡に対して、同法を「違法」だとして拒否する姿勢を確認していたという。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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シリア革命反体制勢力国民連立の動き(2014年7月13日)

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ヨルダンの首都アンマンでの自由シリア軍司令官のマーヒル・ラッハール氏殺害に関して、「刑事事件」だと断定しているヨルダン当局の姿勢を批判、「アサド政権にこの犯罪の責任はある」とし、同政権の関与を断定した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、西クルディスタン移行期部民局(ジャズィーラ地区)立法評議会(ディーワーン)によるハミーディー・ダッハーム・ハーディー・ジャルバー氏とハディーヤ・ユースフ女史の共同執政官選出を「シリア分割の計略への回帰」と批判し、拒否するとの姿勢を示した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月12日)

『ハヤート』(7月13日付)は、複数の治安筋の話として、アンマン首都県西部のダウワール・シャファー・バドラーン近郊で未明、シリア国籍の20代の青年が何者かによって撃たれ、死亡、治安当局の捜査の結果、この青年が「自由シリア軍」の司令官の一人であることが判明した、と報じた。

Kull-na Shuraka', July 12, 2014
Kull-na Shuraka’, July 12, 2014

これに関して、複数の反体制活動家はインターネットを通じて、ダルアー県インヒル市を拠点とする自由シリア軍のムジャーヒディーン旅団司令官のマーヒル・ラッハール氏が、アンマン西部のアブー・ナスィール地区で何者かの要撃を受け、殺害されたことを明らかにした。

自由シリア軍に近い複数の消息筋は、『ハヤート』(7月13日付)に対し、ラッハール氏が、クナイトラ県の連隊基地解放作戦、サムリーン村解放作戦、インヒル市解放作戦、ジャースィム市病院解放作戦などを指揮するなど、ダルアー県でもっとも有力な司令官だったと述べた。

AFP, July 12, 2014、AP, July 12, 2014、ARA News, July 12, 2014、Champress, July 12, 2014、al-Hayat, July 13, 2014、Kull-na Shuraka’, July 12, 2014、al-Mada Press, July 12, 2014、Naharnet, July 12, 2014、NNA, July 12, 2014、Reuters, July 12, 2014、SANA, July 12, 2014、UPI, July 12, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月12日)

シリア国内の動き

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフタリーン市郊外のマスウーディーヤ村、ハラファトリー村、バフールタ村で、クルド人戦線旅団およびジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、前者がハラファトリー村を、後者がマスウーディーヤ村をそれぞれ制圧した。

またダーイシュは、アイン・アラブ市郊外のジャッル・グーグリー村で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦、同村を制圧、多数の住民が村から避難した。

同監視団によると、民主統一党とラッカ革命家旅団が、ダーイシュと、アイン・アラブ市南部のスィッリーン村の穀物庫で会合を開き、捕虜交換について協議した。

交渉では、人民防衛隊などが拘束しているダーイシュ戦闘員捕虜70人、遺体50人と、ダーイシュが拉致した子供130人(5月末に拉致された中学生)を含む住民400人、人民防衛隊とラッカ革命家戦線の戦闘員捕虜32人、遺体68人の交換が協議された。

ARA News, July 12, 2014
ARA News, July 12, 2014

交渉は、シリア・クルド国民評議会、西クルディスタン人民議会、拉致被害者家族がアイン・アラブ市で結成したコバネ国民和解委員会が仲介したが、捕虜らの引き渡し方法をめぐって合意できず決裂、ダーイシュは仲介を行っていた和解委員会の青年を拉致した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍機が、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するムーハサン市を空爆した。

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ハサカ県では、ARA News(7月12日付)によると、カーミシュリー市東部のカフターニーヤ市近郊のジャズア村近くで、西クルディスタン移行期民政局の人民防衛隊が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またシリア軍も、カーミシュリー市南部のアブー・カサーイブ村、タッル・ブラーク町、タッル・ハミース市などのダーイシュ拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、ARA News(7月12日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動(イスラーム戦線)の戦闘員3人がアーフィス村で襲撃され、負傷した。

同報道によると、この襲撃は、数日前にシャーム自由人イスラーム運動が、最近になってダーイシュ(イスラーム国)に合流したダーウド旅団の戦闘員複数名を逮捕したことを受けた動きだという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点の一つで、拷問の跡が見られる男性の遺体が発見された。

イラク国内の戦況

アンバール県では、マダー・プレス(7月12日付)によると、ファッルージャ市東部のハヤーキル地方で、テロ撲滅特殊部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、「結婚ジハード」を奨励するファトワーを発していた「アブー・リハーブ」を名乗る人物とその副官2人が死亡した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月12日付)によると、ジュルフ・サフル地方のファーディリーヤ地区、バフバハーン地区で、イラク軍ヘリコプターがダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所を空爆し、ダーイシュ戦闘員12人が死亡した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月12日付)によると、イラク軍戦闘機がトゥーズ郡南部のヤンカジャ地方で、ダーイシュ(イスラーム国)のアミールの邸宅を空爆し、同邸宅で会合を開いていたダーイシュ戦闘員26人全員が死亡した。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月12日付)によると、イラク軍戦闘機がキルクーク市西部のリヤード地区にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員多数と市民3人が負傷した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(7月12日付)によると、同県警察署長が、ヤアクーバ市北東部のスドゥール地区で、軍・警察合同部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ダーイシュ戦闘員22人を殺害・逮捕した、と発表した。

AFP, July 12, 2014、AP, July 12, 2014、ARA News, July 12, 2014、Champress, July 12, 2014、al-Hayat, July 13, 2014、Kull-na Shuraka’, July 12, 2014、al-Mada Press, July 12, 2014、Naharnet, July 12, 2014、NNA, July 12, 2014、Reuters, July 12, 2014、SANA, July 12, 2014、UPI, July 12, 2014などをもとに作成。

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シャームの民のヌスラ戦線の動き(2014年7月12日)

AMC(7月12日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線指導者のムハンマド・アブー・ジャウラーニー氏が、アレッポ県内某所での戦線司令官会合に突如姿を現し、アブー・バクル・バクダーディー氏による「イスラーム国」樹立宣言に対抗するかたちで、「アレッポ・イスラーム首長国」樹立を宣言した。

Kull-na Shuraka', July 12, 2014
Kull-na Shuraka’, July 12, 2014

ジャウラーニー氏は、組織改編などを審議事項としていた会合の議長を務め、司令官らに「ジハード継続」を訴えるとともに、「イスラーム国」樹立宣言に対抗するかたちで、「アレッポ・イスラーム首長国樹立を宣言した」と告げたという。

またジャウラーニー氏は、「アレッポ・イスラーム首長国」が、ヌスラ戦線だけでなく、参加を希望する勢力によって構成されるが、主たる目的は、アッラーの法による適用、腐敗者との戦いにある」と付言したという。 

AFP, July 12, 2014、AMC, July 12, 2014、AP, July 12, 2014、ARA News, July 12, 2014、Champress, July 12, 2014、al-Hayat, July 13, 2014、Kull-na Shuraka’, July 12, 2014、al-Mada Press, July 12, 2014、Naharnet, July 12, 2014、NNA, July 12, 2014、Reuters, July 12, 2014、SANA, July 12, 2014、UPI, July 12, 2014などをもとに作成。

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イスラム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月11日)

シリア国内の動き

ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県のこと)は声明を出し、ダイル・ザウル県のジハード主義武装集団などに対して、18日金曜日までに「改悛」し、忠誠を誓うよう呼びかけた。

Kull-na Shuraka', July 11, 2014
Kull-na Shuraka’, July 11, 2014

これに関して、『ハヤート』(7月12日付)は、複数の活動家の話として、ダイル・ザウル県で活動するヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動など複数のジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったと報じた。

ただし、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動は、ダマスカス郊外県、アレッポ県などではダーイシュとの交戦を続けているという。

クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、シュハイル市への住民の帰宅に関する合意を無視し、ダーイシュ(イスラーム国)が住民の帰宅を阻止、またこれに先立ち接収中の家屋7棟を爆破し、破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(7月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が拉致していた国防隊兵士と警官の遺体がタッル・ハミース市郊外で発見された。

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イスラーム戦線政治委員会のアブー・アブドゥッラー・ハマウィー議長はツイッターで「アレッポでアサド軍が進軍するのに時を合わせて、アレッポの解放地区内でダーイシュ(イスラーム国)が拡大を続けている」と綴った。

イラク国内の戦況

キルクーク県では、マダー・プレス(7月11日付)によると、フワイジャ郡ズィラーア地区で、同地の部族民兵がダーイシュ(イスラーム国)が接収・使用していた家屋を破壊し、ダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

またフワイジャ郡カーディスィーヤ地区では、イラク軍がダーイシュ拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員多数と民間人2人が死亡、子供を含む複数人が負傷した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月11日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、イラク軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点・武器庫を空爆し、ダーイシュ戦闘員25人を殲滅した。

また同地方ファーディリーヤ地区では、軍と民兵からなる合同部隊が、ダーイシュの拠点を急襲し、戦闘員8人を殺害した。

さらに同地方フジャイル地区では、治安部隊がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員3人、治安部隊隊員2人が死亡した。

またバービル県議会は、ジュルフ・サフル地方のバフバハーン地区、アズラク地区で、軍警察合同部隊がダーイシュを掃討し、治安を回復したと発表した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月11日付)によると、カーイム郡で、イラク軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、アブー・ムアーウィヤ・スーリー氏、アブー・アリー・サーマッラーイー氏、アフマド・アワド・スライマーニー氏、アブー・アブドゥッラフマーン・アフガーニー氏、マーズィン・アイヤーシュ・スライマーニー氏、アブー・アブドゥッラー・アドナーニー氏らダーイシュ司令官複数を含む戦闘員多数を殺害した。

諸外国の動き

al-Hayat, July 12, 2014
al-Hayat, July 12, 2014

オーストラリア連邦警察特殊部隊が、フィリピン中部のラプラプ市でフィリピン人にシリア、イラクでのジハードへの呼びかけていたオーストラリア人ムーサー・セラントニオ氏(29歳)を逮捕した。

セラントニオ氏は17歳のとき、メルボルンでイスラーム教徒に改宗、インターネットでダーイシュ(イスラーム国)を支持する説教師として知られていた。

ロイター通信(7月11日付)が伝えた。

AFP, July 11, 2014、AP, July 11, 2014、ARA News, July 11, 2014、Champress, July 11, 2014、al-Hayat, July 12, 2014、Kull-na Shuraka’, July 11, 2014、al-Mada Press, July 11, 2014、Naharnet, July 11, 2014、NNA, July 11, 2014、Reuters, July 11, 2014、SANA, July 11, 2014、UPI, July 11, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月11日)

ダルアー県で活動する反体制武装集団7組織がビデオ声明を出し、カーディスィーヤ師団を結成すると発表した。

カーディスィーヤ師団に参加を表明した組織は以下の通り:

1. フルサーン・ハック旅団
2. ヒムス・ワリード旅団
3. ハウラーンの橋旅団
4. ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ旅団
5. ムサイフラ特殊任務大隊
6. ハック大隊
7. カラーマ殉教者連合

AFP, July 11, 2014、AP, July 11, 2014、ARA News, July 11, 2014、Champress, July 11, 2014、al-Hayat, July 12, 2014、Kull-na Shuraka’, July 11, 2014、al-Mada Press, July 11, 2014、Naharnet, July 11, 2014、NNA, July 11, 2014、Reuters, July 11, 2014、SANA, July 11, 2014、UPI, July 11, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月10日追記)

アフガニスタンのターリバーンは10日にインターネット・サイトを通じてアラビア語の書簡を発表、そのなかで、シャームのすべてのジハード組織の指導者やウラマーに対し、「共通の見解や協議を通じて自らの紛争を解決」し、「イスラーム教徒は宗教における誇張を回避しなければならない」としたうえで、「戦隊を統合し、言葉を一致させ、ウンマの利益を私利に優先させ、対立を回避しなければならない」と呼びかけた。

ロイター通信(7月11日付)が報じた。

なおロイター通信によると、パキスタン、アフガニスタン両国のターリバーンはダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言への公式の見解を示していないが、若いメンバーの一部はカリフ制樹立に好意的である一方、多くのメンバーが懐疑的な見方をしているという。

al-Hayat, July 12, 2014、Reuters, July 11, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月10日)

シリア国内の動き

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市のダーイシュ(イスラーム国)をイスラーム軍が攻撃、制圧した。

この戦闘で、複数の司令官を含むダーイシュ戦闘員5人が死亡したという。

これに関して、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官はツイッターを通じて、ダーイシュのアミールの一人、アブー・マーリヤ・ウルドゥンニー氏を含むダーイシュ・メンバー4人を殺害したと綴った。

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アレッポ県で活動するシャームの鷹旅団のアブー・イーサー・シャイフ司令官は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったシャーム軍とダーウド旅団に対して、12時間以内に武器を引き渡すよう最後通告を出した。

シャイフ司令官はまた、この二つの武装集団を事実上指揮するハッサーン・アッブード氏がアレッポの武装集団を何度も裏切ってきたと批判した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ヒシャーム村名士とダーイシュ(イスラーム国)が、同市から強制退去を命じられていた住民1万5,500人以上の帰宅について合意した。

住民は10日正午から帰宅を開始するという。

イラク国内の戦況

ロイター通信(7月10日付)によると、国際原子力機関(IAEA)は、イラク政府から、ニナワ県モスル市の大学に保管されていた核物質が奪われたとの連絡を受けたと発表した。

核物質の種類や量は明らかにしていないが、「低い等級のもので安全上の問題は小さい」としている。

ロイター通信によると、奪われたのは研究用ウラン化合物約40キロ。

イラクの国連大使が8日、潘基文国連事務総長宛ての書簡で、「テロ集団に奪われた」と伝えたという。

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ニナワ県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がモスル市各所でイラク軍元士官30人を逮捕した。

逮捕の理由は明らかでないという。

一方、モスル市南部のタヤラーン地区にあるイラク軍ニナワ県作戦司令室をイラク軍戦闘機が空爆した。

同司令室はダーイシュが占拠し、本部として使っていたという。

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バービル県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、軍、警察、民兵からなる合同部隊がジュルフ・サフル地方でダーイシュ(イスラーム国)の掃討作戦を続け、ダーイシュ戦闘員22人を殺害、車輌8台を破壊した。

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ラマーディー県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、軍・警察合同部隊がラマーディー市北部のジャズィーラ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員13人を殺害した。

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マダー・プレス(7月10日付)は、信頼できる消息筋の話として、イラクの特殊諜報機関が、ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏の弟を逮捕したと伝えた。

逮捕されたバグダーディー氏の弟はバグダードなどでの「テロ活動」を統括していたという。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、ヤアクーバ市北部のスドゥール地方で、警察部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、同地襲撃の「首謀者」1人を含むダーイシュ戦闘員7人と警官2人が死亡した。

AFP, July 10, 2014、AP, July 10, 2014、ARA News, July 10, 2014、Champress, July 10, 2014、al-Hayat, July 11, 2014、Kull-na Shuraka’, July 10, 2014、al-Mada Press, July 10, 2014、Naharnet, July 10, 2014、NNA, July 10, 2014、Reuters, July 10, 2014、SANA, July 10, 2014、UPI, July 10, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月10日)

西クルディスタン移行期部民局(ジャズィーラ地区)立法評議会(ディーワーン)は、ハサカ県アームーダー市での会合で、シャンマル部族の部族長ハミーディー・ダッハーム・ハーディー・ジャルバー氏と民主統一党のハディーヤ・ユースフ女史の2人をジャズィーラ地区の共同執政官に満場一致で選出した。

クッルナー・シュラカー(7月10日付)が報じた。

ARA News, July 10, 2014
ARA News, July 10, 2014

AFP, July 10, 2014、AP, July 10, 2014、ARA News, July 10, 2014、Champress, July 10, 2014、al-Hayat, July 11, 2014、Kull-na Shuraka’, July 10, 2014、al-Mada Press, July 10, 2014、Naharnet, July 10, 2014、NNA, July 10, 2014、Reuters, July 10, 2014、SANA, July 10, 2014、UPI, July 10, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月10日)

Kull-na Shuraka', July 10, 2014
Kull-na Shuraka’, July 10, 2014

イスラーム戦線アレッポ県総司令部のアブドゥルアズィーズ・サラーマ・アブー・ジュムア司令官は声明を出し、北の拳大隊を構成する以下の部隊・戦闘員を解任・除名すると発表した。

1. ジャーンブー

2. アイマン・ファッルーフ

3. アフマド・ヤースィーン

4. ニダール・ハティーブ

5. アムジャード・シャーム大隊

6. アラブの春旅団

7. アブー・ライス・グラバー

「土地を荒廃させ、道路を封鎖し、無実のイスラーム教徒の血と財産を奪った」のが解任・除名の理由だという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は7月6日からトルコのイスタンブール郊外で開催されている総合委員会会合で、政治委員会メンバー19人を選出した。

選出された政治委員会メンバーと得票数は以下の通り:

1. サーリム・ムスラト(73)

2. アブドゥルアハド・アスティーフー(72)

3. ナズィール・ハキーム(68)

4. アーリヤ・マンスール(68、留任)

5. バドル・ジャームース(68)

6. マフムード・ダギーム(66)

7. アフマド・サイイド・ユースフ(62)

8. サラーフ・ダルウィーシュ(62、留任)

9. リヤード・ハサン(61、留任)

10. ワースィル・シャマーリー(61)

11. ナガム・カーディリー(60)

12. アナス・アイルート(58)

13. ハティーブ・バドラ(55)

14. ジャービル・ズアイン(55)

15. アナス・アブダ(54)

16. アフマド・ジャカル(53、留任)

17. アクラフ・アッサーフ(50)

18. ムハンマド・ハイル・バーンジュー(50、留任)

19. ハーリド・ナースィル(49、留任)

クッルナー・シュラカー(7月10日付)が伝えた。

AFP, July 10, 2014、AP, July 10, 2014、ARA News, July 10, 2014、Champress, July 10, 2014、al-Hayat, July 11, 2014、Kull-na Shuraka’, July 10, 2014、al-Mada Press, July 10, 2014、Naharnet, July 10, 2014、NNA, July 10, 2014、Reuters, July 10, 2014、SANA, July 10, 2014、UPI, July 10, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月9日)

シリア・クルド国民評議会は緊急会合を開催し、人民防衛隊とアサーイシュへの若者の徴用への賛同を求める西クルディスタン移行期民政局の書簡への対応を協議した。

ARA News(7月11日付)が伝えた。

ARA News, July 9, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月9日追記)

ラッカ県では、ARA News(7月9日付)によると、タッル・アブヤド市西部のジャーリフ・アブディー村で、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局民主統一党が交戦し、ダーイシュ戦闘員30人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市内の商店に対して強制捜査を行い、タバコを没収、まだ同市で喫煙を禁止した。

またダーイシュはブサイラ市で、麻薬・大麻常習者多数を逮捕したという。

ARA News, July 9, 2014、al-Hayat, July 11, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月9日)

シリア国内の動き

ガド・プレス(7月9日付)は、複数の活動家の情報として、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州のワーリーを名乗るアブー・ルクマーン・マグリビー氏が離反し、自らを「シャームのカリフ」に就任させるよう要求したと報じた。

同報道によると、アブー・ルクマーン氏は、ダーイシュの指導者であるアブー・バクル・バグダーディー氏よりも「自分の方がカリフにふさわしい」と主張しているという。

なおアブー・ルクマーン氏による「シャームのカリフ」宣言を受け、約3,000人のダーイシュ・メンバーが同氏に忠誠を誓ったという。

アブー・ルクマーン氏については、2014年1月7日にラッカ市での戦闘で死亡したとの情報が流れていた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=379)。

algadpress, July 9, 2014
algadpress, July 9, 2014

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の「訓練センター」およびダーイシュが包囲を続ける第17師団基地周辺をシリア軍が空爆し、ダーイシュ戦闘員20人以上が死亡した。

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ARA News, July 9, 2014
ARA News, July 9, 2014

ARA News(7月9日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)のアレッポ州ジャラーブルス地区のアミールが、すべてのダーイシュ・メンバーに対して、「ダーイシュに敵対的な思想の持ち主」の監視を行うよう要請する布告を発したと報じ、その写真を公開した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(7月9日付)によると、ミスラーバー市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム軍が交戦し、民間人3人が戦闘に巻き込まれ負傷した。

イラク国内の戦況

バービル県では、マダー・プレス(7月9日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、イラク軍戦闘機の支援を受けた治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)を攻撃し、ダーイシュ戦闘員15人を殲滅した。

**

アンバール県では、マダー・プレス(7月9日付)によると、ラマーディー市西方のラーワ郡で、イラク軍戦闘機・ヘリコプターの支援を受けた治安部隊が、ダーイシュ(イスラーム国)の車列を攻撃し、ダーイシュ戦闘員14人を殲滅した。

AFP, July 9, 2014、Algadpress, July 9, 2014、AP, July 9, 2014、ARA News, July 9, 2014、Champress, July 9, 2014、al-Hayat, July 10, 2014、Kull-na Shuraka’, July 9, 2014、al-Mada Press, July 9, 2014、Naharnet, July 9, 2014、NNA, July 9, 2014、Reuters, July 9, 2014、SANA, July 9, 2014、UPI, July 9, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月9日)

シリア革命反体制勢力国民連立は、6日からトルコのイスタンブール郊外で開催していた総合委員会会合(113人が出席)で、ハーディー・バフラ氏をアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長の後任の議長に選出した。

クッルナー・シュラカー(7月9日付)によると、投票結果は以下の通り:

ハーディー・バフラ:62票

ムワッファク・ニールビーヤ:41票

ワリード・ウマリー:3票

無効票:7票

バフラ氏は1959年、ダマスカス県生まれ。米国の大学で学士取得後、サウジアラビアのジェッダの病院の委員長を務めるなど、長らくサウジアラビアに滞在してきた。

2012年2月のジュネーブ2会議では、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団の団長を務めた。

また議長選出に続いて、副議長、事務局長の選挙が行われた。

副議長選挙の投票結果は以下の通り:

アブドゥルハキーム・バッシャール:69票

ムハンマド・カッダーフ:57票

ナグム・ガーディリー:57票

サーリム・ムスラト:56票

ヌーラー・アミール:40票

Kull-na Shuraka', July 9, 2014
Kull-na Shuraka’, July 9, 2014
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Kull-na Shuraka’, July 9, 2014
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これによりバッシャール氏の当選が決まったが、残る4人の立候補者は過半数の票を得られなかったため、再投票が実施されたが、いずれも過半数の票を得られなかった。

再投票の結果は以下の通り:

ヌーラー・アミール:58票

ムハンマド・カッダーフ:57票

ナグム・ガーディリー:50票

サーリム・ムスラト:46票

一方、事務局長選挙の投票結果は以下の通り:

ハーリド・ハウジャ:58票

ナスル・ハリーリー:51票

いずれも過半数の票を獲得できなかったため、再投票が実施され、ナスル・ハリーリー氏が当選した。

再投票の結果は以下の通り:

ナスル・ハリーリー:62票

ハーリド・ハウジャ:50票

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フランス外務省報道官は、声明を出し、バフラ氏の議長就任への支持を表明した。

AFP, July 9, 2014、AP, July 9, 2014、ARA News, July 9, 2014、Champress, July 9, 2014、al-Hayat, July 10, 2014、Kull-na Shuraka’, July 9, 2014、al-Mada Press, July 9, 2014、Naharnet, July 9, 2014、NNA, July 9, 2014、Reuters, July 9, 2014、SANA, July 9, 2014、UPI, July 9, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月8日)

シリア国内の動き

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県西部の名士・部族長、ジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と停戦交渉を続けた。

同監視団によると、ジハード主義武装集団らは、①県西部に現状の組織を維持したまま残留し、ダーイシュに忠誠を誓う、②軽火器、重火器のいずれもダーイシュには引き渡さない、③ダーイシュの進駐は限定的なものとし、進駐する部隊はムハージリーン(外国人)のみとする、④ダーイシュはいかなる指名手配者も逮捕しない、⑤アサド政権に対する戦闘を共同で行う、⑥合同のシャリーア委員会を設置する、ことを求めているという。

しかし、ダーイシュは、交渉の前提条件としてジハード主義武装集団の武器の放棄を要求しているという。

**

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県西部での停戦交渉を尻目に、反体制武装集団17組織と、ユーフラテス河畔のスバイハーン市、ダブラーン村、ガリーバ村、キシュマ村、ドゥワイル村住民が、ダーイシュ(イスラーム国)とカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明した。

ダーイシュに忠誠を誓ったのは武装集団は以下の通り:

1. ムウタスィム・ビッラー

2. ヌール・イスラーム

3. ジュンドッラー

4. ハーリス

5. ハーリド・ブン・ワリード

6. 信徒の母アーイシャ

7. 戦線

8. ユーフラテスの鷹

9. スバイハーン殉教者

10. イスラームの盾

11. ジャッラース・アキード

12. ユーフラテス特殊部隊

13. 誇り高きスバイハーン革命家大隊

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イドリブ県で活動するシャーム軍ダーウド旅団が、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を誓った。

ARA News(7月8日付)によると、ダーウド旅団は、アレッポ市北東部へのシリア軍の攻勢を受け、同地で戦う反体制武装集団を支援するためにイドリブ県からアレッポ県に向かったが、その後、ラッカ県に進路を変更し、タッル・アブヤド市一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と戦うダーイシュに参加したという。

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ハサカ県では、ARA News(7月8日付)が地元活動家の話として、シャッダーディー市を制圧しているダーイシュ(イスラーム国)が、ラマダーン月を祝して、市内の貧困層に穀物などの食糧を配給していると報じた。

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ダーイシュ(イスラーム国)は、機関紙『ダービク』を創刊し、ウェブ(https://ia902504.us.archive.org/14/items/HMC_DBQ1/dbq01_mobile_en.pdf)上で公開する一方、シリア国内の制圧地域での配布を開始した。

創刊号は英語で書かれている。

「ダービク」という紙名は、アレッポ県北部の「マルジュ・ダービク」地方に由来しており、同地は16世紀、オスマン朝のセリム1世の軍とカーンスーフ・ガウリー率いるマムルーク軍が戦った「マルジュ・ダービクの戦い」の古戦場として知られる。

Dabiq
Dabiq

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線の拠点だったシュハイル市で、ヌスラ戦線司令官の自宅2件を爆破、破壊した。

一方、シリア軍はダーイシュが制圧するマヤーディーン市各所を空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市南西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦した。

またラッカ市北部のアイン・イーサー市にある人民防衛隊の検問所に対して、ダーイシュ戦闘員が自爆攻撃を仕掛け、クルド人隊員4人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(7月8日付)によると、ミスラーバー市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム戦線所属のイスラーム軍が交戦し、後者の戦闘員6人が死亡した。

レバノンをめぐる動き

LBCI(7月8日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外からダーイシュ(イスラーム国)メンバー複数名が同村に侵入し、住民のムスタファー・ナジーブ・イッズッディーン氏を自宅で処刑した。

ダーイシュはイッズッディーン氏に死刑宣告をしており、同氏の息子ハーリド氏(14歳)も6月5日に同じように処刑されたという。

しかし2人の殺害に関して、レバノンの声(7月8日付)は、ダーイシュではなく、シャームの民のヌスラ戦線のメンバーの犯行だと報じ、またLBICもハーリド氏殺害はヌスラ戦線の犯行だと報じていた。

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『アフバール』(7月8日付)は、7日にイラクの首都バグダードでの自爆テロの実行犯が、北部県トリポリ市出身のムスタファー・アブドゥルハイ氏(22歳、自称アブー・ハファス)だったと報じた。

同紙によると、アブドゥルハイ氏は2年前に、シリアで武装活動を行うシャーム自由人イスラーム運動に参加、その後レバノンに帰国し、イスラーム国(ダーイシュ、当時はイラク・シャーム・イスラーム国)に忠誠を誓い、イラクに転戦していたという。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がバイジ市北部のザウィーヤ地方を制圧した。

同地方制圧に際して、ダーイシュは迫撃砲約60発を発射、住民13人が死亡、民家10棟が破壊された。

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バービル県では、マダー・プレス(7月8日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、軍・警察合同部隊が、空軍の支援のもとにダーイシュ(イスラーム国)の掃討を継続し、ダーイシュ戦闘員16人を殺害した。

また掃討作戦に参加したイラク軍戦闘機は、ダーイシュ拠点などを空爆し、戦闘員24人を殺害した。

さらに、イスカンダリーヤ地方では、警察部隊がダーイシュ(イスラーム国)戦闘員5人を逮捕した。

諸外国の動き

エリック・ハンプトン・ホルダー米法務長官は、シリアとイラクに戦闘目的で渡航した米国人約100人の調査を法務省が開始したと発表した。

AFP, July 8, 2014、al-Akhbar, July 8, 2014、AP, July 8, 2014、ARA News, July 8, 2014、Champress, July 8, 2014、al-Hayat, July 9, 2014、Kull-na Shuraka’, July 8, 2014、LBCI, July 7, 2014、al-Mada Press, July 8, 2014、Naharnet, July 8, 2014、NNA, July 8, 2014、Reuters, July 8, 2014、SANA, July 8, 2014、UPI, July 8, 2014、Voice of Lebanon, July 8, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月8日)

イドリブ県とハマー県で活動する「穏健な反体制武装集団」とシャームの民のヌスラ戦線が共同声明を出し、アレッポ市北部でのシリア軍の攻勢に対応するため、600人の戦闘員からなる新部隊を編成し、同地に派遣したと発表した。

声明によると、新部隊は「シリア政府とダーイシュ(イスラーム国)の攻撃からアレッポ各戦線を救済する」ことを目的としている。

Kull-na Shuraka', July 8, 2014
Kull-na Shuraka’, July 8, 2014

新部隊の編成に参加した武装集団は以下の通り:

1. シャーム軍団

2. シャームの鷹

3. ハズム運動

4. サラーキブ革命家戦線

5. シリア革命家戦線

6. 真実の騎士旅団

7. 第13師団

8. 第101師団

9. シャームの民のヌスラ戦線

 

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Kull-na Shuraka', July 8, 2014
Kull-na Shuraka’, July 8, 2014

シャームの民のヌスラ戦線シャリーア諸委員会のムハンマド・アブドゥッラフマーン・アブー・ジャービル代表は声明を出し、ヌスラ戦線がアレッポ市および同市郊外のシャリーア委員会を脱会したと発表した。

脱会は、アレッポ市および同市郊外のシャリーア委員会の参加団体の一部が、当初の合意に反して、シリア革命反体制勢力国民連立の傘下にあるアレッポ県評議会の活動に寄与していることが理由だという。

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7月6日からトルコのイスタンブールで開催されている新議長選出のためのシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会会合に関して、ダマスカス宣言事務局長のサミール・ナッシャール氏は、AFP(7月8日付)に「アラブ諸国、諸外国の外圧」のもと各派の「コンセンサス」に基づく議長選出が推し進められていると述べた。

ナッジャール氏によると、「米国のあからさまな圧力を示す政治的兆候がある」としたうえで、ジュネーブ2会議で連立代表団を率いたハーディー・バフラ氏を議長に、ハーリド・ハウジャ氏を事務局長に選出するかたちでの「取引」がなされているという。

バフラ氏は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長などが属す民主ブロック(ただしミシェル・キールー氏は排除)が支援、これに対してハウジャ氏は地元評議会ブロック代表を務めるムスタファー・サッバーグ氏らが支援している。

両陣営の「取引」は、シリア・ムスリム同胞団の排除を前提としているという。

AFP, July 8, 2014、AP, July 8, 2014、ARA News, July 8, 2014、Champress, July 8, 2014、al-Hayat, July 9, 2014、Kull-na Shuraka’, July 8, 2014、al-Mada Press, July 8, 2014、Naharnet, July 8, 2014、NNA, July 8, 2014、Reuters, July 8, 2014、SANA, July 8, 2014、UPI, July 8, 2014などをもとに作成。

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最新論考「イラクとシャームのイスラーム国」は何に挑戦しているのか」(『世界』)

髙岡豊「イラクとシャームのイスラーム国」は何に挑戦しているのか」
『世界』第859号、2014年8月、 pp. 20-24

中東が大きく揺れている。内戦の続くシリアから国境を越えてイラクへ進撃し、首都バグダッドに迫る勢いのイスラーム過激派武装勢力ISIS。どういう組織なのか。そしてその登場の歴史的意味とは?・・・

 

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月7日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているハリータ砂漠のハッラータ油田を3度にわたって空爆した。

またクーリーヤ市では、住民がデモを行い、ダーイシュへの忠誠拒否、同組織の市内への進入反対、シュハイル市との連帯を表明した。

同市で反ダーイシュのデモが行われたのは6日に続き2度目だという。

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アレッポ県では、ARA News(7月7日付)によると、アイン・アラブ市南部のカウン・アフタール村をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

ダーイシュは人民防衛隊の検問所を攻撃する一方、村に砲撃を加え、学校などを破壊したという。

またフェイスブックのページ「バッシャール・アサドに対するシリア革命」は、ダーイシュが占拠するバーブ市で、女性が「背教」のかどで処刑されたと発表した。

レバノン国内の動き

NNA(7月7日付)によると、レバノン軍事裁判所のサクル・サクル長官は、ダーイシュ(イスラーム国)に所属し、自爆テロを計画したとの容疑でレバノン人28人を起訴した。

うち7人は既に身柄拘束中だという。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、ARA News(7月7日付)によると、イラク軍戦闘機がトゥーズ・フールマートゥー村(クルド人の村)を空爆し、18歳の少女1人が死亡、8人が負傷したほか、住宅などが倒壊した。

この空爆に関して、イラク軍戦闘機がイラク・クルディスタン民主党の事務所を狙っていたとの情報が流れているという。

また、マダー・プレス(7月7日付)によると、ザウィーヤ地方、マスハク地方で、ダーイシュ(イスラーム国)と部族民兵が激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員35人と部族民兵3人が死亡、ダーイシュ戦闘員70人が負傷した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月7日付)によると、ジュルフ・サフル地方のアンバール県境の地域でイラク軍・警察合同部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

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ラマーディー県では、マダー・プレス(7月7日付)によると、ラマーディー市東部のマラーヒマ地区で、イラク軍・警察合同部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、兵士3人が死亡、5人が負傷した。

AFP, July 7, 2014、AP, July 7, 2014、ARA News, July 7, 2014、Champress, July 7, 2014、al-Hayat, July 8, 2014、Kull-na Shuraka’, July 7, 2014、al-Mada Press, July 7, 2014、Naharnet, July 7, 2014、NNA, July 7, 2014、Reuters, July 7, 2014、SANA, July 7, 2014、UPI, July 7, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月7日)

ARA News(7月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュは、ハサカ県のスィーマルカー国境通行所を経由してイラク(クルディスタン地域)からシリア領内に入国しようとしたシリア・クルド国民評議会のイブラヒーム・バッルー氏(渉外委員会メンバー)の入国を禁じた。

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ハサカ県では、ARA News(7月8日付)によると、民主連合運動(TEV DEM)がダイリーク市でダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市郊外一帯への侵攻に抗議するデモ集会を行い、多数の市民が参加した。

AFP, July 7, 2014、AP, July 7, 2014、ARA News, July 7, 2014、July 8, 2014、Champress, July 7, 2014、al-Hayat, July 8, 2014、Kull-na Shuraka’, July 7, 2014、al-Mada Press, July 7, 2014、Naharnet, July 7, 2014、NNA, July 7, 2014、Reuters, July 7, 2014、SANA, July 7, 2014、UPI, July 7, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月7日)

『ハヤート』(7月7日付)は、複数の外交筋の話として、イラン政府の仲介のもと、シリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立前議長で無所属活動家のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏の「和解」に向けた秘密交渉が行われていると報じた。

同報道によると、交渉では、7月17日に予定されているアサド大統領の就任宣誓後の組閣で、ハティーブ氏を首相とする挙国一致内閣の発足が争点となっているという。

しかし、ハティーブ氏は首相就任に先立って、シリア政府側との「信頼醸成と善意」の表明の一環として、①シリア当局が拘束中のすべての女性、子供の釈放、②すべての在外居住者(活動家)へのパスポートの発給を求めているという。

al-Hayat, July 7, 2014をもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月6日)

クルド人戦線旅団(自由シリア軍)総司令部は声明を出し、反体制武装集団に対し、シリア軍のアレッポ市への攻勢に対処するため、不和を解消し、結集するよう呼びかけた。

また声明は、アブドゥルアズィーズ・サラーマ司令官がシャームの民のヌスラ戦線とクルド人戦線旅団の不和を助長していると非難し、これがシリア北部における反体制武装集団の敗退をもたらしているとの見方を示した。

ARA News, July 6, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月6日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線の一大拠点シュハイル市を制圧したダーイシュ(イスラーム国)は、住民約3万人以上を市外に強制移住させた。

ダーイシュはまたシュハイル市に先立って制圧したヒシャーム村の住民約1万5,500人と、タービヤ村の住民約1万5,000人も追放し、帰宅を認めていない。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているシャッダーディー市一帯を空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市のマルトゥー広場で、ダーイシュ(イスラーム国)が、「ヌサイリー体制(アサド政権のこと)と協力」した罪で男性2人を公開処刑した。

またジャラーブルス市郊外のズール・マガール村、バイヤーダ村、ズィヤーラ村の奪還をめざす西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュと交戦した。

一方、ARA News(7月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュが占拠していたジュッブ・ファルジュ村、ハッラーブ・アトゥー村を奪還した。

このほか、シリア人権監視団によると、アフタリーン市郊外では、ジハード主義武装集団がダーイシュ戦闘員2人を拘束した。

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シリア人権監視団によると、ワルド油田を除くダイル・ザウル県内の油田を掌握したダーイシュ(イスラーム国)は、原油の販売を開始した。

ダーイシュは業者に1バレルあたり12ドル(2,000シリア・ポンド)で原油を販売するとともに、業者に対しては「シリア国民の人道的危機を考慮」し、ダーイシュ制圧地区で1バレルあたり18ドル(3,000ポンド)で流通させるよう求めているという

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シリア・ムスリム同胞団のイスラーム法源解釈委員会は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言に関して、「無効であり、シャリーアに則したものとはみなし得ない」と批判した。

同胞団はまた、ダーイシュについては、「イスラーム教徒、民革命家さらには自由シリア軍の英雄への背教宣告」によって、無実の人々を殺害したと断罪し、「これらの者に忠誠」を誓うことはないと強調した。

そのうえで「カリフとは、弱肉強食でも流血でもなく、至高なるアッラーの法に根ざした政治・宗教職」だと主張、イスラーム国のカリフ制が「独裁者を別の独裁者にとりかえること」だと非難した。

イラク国内の戦況

キルクーク市に駐留するイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ第1旅団司令官のシールクー・ファーティフ・シャワーニー准将は、ダーイシュ(イスラーム国)の侵入を防ぐため、キルクーク県南部に全長50キロの土塁を建設すると発表した。

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イラク軍総司令部報道官のカースィム・アター大将は記者会見で、サラーフッディーン県バイジ製油所一帯、アンバール県、バービル県ジュルフ・サフル地方、ニナワ県タッルアファル郡などでのイラク軍による掃討作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員82人を殺害、車輌18台を破壊したと発表した。

AFP, July 6, 2014、AP, July 6, 2014、ARA News, July 6, 2014、Champress, July 6, 2014、al-Hayat, July 7, 2014、Kull-na Shuraka’, July 6, 2014、al-Mada Press, July 6, 2014、Naharnet, July 6, 2014、NNA, July 6, 2014、Reuters, July 6, 2014、SANA, July 6, 2014、UPI, July 6, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア反体制勢力の動き(2014年7月6日)

シリア革命反体制勢力国民連立の民主ブロックは、イスタンブールで会合を開き、ムワッファク・ニールビーヤ氏(ドイツ・ベルギー代表)を連立議長選挙の統一候補として擁立することを決定した。

投票は、5日にイスタンブールで開かれたブロックの会合で、ミシェル・キールー氏、ニールビーヤ氏不在のなかでハーディー・バフラ氏が議長候補者として擁立されたことをうけたもので、投票では、ニールビーヤ氏が10票、バフラ氏が9票を獲得した。

一方、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長とムスタファー・サッバーグ前書記長は、民主ブロックに対抗するために接近し、ジャルバー議長のブロックから議長を、サッバーク前書記長のブロックから書記長を擁立することで合意したという。

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クッルナー・シュラカー(7月6日付)によると、アレッポ県で活動するという「無所属」の武装集団が「イスラームおよびイスラーム教徒救済(ヌスラ)のための北の騎士旅団」を結成すると発表した。

北の騎士旅団には20の武装集団が参加しているという。

AFP, July 6, 2014、AP, July 6, 2014、ARA News, July 6, 2014、Champress, July 6, 2014、al-Hayat, July 7, 2014、Kull-na Shuraka’, July 6, 2014、al-Mada Press, July 6, 2014、Naharnet, July 6, 2014、NNA, July 6, 2014、Reuters, July 6, 2014、SANA, July 6, 2014、UPI, July 6, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月5日)

イラクの戦況

イスラーム国のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏がモスル市のモスクで説教を行う映像(https://www.youtube.com/watch?v=0PjTSKOMpGk)がインターネットを通じて公開された。

バグダーディー氏が姿を現したのは、モスル市内のヌーリー大モスクで、ラマダーン月に合わせて説教を行った。

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説教のなかでバグダーディー氏は「アッラーは、我々にアッラーの敵と戦い、アッラーのためにジハードを行い、そうすることで宗教を確立するよう命じられた…。アッラーは、あなた方の同胞であるムジャーヒディーンの勝利と制服を祝福された。彼らが長年にわたりジハードを行い耐える力を与え、彼らが目的を実現できるようになさった。それゆえ、彼らは迅速にカリフ制を宣言し、イマームを指名できた。これは数世紀にわたって失われてきたイスラーム教徒にとっての義務なのだ」と述べた。

なおイラクの複数のメディアは、バグダーディー氏がアンバール県での空爆によって負傷したと報じていた。 

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アンバール県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、サクラーウィーヤ地方ファッルージャ郡で、ラマーディー市と首都バグダードを結ぶ国際幹線道路に架かる橋を爆破、破壊した。

また同地ではイラク軍とダーイシュが交戦し、ダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

このほか、ラマーディー市では、ダーイシュが警察と覚醒評議会の検問所を襲撃し、警官と覚醒評議会メンバー7人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、イラク軍がバイジ製油所に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を撃退、12人を殲滅した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を続け、ダーイシュの南部州司令官ムハンマド・ジャナービー氏を含むダーイシュ戦闘員5人が死亡した。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、ラシャード地区近郊で、部族民兵がダーイシュ(イスラーム国)の司令官の一人サッターム・ジャッブーリー氏が乗った車を攻撃、同氏を殺害した。

またダーイシュはウバイド部族のシャイフ1人をスース村近くで拉致、連行した。

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するラッカ市北部のサッカ地区をシリア軍戦闘機が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するカスラ村各所、ジュダイダ・アカイダート村をシリア軍戦闘機が空爆、またダイル・ザウル市各所をシリア軍が砲撃した。

またアブー・ハマーム市では、ハムザ大隊、イブン・カイイム旅団が、ダーイシュと交戦した。

一方、同監視団によると、ガラーニージュ市、アブー・ハマーム市、カシュキーヤ村で、停戦とダーイシュへの忠誠の宣誓のための交渉が続けられた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が展開するアフタリーン市郊外のバフーリタ村の丘陵地、バルアーン村、ワーシュ山に対して、ジハード主義武装集団が手製の迫撃砲で攻撃、ダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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ヌスラ戦線アミール、ジャウラーニー氏とは?(2014年7月5日)

タフリール・スーリー(7月5日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の一大拠点であるダイル・ザウル県シュハイル市がダーイシュ(イスラーム国)の手に陥落したことを受け、ヌスラ戦線のアミール、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏の詳細な経歴について公開した。

同サイトによると、ジャウラーニー氏の本名はウサーマ・ハッダーウィー、年齢は30歳で、シュハイル市出身だという。

ジャウラーニー氏はイラク戦争発生当時、ダマスカス大学で医学を学んでいたが、イラクでの戦闘に参加するために、兄弟(ヤフヤー)とともにイラクに潜入したという。

しかし、別のサイトによると、ジャウラーニー氏とともにイラクに潜入したのは、別の兄弟サーミル氏(イラクで戦死)、ヤフヤー氏は経済学士を取得したという。

ジャウラーニー氏は、兄弟が死亡後もイラクにとどまったが、アル=カーイダに参加した容疑で逮捕され、1年間に同国で投獄された。

その後、2011年末にシリアで混乱が増すなか、イラク・イスラーム国(当時)指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏から、シリア国内の作戦の指揮を負かされ、ダイル・ザウル県のシュハイル市に戻り、別の兄弟のA・ハッダーウィー氏(本名不明)とともに活動を準備、2012年にダマスカス県カフルスーサ区で最初の爆弾テロを実行したという。

ヌスラ戦線による自爆テロのほとんどは、バグダーディー氏の親戚が実行犯だという。

その後、ヌスラ戦線は、シャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏(本名マイサラ・ジャッブーリー氏)の参加により勢力を伸張し、イドリブ県ビンニシュ市、ラッカ市に侵攻し、同地に拠点を構えた。

しかし、2013年にバグダーディー氏がイラク・シャーム・イスラーム国の結成を宣言し、ジャウラーニー氏に参加を求めると、両者の対立が表面化、ジャウラーニー氏はシュハイル市に移動した。

その後、ジャウラーニー氏はハサカ県マルカダ市での戦闘で負傷し、イドリブ県で治療を受けたという。

現在の居場所は不明。

「ジャウラーニー」(ゴラン高原出身者)という呼称を選んだ理由は定かでないが、ダイル・ザウル県出身者であることをシリア治安当局に知られることを避けるために、この呼称を選んだと思われるという。

al-Hayat, July 6, 2014、Tahrir Suri, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月5日)

自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長はビデオ声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)のダイル・ザウル県での攻勢とシリア政府によるアレッポ市郊外のシャイフ・ナッジャール市工業団地地区完全制圧に関して、「ペンチで挟まれているよう」と惨状を訴えた。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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最新論考「カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来」(Synodos)

髙岡豊「カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来」
Synodos、2014年7月4日
http://synodos.jp/international/9659

2014年6月、「イラクとシャームのイスラーム国」[*1]の攻勢を前にイラク軍が脆くも敗走、イラク中部の諸都市や、西部のシリアやヨルダンとの国境通過地点が「イスラーム国」などの武装勢力の手に落ちた。・・・